僕が殺した人と僕を殺した人の感想1984年の夏台湾で13歳の3人の少年、兄を亡くしたばかりのユン、牛肉麺屋のアガン、喧嘩っ早いジェイは派手な喧嘩をしながらも友情で結ばれていた。彼らはそれぞれ家庭に問題を抱えているが、ある計画を実行することに。冒頭2015年アメリカでサックマンと呼ばれていた少年達を狙った連続殺人犯の逮捕が描かれその後も1984年の台湾でのアガンの弟・ダーダーを加えた4人の少年達の物語が語られる中に逮捕されたサックマンに関わる弁護士の視点の話が。本書は1984年の台湾を舞台に少年達の青春物語が主だが⬇︎
読了日:08月16日 著者:東山 彰良
ネメシスの使者の感想68歳の女性が殺害される。現場にはネメシスという血文字が残され捜査にあたった渡瀬はその言葉の意味を考える。ネメシスというのは復讐の女神と誤解されることが多く義憤の女神が正しい。被害者は凶悪犯の母親であることが分かる。2人の罪もない少女を無差別に殺害したにも関わらず死刑にならずに懲役刑となった犯人。被害者の遺族達のアリバイも証明され捜査は行き詰まっていたが第2の事件が発生する。この被害者も懲役囚の父親で現場にネメシスという血文字が残されていた。今作は検事・岬恭平が捜査に協力することに。⬇︎
読了日:08月18日 著者:中山 七里
世にも奇妙な人体実験の歴史の感想人体実験とは自説、発明と探究心の為に研究者自らがその実験の被験者になること。第二次世界大戦以前の頃だから心臓のカテーテルや初めての注射や輸血、伝染病治療や寄生虫の体内生態、レントゲンなど現在の医療の基礎となったものが多く含まれている。1920年代ベルリンのヴェルナー・フォルスマンは自分の腕の血管から65センチカテーテルを心臓まで通すことに成功。後に太ももの動脈から腹部大動脈を経由して心臓に造影剤を注入することにも成功。何を造影剤に使ったらいいのか分からないうえにその容量も分からない。⬇︎
読了日:08月19日 著者:トレヴァー・ノートン
誘拐捜査の感想八王子で小学生の女の子の誘拐事件が、その後犯人から女の子の携帯を使ってメールが届きその中で14年前に栃木県で起きた小学生姉妹の誘拐・殺害事件に関するものが。メールで犯人は唯一発見されていなかった妹の頭部を在りかを記していた。その現場でホルマリン漬けになった女の子の頭部が発見DNA鑑定の結果14年前に殺害された妹のものだということが判明する。14年前の事件で矢部という男が犯人として逮捕され既に死刑が確定していた。矢部は冤罪、真犯人はこの誘拐事件の犯人なのか?ところがその直後矢部の死刑が執行されてしまった⬇︎
読了日:08月20日 著者:緒川 怜
奈落の偶像 警視庁捜査一課十一係 (講談社ノベルス)の感想シリーズ第9弾!銀座のブティックのショーウィンドウに吊るされた男性の遺体。現場には黒いアルミホイルと蓄光テープそしてその男性が飲み込んだイヤホンと盗まれたマネキンという不可解な状況。臨場した塔子と十一係は捜査を開始するが世間に見せつけるような残酷な犯行は続く。そして第二・第三と被害者が拉致されてしまう。復讐の為に銀座を舞台に繰り広げられる。塔子と鷹野そして十一係の頼もしい仲間がこの事件の真相を明らかにしていく。銀座が舞台だったので頼もしく読めた。
読了日:08月22日 著者:麻見 和史
ギブ・ミー・ア・チャンスの感想元相撲取り探偵、相方に逃げられた芸人など人生の再起や夢を追う人達の短編集。様々な職業に就いた人達、どの人も夢や目標とする職業があり現実はその夢に遠く、あるいは近いようだが遠かったりと沈み込んでしまいそうだがそれをコミカルで前向きな印象に描かれてかのがすごい。ユーモラスで元気になれるような短編集だった。
読了日:08月22日 著者:荻原 浩
宮辻薬東宮の感想宮部みゆき、辻村深月、薬丸岳、東山彰良、宮内悠介の5人によるホラー系リレーアンソロジー。宮部さんのは、購入したばかりの一戸建てで起きた怪現象を描く「人・で・なし」家に起きた怪現象の話だと思っていたが意外なラスト。辻村さんの「ママ・はは」この2編の繋がりは写真だと思われる。薬丸さんの「わたし・わたし」指輪がきっかけで過去の殺人死体遺棄事件が発覚、夏目刑事も登場と嬉しい。どの話もホラーというか理不尽というか少しずつ違う5つのゾッとする結末が楽しめる。
読了日:08月23日 著者:宮部 みゆき,辻村 深月,薬丸 岳,東山 彰良,宮内 悠介
呪われた村 (ハヤカワ文庫 SF 286)の感想イギリスの田舎ミドウィッチ村で起きた怪事件を描く異色侵略SF。9月26日22時17分ミドウィッチにいた者全員が何の前触れもなく突如意識を失う。その異常事態は人だけに留まらず家畜や野生動物、昆虫にまで及ぶ。ミドウィッチの中心から直径3.2kmの範囲にその謎のエリアは円形に広がっていた。そして白い楕円形の何かが確認される。何が起きているのかも分からず対処の方法も不明だったが28日の朝ミドウィッチの人達は目を覚ましいつの間にか楕円形の物体も消滅していた。⬇︎
読了日:08月24日 著者:ジョン・ウィンダム
あなたは、誰かの大切な人 (講談社文庫)の感想6編の短編で全てが家族、恋人、友人、大切な人との小さな幸せが描かれている。「最後の伝言」栄美の父親は俳優にも負けないほどの超イケメン。だが典型的な髪結いの亭主なのである。放浪癖のある父は母が入院しても見舞いにも来ない。母の葬儀にも参列しないのかと思ったら出棺間際に飛び込んで来た。そんな父に母はある伝言を残していた…。ラストうるっとくる。どの短編も人と人との繋がりが本当に素敵な話ばかり。アートと旅情にも溢れた作品で心温まる素晴らしい読後感だった。
読了日:08月25日 著者:原田 マハ
夜見師2 (角川ホラー文庫)の感想夜見師の多々良の助手として怨霊を封じた箱を一緒に始末する手伝いをすることになった輝。だが怨霊達に肩入れするせいで危険な目に遭っては多々良に叱られてばかりを繰り返していた。そして多々良の友人の雪乃の紹介で彼女の甥の京也が頻繁にやって来るように。民俗学や祟り、呪いといった方面に興味を持つ京也は多々良と親しくなり夜見師について探ろうとしていた。京也の振る舞いに苛立ちを覚えるが多々良を怒らせてばかりの輝は彼に居場所を奪われそうな気さえし始めていた。今作も彼らが開ける箱は悲しい物語を秘めたものばかり。⬇︎
読了日:08月26日 著者:中村 ふみ
愚者のエンドロール (角川文庫)の感想【カドフェス2017】古典部シリーズ第2弾!学園祭で2年のクラスが上映予定のミステリーをテーマにした自主製作映画のシナリオを担当する女性の急病により中断を余儀なくされる。映画の撮影は高校生グループが廃村の取材で訪れた古い劇場での鍵のかかった一室で1人の高校生が腕を切り落とされて殺害されていた場面で終わっていた。そのクラスの女帝と呼ばれる女子生徒から依頼を受けた古典部の面々は映画製作に関わった上級生から話を聞きこの後の解決編の推理を進めていく。⬇︎
読了日:08月27日 著者:米澤 穂信
チャップリン暗殺指令の感想昭和7年青年将校達はクーデターを計画していた。首相官邸において来日するチャップリンの歓迎会を狙う。支配階級の者達も多く集まると思われ退廃した米国文化チャップリンも暗殺しようとする。その役目を命じられたのが津島新吉。士官学校の中で射撃の腕がよく見込まれた。新吉はチャップリンの事を知るため映画を観る、そこで無名の役者の柳浩介と出会い生まれて初めてカフェーという場に連れて行かれ里子という女性と出逢う。一方チャップリンの秘書である高野は日本での不穏な雲行きを感じる。⬇︎
読了日:08月29日 著者:土橋 章宏
濱地健三郎の霊なる事件簿 (幽BOOKS)の感想幽霊事件に謎解きを加えた趣向で本格ミステリ的な怪談へと仕上げた一冊。それと同時に濱地の助手ユリエの成長譚でもある。どの霊も理不尽な思いを抱えてこの世から離れてしまった生命。その無念や望み執念を読み取り生者の世界の秩序を回復させる心霊探偵・濱地健三郎、助手の志摩ユリエ。彼女の視点で読むことで濱地という存在が一段とミステリアス、年齢不詳、ダンディで振る舞いも紳士そして幽霊も視え声も聴く。一編一編の事件簿を読んで読者である私もユリエと同じように濱地という存在についていろんな想像を掻き立てられ惹きつけられていく。
読了日:08月29日 著者:有栖川 有栖
どこの家にも怖いものはいるの感想三津田信三が自身のファンだという編集者に出会い彼から受け取った2つの怪談に奇妙な共通点を感じる三津田、そこから彼の元にそれらと関連する怪談が集まってくる。ここに集まった5作の怪談が全て怖い。特に怖いのは「異次元屋敷 少年の語り」割れ女という怪異に遭遇した少年がそれから逃れるために晨鷄屋敷へと逃れる、そしてこの割れ女がとにかく怖い。少年を執念的に追い詰める狂気的な怪異を三津田の鬼気迫る文章が克明に描写している。5つの話は何かのキーワードで繋がっていてそしてその土地と家に因縁があり怪異現象が起こっているのでは
読了日:08月30日 著者:三津田 信三
噂 (新潮文庫)の感想ある大手の化粧品会社が香水の新ブランドを売り出す為に渋谷でモニターの女子高生をスカウト。「レインマンが出没して女の子の足首を切っちゃうんだ。でもねミリエルをつけてると狙われないんだって。」女子高生の口コミを利用しこの噂を広めるのが狙いだった。販売戦略通り噂は都市伝説化し香水は大ヒットだが噂は現実となり足首のない少女の遺体が発見された。捜査を開始する警察、優秀なシングルマザーの女性刑事が事件の謎に迫っていく。悪意に満ちた人間達、若者特有の特に女の子達の残酷さが描かれ都市伝説見立て殺人事件よりも恐ろしい一面が
読了日:08月31日 著者:荻原 浩
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