ペテロの葬列 上 (文春文庫)の感想老人によるバスジャック事件。老人は流暢な弁舌でバスの乗客をコントロールする。しかし老人の死と引き換えに事件は解決したかに見えたがそこから謎が始まる。天涯孤独で貧しかった老人から大金が届けられる。いったい誰がそしてお金は受け取ってもいいのか。老人がバスジャックの最中連れてくるようにと警察に要求した3人の人物を探すこと。続きは下巻で。
読了日:05月17日 著者:宮部 みゆき
ペテロの葬列 下 (文春文庫)の感想送り状の発送元を調べることで手掛かりを探し事件の裏に世間を騒がせたマルチまがい商法があった事を突き止める豊田商事事件。その後も後を絶たないペーパー商法の問題更に杉村に降り掛かる色々な問題。職場ではセクハラパワハラの事案が勃発、旧知の私立探偵の北見の未亡人に会いに行き殺人事件に巻き込まれ、老老介護の問題と様々な社会問題の要素が内包している。それらが複雑に絡み合いどれもが意味がある事だと解ってきて事件がひとまずの解決をするが杉村個人にとって大きな転機が訪れるこれには驚かされた。次巻である希望荘が早く読みたい。
読了日:05月17日 著者:宮部 みゆき
LEAK 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子 (角川ホラー文庫)の感想内臓が破裂するほど大量の硬貨を体内に詰め込まれた死体が相次いで発見される。比奈子達が被害者の身元を確認しようと捜査する中並行して鑑識の三木は大量の硬貨1枚1枚を調べる作業に追われていた。被害者達は何故下半身を埋め込まれ身動きを封じられていたのかそれに大量の硬貨を飲み込まされていたのか。理不尽な死を遂げた者の無念を晴らさなければならない罪を犯した報いは受けるべきだと思うがその方法は個人による復讐であってはならない身近な人間が事件に関わることは比奈子にとって辛く哀しい経験比奈子の成長と中島との交友を見守りたい
読了日:05月18日 著者:内藤 了
OUT(アウト)の感想衝動的に夫を殺してしまった女、助けを求められ何故か協力してしまう女、巻き込まれていく女達。それぞれが心の中に深い闇を抱えている。偶然と必然に彩られた物語は破滅へと向かって進んでいく。終盤で雅子に襲い掛かる異変が薄気味悪い怖さに溢れていてたまらなかった。佐竹は雅子に何を求めていたのか?雅子の想いも理解出来なかった。ほんの一瞬きっかけさえあれば人は毀れてしまう。怖く重苦しい物語だった。
読了日:05月19日 著者:桐野 夏生
後悔と真実の色 (幻冬舎文庫)の感想若い女性を殺し人差し指を切って持って帰る指蒐集家による連続殺人事件。捜査一課の西條は第一発見者の交番警官と共に捜査にあたるがなかなか真相が掴めなず続出する被害者。そして西條自身にも不幸が…。西條は刑事としての能力は凄いが反感も買いと警察を追われてしまう。だが離れたこそ見えてきたものにより犯人に辿り着くが到達した真実は正に後悔と真実の色。自分の甘さ自分が不幸にしてしまった人を想うとやりきれないだろう。
読了日:05月20日 著者:貫井 徳郎
本陣殺人事件 (角川文庫)の感想婚礼の数日前に突然現れた不気味な三本指の男。そして婚礼直前に賢蔵に渡された不審な手紙、事件の予兆がじわりと迫ってくる。雪に閉ざされた離れに響き渡る荒々しい琴の音。格子戸や雨戸は内側から閉められ庭には足跡ひとつない。ただひとつ雪に隠れた地面に突き刺さった日本刀以外には。殺された新婦克子の叔父の銀造は知り合いの金田一耕助に電報を打つ。異様な犯行動機とあいまって日本家屋という密室になりにくい状況を見事に完璧な密室に仕立てている。犯行のトリックも独創的で面白い。
読了日:05月21日 著者:横溝 正史
宿命と真実の炎の感想警察官連続殺人事件を巡る刑事と復讐犯の人生が描かれていて警察における正義とは?ということをより一層考えさせられた。巧みに組み込まれた真実に全てをひっくり返される結末、読んでいて思いつきもしなかったのであぁそうか、そういうことだったのかと呆然としてしまった。登場人物の経緯を知っていたので細かい事実により一層の重みが増した。そして過去を知っていたとしてもこの結末には驚いた。
読了日:05月23日 著者:貫井 徳郎
失われた地図の感想日本各地の旧軍都に発生する裂け目からグンカと呼ばれる記憶が化身として現れる者と戦う一族の遼平と鮎観そして遼平の甥の浩平。裂け目から出て来た災厄を撒き散らすグンカ達を押しとどめその裂け目を察知し修復する。地獄の蝶を使いグンカを押しとどめる鮎観、三脚の仕込み銃でグンカを狙い打つ浩平、髪に差した簪で裂け目を縫い付ける遼平。誰にも知られずに都市を守ってきたが遼平と鮎観の息子の俊平に変化が現れ…。はっきりとした全容は語られずにまだ続きはあるのか?
読了日:05月24日 著者:恩田 陸
ポケットに物語を入れて (小学館文庫)の感想今まで書かれた文庫本などの解説や書評が詰まったブックガイド。言葉の端々から本が大好きでたまらないという想いが溢れていて分かる分かるよと共感の嵐だった。そして紹介されている本の数々が素晴らしい。角田さんというフィルターを通して知る本、読んだことのない本が多く読みたい本が増えた。本を通して開かれる扉は数多くあるが角田さんも失うこと生きること信じられるものなど様々なことに向き合ってきたのが感じられた。角田さんの感性って素晴らしいと思った。
読了日:05月25日 著者:角田 光代
新装版 蚤と爆弾 (文春文庫)の感想細菌兵器開発や人体実験を行なったとされる関東軍防疫給水本部(731部隊)この部隊の中心人物であった陸軍軍医曾根に焦点を当て曾根が関わった兵器開発や作戦、太平洋戦争の推移を淡々と綴り終戦間際のソ連侵攻により日本に戻って昭和34年に亡くなるまでを描かれている。曾根は軍人・医学者としての野心を原動力に明晰な頭脳と独創的な発想力を使って細菌兵器を開発し医学の進歩の為と称して人体実験も行う。その到達点がペスト菌に汚染させた蚤を特殊な容器に詰めた爆弾。⬇︎
読了日:05月26日 著者:吉村 昭
血の感想女子高生の沙耶の親族が次々と亡くなっていくというか殺していく物語。どうしようもない両親、愛情を感じた事のない祖父母、ホラ吹きの叔父とレイプ魔の従兄弟、娘を犯す叔父、人を攻撃して自分の優位性を出す叔母、自分と同じ匂いのする従姉妹。親族一同が呪われているよう血を血縁を清算していかなければならないという宿命を感じた沙耶。この血をこの血縁を途絶えさせる。あまりにも狂っているこんな親族に沙耶が可哀想だと思うが女子高生にしてこれだけの人を平然と殺していくのには凄かった。
読了日:05月27日 著者:新堂 冬樹
ケーキ王子の名推理2 (新潮文庫nex)の感想ケーキに纏わるライトミステリー第2弾。颯人の師匠である青山さんが過去に経験した切ない恋愛がメインの話。未羽のケーキが大好きなことが相変わらずで読んでいて気持ち良い。新たな友達も出来て良かった。そして俺様だけど努力家でときに優しくなる颯人に萌えました。ステファニーの父のした事を青山さんが受け入れていたら未来は変わっていたかも。青山さんも辛いが姉を亡くしたうえに好きな人を取られたカロリーヌも辛かったろう。颯人がヴィジュネル暗号を知っているという事に驚き、東京予選一位になったことでおめでとう。早く続きが読みたい
読了日:05月27日 著者:七月 隆文
人面屋敷の惨劇 (講談社ノベルス)の感想惨劇という言葉も現実に起こっている目の前の事件ではなく警察さえも突き止めることが出来ずに隠されてしまった過去の事件のことなのだろう。クローズドサークルで起きる事件を解明していく過程は面白い。犯人の候補はたったの6人しかもそれぞれ2名ずつペアでアリバイは証明されている。異常な心理状態の中で疑心暗鬼に陥っていく人、その重圧に耐えられずに自滅していく人、冷静に事態を分析し真相へと近づいていく人。限られた時間の中で犯人が選んだ殺害方法には疑問も感じるが読みやすく面白かった。
読了日:05月28日 著者:石持 浅海
素敵な日本人 東野圭吾短編集の感想9話の短編集。「正月の決意」初詣に向かったら神社に奇妙な格好で倒れている町長がいた。何故こんな場所でこんな格好で、これは殺人未遂なのか?不思議な状況を鮮やかに解いているミステリーあまり意外性はないが読後感が良い。「水晶の数珠」名家の長男である主人公は家を飛び出し役者の夢を追う為にアメリカにいた。ある日親子の縁を切っていた父が癌により老い先短いことを知る。自身の夢に反対し勘当までしてきた父、彼に会うことに迷いつつも帰国する。しかし帰国した直後その父から電話がかかってきて。人情味溢れるスッキリとした良い話⬇︎
読了日:05月30日 著者:東野 圭吾
ZERO 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子 (角川ホラー文庫)の感想これまでのパターンとは違い事件を引き寄せる何かが比奈子にあるのだろうか。休日を取って里帰りしている比奈子。実家で過ごす比奈子からは事件と向き合っている時の緊張感は感じられないが父親がつふやく、お前は刑事になったんだなという言葉は重い。内容的にはかなり刺激が強く読んでいるだけで気分が悪くなりそうだった。次巻のONEを前後編のような構成、比奈子が危機に陥ったところで終わっているので続きが気になってしかたない。
読了日:05月31日 著者:内藤 了