7月のまとめ ② | アタローの読書

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7月の読書メーター


暗殺者、野風暗殺者、野風感想
1561年武田信玄と上杉謙信両雄が一触即発の状況となっていた頃、遥か昔より武士達の依頼で暗殺を行うのと引き換えに中立を守ってきた杖立ての森・隠り水の里に現れた武田の軍師・山本勘助。謙信暗殺を望む彼の依頼に応え里が送り出したのはまだ10代の美少女・野風。野風は目にも止まらぬ速度で長巻を振るう刺客だった。それに対するは要人警護専門の猛者達多聞衆。倒れゆく仲間、裏切り、戦場での別れ野風が謙信暗殺の為に川中島で繰り広げる死闘を通じ戦いの意味を問いかける。悲しみと無数の死が描かれ苦さ重さだけではなく爽やかな後味。
読了日:07月16日 著者:武内 涼
もし文豪たちが カップ焼きそばの作り方を書いたらもし文豪たちが カップ焼きそばの作り方を書いたら感想
多数の文豪がカップ焼きそばを作っている、これが本当に面白い!カップラーメンではなくカップ焼きそばがポイント。カップラーメンだとお湯を入れただけで出来てしまう、カップ焼きそばはソースを取り出してお湯を入れて湯切りするという工程があるだから面白い。そしてカップ焼きそばって焼きそばではないのだと思い知らされた。様々な文豪たちだけではなく週刊誌風や星野源、糸井重里、ヒカキン、吉田豪などこれが特徴をよく掴んでいて非常に面白かった。
読了日:07月17日 著者:神田 桂一,菊池 良
満月の泥枕満月の泥枕感想
娘を失った男、母に捨てられた少女、2人は碌でもない生活を送っていた。酔っ払った男がある日目撃する、公園に人が沈められたところを。沈められた男は誰なのか?泥酔していた彼には定かではない。ワケありなアパートの住人達のドタバタ群像劇。大切なものを失った後に人はどのように生きれば良いのか。主人公の二三男は決してかっこよくない。かっこよくはないがかっこいいんだ。笑って泣いてその狭間を生き来する。久々に道尾作品を堪能出来た。
読了日:07月19日 著者:道尾 秀介
長い廊下がある家長い廊下がある家感想
火村英夫&作家アリスシリーズ短編集。タイトルの「長い廊下がある家」は怪談の名所として有名な家で起こった奇妙な殺人事件。西の家と東の家を繋ぐ長い廊下の真ん中、閂がかかった扉の前で取材に訪れていたチームの1人が死んでいた。その他のメンバーは死者とは別の側の家に居たのでアリバイもある状況。犯人の目星がついているにもかかわらず、いかなるトリックが使われたのかが不明しかもトリックも密室トリックかアリバイトリックなのかが判明しないという興味深い謎の提示があるのが面白かった。
読了日:07月19日 著者:有栖川有栖
夏をなくした少年たち夏をなくした少年たち感想
新潟の田舎町に住む小学6年生の悪ガキ4人組。僕たちは小学校最後の夏の思い出を作ろうとしていた。花火大会の日、僕たちは取り返しのつかない事をしてしまった。あれから22年が経ち刑事になった拓海は変わり果てたあの時の友人と遭遇する。拓海は22年前に置いてきた過去と向き合い決着をつける為に故郷へ。誰が何をしたのかという結末は簡単に解ってしまったが別の意味で良い作品。少年時代のある一時の輝きとそれが消えてしまう悲しさ。子供時代の後悔で今も胸が痛むことだろう。
読了日:07月20日 著者:生馬 直樹
三つの悪夢と階段室の女王三つの悪夢と階段室の女王感想
4つの短編集。誘拐事件と犯人からの理不尽な要求に翻弄される男を描いた「マグノリア通り、曇り」通り魔に疑われた男が容疑を晴らす為の顛末を描く「夜にめざめて」家族と自身に降りかかる不審事件、彼の過去が招いた悲劇を描く「復讐の花は枯れない」マンションの踊り場で倒れていた、ソリの合わない隣人をたまたま見つけてしまった私の画策を描く「階段室の女王」どこにでも誰にでもある闇が描かれ絶望感しか味わえない。狂気というのは誰の心の底にも潜んでいる。
読了日:07月21日 著者:増田 忠則
スマホを落としただけなのに (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)スマホを落としただけなのに (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
麻美の彼氏・冨田がスマホを落としてしまいそのスマホを拾われたことから麻美と冨田はとんでもない事件に巻き込まれていく。拾い主は麻美が彼氏の電話に連絡したことで麻美に興味を持つ。スマホを返すと言いながらその前に冨田のデータを根こそぎハッキング。冨田のスマホのデータから麻美の情報を盗み出し人間関係を監視し始める。拾い主はハッカーよりも悪質なクラッカーだった。セキャリティを丸裸にされた冨田のスマホがSNSを介し麻美と冨田を陥れる凶器へと変わっていく。何も知らない2人は男の罠にどんどんはまってゆく。⬇︎
読了日:07月22日 著者:志駕 晃
暗黒グリム童話集暗黒グリム童話集感想
ダークなイラストで大人向けのグリム童話集オマージュ。赤ずきんやラプンツェルと知った物語から手なし娘や黄金の鳥などあまり馴染みのない物語まで。グリム童話が実は残酷だったということは知っていたがここまでブラックとは…。物語と絵がとても合っていて、酒井駒子さんの絵は美しく幻想的だった。
読了日:07月23日 著者:多和田 葉子,長野 まゆみ,穂村 弘,千早 茜,村田 喜代子,松浦 寿輝,酒井 駒子,宇野 亞喜良,及川 賢治(100%オレンジ),田中 健太郎,牧野 千穂,ささめや ゆき
あなたの恋人、強奪します。: 泥棒猫ヒナコの事件簿 〈新装版〉 (徳間文庫)あなたの恋人、強奪します。: 泥棒猫ヒナコの事件簿 〈新装版〉 (徳間文庫)感想
オフィスCATはスタッフ自身がターゲットの男に惚れられるように仕向け結果として別れさせるという別れさせ屋。女性からしか依頼は受けず依頼人の利益は守る。6編の短編集でヒナコが凄い。家出高校生からブランド服を身に纏った厚化粧の女、子連れの母親と鮮やかな変装術もさることながらターゲットに惚れさせるテクニックも持ち合わせている。大体が別れたい彼氏を別れさせてくれる話なので気分もスカッとしヒナコの仕事が的確で失敗がないので安心して読める。面白かった。
読了日:07月23日 著者:永嶋 恵美
つきまとわれて (中公文庫)つきまとわれて (中公文庫)感想
日常に転がっている謎と殺人事件が少し。恐ろしさと可笑しさと哀しさを兼ね備えた謎。短編集なのでさわりも触れないけれどきちんとオチはある。オチは時に恐ろしく時にほろ苦く、また哀しくそして時に温かい。連作短編ではないが各編ちょっとずつリンクしている。その並びにもちゃんと意味があり全体を通してひとつの長編小説のようにも感じる。
読了日:07月24日 著者:今邑 彩
夜の谷を行く夜の谷を行く感想
1971年〜72年に連合赤軍が起こした山岳ベース事件。総括と称するリンチで30名弱のメンバー中12名が殺害される。2011年2月連合赤軍の最高幹部だった永田洋子が亡くなった。山岳ベース事件から40年経ち元女性兵士だった西田啓子は自分の過去を周りに知られないようにひっそりと孤独な生活をしていた。重役候補だった父親は啓子の服役中に母親もその10年後に亡くなり妹は彼女の事件のせいで離婚を余儀なくされていた。5年間の服役を終えてから啓子は細々と塾をやっていたが5年前に辞め少しの貯蓄と年金で暮らしている。⬇︎
読了日:07月25日 著者:桐野 夏生
潔白潔白感想
30年前に小樽で発生した母娘惨殺事件に前代未聞の再審請求が起こされ札幌地裁に激震が走った。被告の死刑は既に執行済みでもし冤罪ならば国は無実の人間を殺した事になる。司法の威信を掛けた攻防が始まる。偽造、隠蔽、証拠の廃棄。検察側は再審を阻止すべきありとあらゆる手段を講じてきた。原告側は30年前に無実の罪で逮捕され再審請求中に突如死刑執行された兄の汚名を灌ぐ為妹は冤罪事件を扱う弁護士と共に新たな証拠集めに奔走する。真実を知っているのは当時幼かったこの妹。⬇︎
読了日:07月26日 著者:青木 俊
密やかな結晶 (講談社文庫)密やかな結晶 (講談社文庫)感想
何かが消滅していく島に住んでいる私。次は何がいつ消滅するのか分からない。消滅することになった物は捨てなくてはならない。彫刻家だった母は記憶が消滅しない人だった為秘密警察の記憶狩りにあい何処かに連れ去られ死体になって戻ってきた。彼女は消滅した物を彫刻の中に隠していた。小説を書いている私はフェリーに住むおじさんと話すことを楽しみに暮らしている。ある日出版社の編集者R氏が記憶を失くさない人であることを知り、おじさんの助けを借り彼を自宅に匿う事にする。その間にも消滅は進みやがて身体にまで及んでくる。⬇︎
読了日:07月27日 著者:小川 洋子
ししりばの家ししりばの家感想
小学3年生の哲也はおばけ屋敷として噂のある夜逃げして誰も住んでいない元級友の家へ友達2人そして先生から一緒に遊ぶように頼まれた比嘉の4人で入り込むがそこで恐ろしい体験をして以来まともな社会生活を送ることが出来なくなる。一方夫の転勤先の東京で幼馴染の平岩と再会した果歩は彼に招かれ自宅を訪れるが家の中は砂が床に積もっているにも関わらず平岩はそれをおかしいと思っていないみたいで果歩は怖ろしさを感じる。しかし平岩の妻から助けを求められ果歩は再度平岩家を訪れるが…。果歩の視点と哲也の視点で物語は語られていくが⬇︎
読了日:07月28日 著者:澤村伊智
幽談 (幽BOOKS)幽談 (幽BOOKS)感想
短編8作から構成されていて読んでいくうちに自分のいる世界、自分自身が不安定な状態にあるような錯覚に陥る。「逃げよう」は、小学生時代どぶから這い出てきたあるモノから逃げる主人公。ついて来ているのは分かるのだが怖くて直視出来ない。一瞬に下校している同級生の内一人は気付いているようだがもう一人は全く気にしていないよう。一人又一人と別れ最終的に自分だけになる主人公。あるモノはまだついて来ている。途中帰り道を間違えてしまうが引き返すことは出来ない。そこにはソレがいるから。⬇︎
読了日:07月29日 著者:京極 夏彦
QJKJQQJKJQ感想
猟奇殺人鬼の一家に生まれた少女は、その事実を隠し父と母と兄と4人でひっそりめだたないように暮らしていた。しかし兄が惨殺され母が行方不明になる。だが殺人や失踪の痕跡すらない。誰が兄を殺し何故母が行方不明になったのか?自分がやっていないなら父親がやったのだ。父を疑いながらそれでも真実を知りたいと思った少女は自ら家を出て調査することに。だがある女性と出会い自分なりに調べていくうちに奇妙な違和感を感じ始める。人は何故人を殺すのか?殺人という禁忌な世界観読むのがやっとだった。
読了日:07月30日 著者:佐藤 究