アタローの読書 -27ページ目

アタローの読書

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12月に読んだ本のまとめですカナヘイうさぎ




2016年12月の読書メーター
読んだ本の数:36冊
読んだページ数:12333ページ
ナイス数:6761ナイス

明治・妖モダン明治・妖モダン感想
江戸から明治になって二十年余りの銀座。銀座四丁目の巡査派出所勤務の原田巡査と滝巡査。そして彼ら行きつけの牛鍋屋「百木屋」に集う面々の周囲で起こる不思議な事件の数々を描いた短編。読んでいくうちにどうやら主要メンバー全員が妖のよう。まだまだ気になることもあるが続編も出ているので読もうと思う。
読了日:12月1日 著者:畠中恵
パレードの明暗 座間味くんの推理パレードの明暗 座間味くんの推理感想
警視庁の女性特別機動隊に所属し羽田空港の保安検査場に勤務する南谷結月は仕事に不満を感じ視野の狭さに気付いた上官から飲み会に同席するようにと言われる。その飲み会は大迫警視長と民間人の座間味くん。飲み会の中で事件についての説明が大迫警視長から話される。既に事件は解決しているのだが、ちょっと見方を変えればこんな解釈が出来るんだと座間味くんから話される。それが真実なのかは解らないが座間味くんの解釈が本当らしく読みながら納得してしまう。短編どれも同じように進んでいき毎回違った料理が出てくるのも良い。
読了日:12月1日 著者:石持浅海
麒麟の舌を持つ男麒麟の舌を持つ男感想
最期の料理請負人を名乗る佐々木充。人生の最期に食べたい料理を提供することを生業にしている。依頼で北京へ、遡ること82年宮内省大善寮に勤めていた料理人の山形は満州へ向かう。物語は現在と82年前とを交互に絡みながら展開する。共通点は大日本帝国食菜全席のレシピ。佐々木は謎を解くことが出来るのか?山形はレシピを完成出来たのか?ラストに近づくにつれ意外な事実が明らかにされ更に驚くべき結末を迎える。
読了日:12月2日 著者:田中経一
文庫版 狂骨の夢 (講談社文庫)文庫版 狂骨の夢 (講談社文庫)感想
夫を4度殺した朱美。極度の強迫観念に脅える元精神科医の降旗。神を信じ得ぬ牧師の白丘。夢と現実に悩む3人の前に怪事件が。海に漂う金色の髑髏、髑髏を追いかけている3つの勢力。それぞれ信じるものがあって骸骨に囚われている。作中ある人物のしゃべり口調が微妙に違い多重人格なのかと思っていたがまさかの展開に。京極堂が言うように事実はただシンプルにそこにあったのに人はその裏の意味を深読みしようとして悩んでしまう。京極堂の憑き物落としのシーンは本当に気持ちいい。関口・木場・榎木津と登場して良かった。
読了日:12月3日 著者:京極夏彦
12番目のカード12番目のカード感想
女子高生のジェニーヴァが図書館で古い新聞記事を閲覧中何者かに強姦されそうになるが難を逃れる。単純な強姦未遂事件だと思い調べ始めるリンカーンとアメリアだがこの事件は強姦事件に見せかけただけだと気付く。犯人の動機はジェニーヴァの祖先である解放奴隷チャールズに端を発しているのか?執拗にジェニーヴァを狙う犯人を追い詰めることは出来るのか?現実の事件と1400年前に起きた事件の繋がりと物語は展開していくのだが奇想天外、荒唐無稽の紙一重と苦しい感じもした。
読了日:12月4日 著者:ジェフリーディーヴァー
吾輩も猫である (新潮文庫)吾輩も猫である (新潮文庫)感想
猫好きの人気作家それぞれが猫の視点で描くアンソロジー。赤川次郎の「いつか、猫になった日」はミステリーありで猫が実は亡くなった妻なのだが、どうして自分は死んだのかという謎に迫っていく。荻原浩の「吾輩は猫であるけれど」は四コマ漫画で可愛かった。表紙の猫のイラストが可愛くて買ったがどの短編も楽しめる一冊でした。
読了日:12月4日 著者:赤川次郎,新井素子,石田衣良,荻原浩,恩田陸,原田マハ,村山由佳,山内マリコ
メビウスの守護者 法医昆虫学捜査官メビウスの守護者 法医昆虫学捜査官感想
四日市警察署管内の山中で男性のバラバラ死体が発見された。発見者は山岳救助隊員である牛久巡査長。警視庁の岩楯警部補も捜査に駆り出される。現場には切断された腕がバラバラに投げ出された状態、死体には大量のウジが湧いていた。足・胴体・頭部は見つからず、そして両腕から判断される死亡推定日時が赤堀の法医学から割り出されたものと虫達が教えてくれる事実とは日時が違うという。岩楯と牛久は捜査し始め赤堀も現場へ行き調べる事に。段々と犯人像に迫ってゆくが気味の悪い薄気味悪さ予想もつかない犯人と結末には驚かされた。
読了日:12月6日 著者:川瀬七緒
ずっとお城で暮らしてる (創元推理文庫)ずっとお城で暮らしてる (創元推理文庫)感想
砒素混入一家虐殺事件が起こった豪華な館で暮らすコンスタンス、メリキャット姉妹とジュリアン叔父。彼女らは村の憎悪に晒されながらも平穏に暮らしていた。だが従兄弟である俗物的な男であるチャールズが来るまでは…。チャールズはコンスタンスに外の世界に出るようにと促しコンスタンスもその気になりかかる。しかしメリキャットは自分達の幸せな生活の闖入者としてチャールズを忌み嫌う。閉ざされた家の閉ざされているから故の幸福が他者の介入により打ち砕かれていく。文体や行動が幼いだけに姉妹の狂気が染みてくる。
読了日:12月6日 著者:シャーリィジャクスン
十一月の扉十一月の扉感想
中学2年の爽子がある日家の近所に赤い屋根に白い壁の素敵な洋館を見つける。そこは十一月荘という下宿屋。ちょうど突然東京への引っ越しが決まり爽子は短期間という条件で十一月荘に下宿することになる。温かい大家さんを始め個性豊かな素敵な人達ばかり爽子は限られた時間素敵なことをしようと物語を書くことにする。素敵な人達に囲まれゆっくりと自分と向き合う日々かけがえのない宝物。一つの世界を作り出す喜び、そして素敵な恋を経験し赤毛のアンのアンとギルバートを思い出すような物語を一緒に楽しめた。
読了日:12月7日 著者:高楼方子
絶対正義絶対正義感想
高校時代からの友人範子から4人の女性にパーティーの招待状が届く。5年前4人で殺した女性からの招待状4人は連絡を取り合いそれぞれに来たと知り殺したはずなのに生きていたのか?それとも4人の中に送り主がいるのか?と気になりだす。範子は絶対主義というタイトル通りの持ち主で間違った事法を犯した事は絶対に許さない。読んでいて範子の言う事は正しいのだが自分の近くにこんな人がいなくてホッとした。4人それぞれ範子に助けられた経験があり感謝していたが…。4人の視点で描かれていきラストにさらなる驚きが、イヤミスを堪能しました。
読了日:12月8日 著者:秋吉理香子
農ガール、農ライフ農ガール、農ライフ感想
久美子は派遣で働いていたファミレスから契約を切られた。そしてちょうどその日同棲していた修から結婚を前提につき合っている女性がいる事を知る。仕事と共に部屋を出ていかなければならなくなった久美子はテレビで農業に取り組む女性の特集を観てやる気になり農業大学校の事を調べ申し込む。卒業してこれからと意気込むが誰も農地を貸してくれないという現実。独身女性による農業の厳しい状況を知りそれでも真面目に取り組む久美子は次第に道が開けてくる。全てを失い一から始めた久美子が直面する問題や農業をしていく姿には元気をもらえた。
読了日:12月9日 著者:垣谷美雨
丹生都比売 梨木香歩作品集丹生都比売 梨木香歩作品集感想
草壁皇子の物語だが母である鸕野讃良皇女が鏡のように映し出されている。歴史の通説とは少し違った梨木さんの解釈も入った小説。吉野での苦しい日々が水銀(しろがね)と水の物語となっている。孤独、悲しみ、静けさ、自然が文章と共に広がってくる。ひたひたと沁み込んでくる寂しさと魂の清らかさと世界の美しさ。寂しさが心に響く作品集だった。
読了日:12月9日 著者:梨木香歩
信長の棺信長の棺感想
信長公記を著した太田牛一、信長に謎の荷物を預かった直後に起きた本能寺の変。荷物を隠した牛一は監禁され解放された時は秀吉の天下だった。そして秀吉から信長の公記を書くよう頼まれる。執筆に取り掛かるが本当の狙いは秀吉が隠そうとする信長の死の真実を探すこと。信長の遺骸は本能寺で何故見つからず、何処へ消えたのか?牛一の調べにより浮かび上がる本能寺の変の前後の水面下の動き。信長の勇壮にして果断な精神を賞賛する牛一にすれば辛い事実。信長の側面を秀吉から語られる。
読了日:12月10日 著者:加藤廣
雪煙チェイス (実業之日本社文庫)雪煙チェイス (実業之日本社文庫)感想
老人が自宅で殺された。その老人宅は竜実の犬の散歩のバイト先で犯行前に竜実の姿が老人宅で見かけられていた。竜実は鍵の在処も知っているし犬のリードも持って帰っていた為に殺人事件の容疑者に。しかし犯行時刻竜実はスキー場にいたというアリバイと偶々出会った美人スノーボーダーがいた、だが証明する方法がなく。根津や千晶も登場。竜実の友人波川が機転が利き良いコンビ。スピード感ある展開、女神とは誰なのかと楽しんで読めた。
読了日:12月11日 著者:東野圭吾
我が家の問題 (集英社文庫)我が家の問題 (集英社文庫)感想
家庭で起きた様々な問題6つの短編集。新婚なのに家に帰りたくない夫、離婚を考えている両親、会社でお荷物になっている夫、UFOを見たと言い出した夫、初めての里帰りが憂鬱な新婚夫婦、ランニングにハマった妻。それぞれの問題を家庭で解決しようとする様子は滑稽であったりもするが微笑ましい。問題にきちんと向き合う家族の絆は強くなり前向きで素敵。家族って良いなぁ、そして自分も明日から頑張ろうと思えた。
読了日:12月13日 著者:奥田英朗
そして粛清の扉を (新潮文庫)そして粛清の扉を (新潮文庫)感想
宝厳高校卒業式前日3年D組の担任亜矢子は29名の生徒達を前にして「あなた達は24時間人質です」と宣言する。担任の不気味な態度と言葉に反抗した男子生徒に向かって亜矢子はいきなりサバイバルナイフで喉元を切りつける。そしてもう1人の男子生徒は心臓をナイフで貫かれて死亡クラス内は騒然となるが元々暴走族や窃盗グループ薬の売買強請りなどを常習としありとあらゆる悪の巣窟クズの集まりのような生徒ばかりに亜矢子はさらなる企みが。
読了日:12月14日 著者:黒武洋
コクーンコクーン感想
カルト教団シンラの教祖天堂の命を受け白装束に身を包んだ6人の信者が無差別テロを引き起こす。無差別テロの加害者と被害者とその影響は計り知れず事件から月日が経った今なお多くの人の人生に陰りを落としている。カルト集団の教団に息子を殺された母親、教祖の幼なじみの男、逮捕された信者の妹、妻を奪われた男、教祖の母、事件に関係した者達の事件以前、事件後の人生を通してこの無差別テロ事件の社会の暗部人間の禍々しい狂気を感じさせ身動き出来なくなるような重さがのしかかる。狂った神の作った悪の世界で生きる意味とは?心が刺さる。
読了日:12月15日 著者:葉真中顕
珈琲店タレーランの事件簿 5 この鴛鴦茶がおいしくなりますように (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)珈琲店タレーランの事件簿 5 この鴛鴦茶がおいしくなりますように (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
アオヤマの中学時代の想い人である眞子との再会から淡い想いが明かされる。アオヤマが理想のコーヒーを探すきっかけとなった眞子。11年ぶりに8歳年上の眞子と再会するが彼女には暗い翳りが。源氏物語をベースに語られる6つの謎。眞子を含めドロドロとした3組の男女関係の深い悩みに美星とアオヤマが巻き込まれる。人の心は単純にはいかず人と人の間には常識や良識、法律などでは割り切れない想いがある。そして美味しいコーヒーは人を笑顔にし、だからこそ人を愛することができるんだと思った。
読了日:12月16日 著者:岡崎琢磨