アタローの読書 -38ページ目

アタローの読書

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Killers(下)Killers(下)感想
下巻では現在の話が主で捜査陣は代替わりし当時の担当だった刑事は犯人に殺害されその孫が刑事となり未解決のまま十字殺人の犯人を追っている。犯人だろうということが解っていながら本人に辿り着けず…。被害者が増えていくし事件は終わらない。何故人を殺し何の為に人を殺すのか?犯人の精神の気持ち悪さ、そしてそれを神のようだと崇める若者。後味の悪く恐ろしい内容だった。
読了日:7月16日 著者:堂場瞬一
グランドマンション (光文社文庫)グランドマンション (光文社文庫)感想
グランドマンション一番館には変わった住人が沢山住んでいる。元サラリーマン、元公務員、三世帯同居家族、独居老人そんな住人達の間で様々なトラブルが起こる連作短編集。一見どこにでもありそうなマンションだが現実とは違う。現実でありそうでどこか違う。一つ一つの話にトリックが仕組まれていてラストに繋がる。そして短編全てが繋がっていて見事ラストでそういうことなんだと解り楽しめた。
読了日:7月17日 著者:折原一
土の中の子供 (新潮文庫)土の中の子供 (新潮文庫)感想
幼い頃親に捨てられ遠い親戚に引き取られ壮絶な虐待を受けた主人公。幼い頃の恐怖や苦痛を抱え自ら暴力や死の恐怖を求めその先にあるものを探しながら似た経験をし克服しようとする心の深さに読んでいてずっしりと重くのしかかってくる。過去の凄まじい暴力の記憶が精神や骨にまで刻まれ幼い頃土の中で死ぬはずの彼は長く深い自分自身の落下を経て僕は土の中から生まれたと過去の闇と向き合うことが出来たみたいだ。
読了日:7月18日 著者:中村文則
女學生奇譚 (文芸書)女學生奇譚 (文芸書)感想
この本を読んではいけない…から始まる警告文が挟まっていた古書について探して欲しいと依頼される八坂。古書の持ち主も失踪して現在も行方不明。発行が昭和3年というその本は佐也子の独白で語られていく。女学生だった佐也子がある屋敷に拉致され閉じ込められている中で書いたもの。佐也子だけなく何人もの女学生が拉致され一人一人と座敷牢を出て行ったまま戻って来ない。八坂はこの本の内容が戦前に起こった女学生失踪事件を書かれている事に気づく。先の見えない展開にぐいぐい引き込まれラストがあれっと思ったこの作品は続くのか?
読了日:7月18日 著者:川瀬七緒
ゼツメツ少年 (新潮文庫)ゼツメツ少年 (新潮文庫)感想
自分がゼツメツしてしまうという危機感を持っているタケシとジュンそしてゼツメツしてしまうことに気付いていないリュウ。3人は不登校の子供達の為の合宿で出会い冒険のような家出をするゼツメツしないで生き延びる為に。彼らが捜し求めていたのは心の居場所。彼らを物語の中に隠してほしいと書かれたタケシからの手紙で作家であるセンセイが小説の中で小説を書く。その話の中でこれまでの重松作品で登場した人物達が3人の心を救っていく。本書の中で心に響く言葉が沢山あり読んでいる私までも心に響いた。
読了日:7月20日 著者:重松清
バベル九朔バベル九朔感想
満大は会社勤めを辞め小説家を目指しながらバベル九朔という雑居ビルの管理人を勤めている。ある時謎のカラス女の出現で異世界に飛ばされてしまう。そこは湖と高い塔があって一人の少女がいた。高い塔バベルは無駄な夢の残骸をエネルギーに高さを増していくらしい。カラス女が言うにはバベルの崩壊が迫っているという。カラス女は敵か味方なのか祖父の大九朔は良い人なのか悪い人なのか?そして満大と少女はこの異世界から現実へ戻ることが出来るのか?今作は私には難しかった。
読了日:7月20日 著者:万城目学
天使の代理人天使の代理人感想
20年間中絶に手を貸してきた助産師が自分の行動がどこか間違っているという疑問を持ち彼女は勤務していた産婦人科を出る。今まで自分の手で殺していった子供達への罪ほろぼしの為に今までの体験を世間に知らせる為に書く。中絶是非論が展開し彼女がテレビで訴える場面は悲しかった。人口妊娠中絶というあまりに暗く重いテーマ。人口妊娠中絶という病気や母体の危険など例外はあるが大半の中絶、胎児を闇から闇へ葬ることが行われているいるというまして人の命を助ける為に存在する医師の手で…。多くの人に読んでもらいたい本書です。
読了日:7月21日 著者:山田宗樹
ジェノサイド 上 (角川文庫)ジェノサイド 上 (角川文庫)感想
ジョナサンのミッションはアフリカのコンゴに住むある部族を絶滅させる事だったが本当の目的はそこで生まれた人類を遥かに上回る知能を持った子供を殺害する事だったジョナサンはあらゆる暗号を瞬時に解読出来てしまうので合衆国政府は脅威となると判断される大学院で薬学を学ぶ研人の父が急死し亡くなったはずの父からメールがそのメールに従い研人は父が自宅とは別のアパートである研究をしていた事を発見研人は父の研究を引き継ぎ世界で10万人いるといわれている不治の病の特効薬の開発に取り組む不治の病の患者の一人がジョナサンの息子なのだ
読了日:7月22日 著者:高野和明
ジェノサイド 下 (角川文庫)ジェノサイド 下 (角川文庫)感想
研人は開発を急ぐがアメリカ政府から妨害され狙われることに。ジョナサンも狙われていると気づき新種の子供を連れアフリカを脱出しようとするがアメリカ政府の攻撃に遭う。薬の開発に取り組む研人達も警察に追われ自国の為ならジェノサイドも辞さないというアメリカ大統領。10万人の子供達の命を救う為の研人の研究という相反する内容が見事に一つの作品にまとめられている。ジェノサイドを行う生き物は人間だけだそう。世界はアメリカの為にあるようにも感じるスゴイ物語だった。
読了日:7月22日 著者:高野和明
百鬼夜行抄 25 (Nemuki+コミックス)百鬼夜行抄 25 (Nemuki+コミックス)感想
初期の頃に比べ難しくなっていた百鬼ですが今作は読んで面白かった。契約終了となった青嵐。微妙な距離感があった律と青嵐だが2人の関係もなんだかんだと安心した。懐かしい人たちも出てきて堪能出来た。
読了日:7月22日 著者:今市子
侵蝕 壊される家族の記録 (角川ホラー文庫)侵蝕 壊される家族の記録 (角川ホラー文庫)感想
子供を亡くした喪失感につけ込まれ子供と同じ名前の少年を家に入れ、しまいにはその母親や弟までも寄生し徐々に家を侵蝕されていってしまう。正常な思考を奪われていき大切な家族を大切に思えなくなっていく過程が恐ろしい。実際に起きている事件であるだけに読んでいて信憑性があり不気味だった。加害者でもあり被害者という人生を狂わされてしまってこの上なく重くやりきれなかった。
読了日:7月23日 著者:櫛木理宇
下鴨アンティーク 神無月のマイ・フェア・レディ (集英社オレンジ文庫)下鴨アンティーク 神無月のマイ・フェア・レディ (集英社オレンジ文庫)感想
下鴨アンティークシリーズ最新作。鹿乃の両親の出会い、曽祖父母のお見合いからの馴れ初め、慧の隠されていた家族のことなどそれぞれの時代で人々の思いが丁寧に描かれている。そして草食男子だと思っていて怖くも感じる春野が鹿乃に告白。鹿乃と慧の仲もさらに前進これからの2人の仲がどうなっていくのか楽しみ。今作も素敵なアンティーク着物が沢山登場して楽しみながらあっという間に読了面白かったです。
読了日:7月23日 著者:白川紺子
トライアウト (光文社文庫)トライアウト (光文社文庫)感想
シングルマザーの新聞記者・可南子と元甲子園のヒーローが再会し取材を通して自身の生き方を見つめ直していく。戦力外通告を受けてもまだ諦めきれない野球選手が挑戦する最後のチャンス・トライアウト。野球ものかと思ったが家族の絆どん底から這い上がろうとする心情そして深澤という人物がとても魅力的でどん底の状態にいるが諦めないで自分を信じそして可南子や孝太のことを思いやれる人物。愛と強さに満ち溢れていた物語良かった。
読了日:7月23日 著者:藤岡陽子
天使の囀り (角川ホラー文庫)天使の囀り (角川ホラー文庫)感想
アマゾンに派遣された調査団の高梨は帰国してから繊細で陰りがあった彼が別人のように明るくなっていて驚く。そして恐れていた死に異常な関心を示すようになり鳥の羽ばたきそして囀りのような音が頭の中で聞こえると言い彼は自殺する。プロローグで余命数ヶ月の少年がモルヒネを限界投与されなんとか激痛を抑えている状態エピローグでこの少年に線虫を寄生させ少年は程なく幸福な状態で死を迎える。人を殺す寄生虫だが末期癌で安楽死を望むような患者には神様からの贈り物のような薬にもなり貴女だったらどうするという問題提起をしている内容だった
読了日:7月24日 著者:貴志祐介
玉依姫玉依姫感想
今作は現代の日本の女子高生が主人公、山内を出て外界の話。これまであまり詳しく明かされていなかった山神、山神と玉依姫の恋物語であり山神と八咫烏と猿の関係が徐々に明らかになり金烏の記憶も戻ってくる。奈月彦が割と早く登場するが今作は八咫烏はメインてはなかったのが残念で雪哉が登場しないのも寂しかった。だが読み進めていくうちに引き込まれる物語は面白かった。来年夏にシリーズ第一部完結が出るまで待ち遠しい。
読了日:7月25日 著者:阿部智里
破裂破裂感想
医療事故から始まり自身の診察ミスで酷い目に遭った過去を持つジャーナリスト、出世の為にミスを隠す医師、この医師の医療事故で父親を亡くした女性、老人達を安楽死させようと目論む厚生労働省の役人、医療過誤の告発をしようとする麻酔医この5人が絡み合いストーリーは展開していく。身体の融通がきかなくなりただ長生きすることが幸せなのかと個人の尊厳を問う。そして老人過多で社会保障が崩壊してしまうためと老人を減らしていく必要性を社会的に言っている。現実感がある内容とても興味深い一冊だった。
読了日:7月26日 著者:久坂部羊
ブラック・ドッグブラック・ドッグ感想
過激な動物愛護団体DOGより巨大な黒い犬、犬というには大きな獣それが何頭も黒い獣たちは数人に襲いかかり血しぶき悲鳴があがりと閉鎖された環境の中黒い犬と人間の殺戮が繰り広げられる。黒い犬戦闘能力を備えた殺戮犬。そんな恐ろしい犬が出現するに至った背景には現代のペット産業や食肉文化が抱えている問題が色濃く影を落としている。種差別の克服そこから派生する社会問題。私たち人間が動物にしてきたことは残酷ではなかったか。
読了日:7月27日 著者:葉真中顕
生還者生還者感想
登山というものの中に隠された秘密を解き明かしていくミステリーであり登場人物たちの過去や微妙な心理が描かれている。高瀬と恵利奈は何故単独で登山するようになったのか?雪崩発生時に何が起きていたのか?4年前の事故の意外な真相最後まで面白い。
読了日:7月28日 著者:下村敦史
海と毒薬 (新潮文庫)海と毒薬 (新潮文庫)感想
九州の大学病院で秘密裏に行われた生体解剖。関わった医師らが解剖が行われた背景を淡々と語っていく。ある者は権力欲から又ある者は権力にすがる出世欲から所詮は殺される運命の捕虜を医学の進歩に役立てるという理由を掲げる者もいる。戦争という背景もこの事件に大いに影響を及ぼしている。捕虜ならどう扱ってもいいのか、医学の為の殺人と戦争での殺人の意味の違いはあるのか。自分だったらどう対処し行動したか。本書は罪と罰ということだと思った。
読了日:7月28日 著者:遠藤周作
香水―ある人殺しの物語 (文春文庫)香水―ある人殺しの物語 (文春文庫)感想
18世紀半ば貴族文化の芳香と貧しい市井の人々が放つ腐臭が混ざりあう都市にグルヌイユは生まれた。誰にでもある体臭が無かったグルヌイユ。だからグルヌイユは自作の香水がパリを酔わせても都会を離れて山中で自然の香りに包まれて暮らしても満たされることがない。処女の匂いそれだけがグルヌイユの欲望に火をつける。恋や愛といったものに限りなく近い欲望、少女達を殺し独自の方法で処女の匂いを手にした彼は罪に問われても香りという武器を纏い罪を逃れる。血生臭いのに感じさせない独特の世界が印象深く凄かった。
読了日:7月29日 著者:パトリックジュースキント