読んだ本の数:39冊
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ゼロの迎撃 (「このミス」大賞シリーズ)の感想正体不明の武装集団が東京を襲撃、錦糸町のマンションを占拠し警官隊と銃撃戦となる。武装した戦闘集団に対し軽装の警官隊は殲滅され、武装集団から明日までに東京を壊滅させるというメッセージが政府に伝えられる。防衛省情報部の真下陸佐が彼らに対抗、真下は彼らの驚くべき東京壊滅計画を見出す。外からの攻撃には強い自衛隊でも内部から崩された場合ここまで無力となってしまうのかと愕然とした。平和国家日本の弱点を突いた問題作。
読了日:8月2日 著者:安生正
小説 君の名は。 (角川文庫)の感想田舎に住んでいる女子高生の三葉、東京で暮らす男子校正の瀧。突然夢の中で入れ替わり徐々に夢の中で入れ替わっていることに気付いていく。全く出逢ったことのない2人。瀧の行動で三葉の未来も変わり、三葉の行動は瀧に多大な影響を与えていく。代々受け継がれた巫女であることの入れ替わり時空を超えて彗星が知らせる。2人が逢えるために三葉と瀧は苦戦し3年という月日が掛かり最後ようやく逢えた2人の言葉「君の、名は」ジーンときた。
読了日:8月2日 著者:新海誠
白銀の逃亡者 (幻冬舎文庫)の感想生還すると異常な力を発揮するが致死率が高い病気が発生した世界で患者はヴァリアントと呼ばれ隔離されている。ヴァリアントであることを隠し医者をしている純也の元に隔離施設から逃げ出して来た美少女・悠。ヴァリアントという架空の感染症の症状と後遺症から発生する社会問題、刑事、感染者、テロの首謀者そして内閣総理大臣と登場人物らの内面がリアルに描かれている。
読了日:8月3日 著者:知念実希人
深く深く、砂に埋めて (講談社文庫)の感想18年前13歳の時に出演したCMで有名になった女優の有利子。有利子の恋人の斎藤が殺人と詐欺の容疑で逮捕され有利子も同じ容疑で警察に拘留される。警察は斎藤の犯行に有利子が加担してると踏んでいた。有利子の母から依頼を請けた弁護士・篠原は調査をして有利子に話を聞くも有益な情報を得られず捕まった斎藤から有利子の無罪を望み、有利子の情報を提供する。斎藤によって語られる有利子との出会い人生の転落犯罪行為の真相。そして篠原は有利子に惚れ裁判を目前に有利子と海外へ逃亡する。有利子は悪女なのか?有利子の美貌に落ちていく。
読了日:8月3日 著者:真梨幸子
冷たい手の感想20年前に監禁事件の被害者だった朱里そして同じ事件の被害者だった典子。典子から結婚の報せを聞くがすぐに破談し彼女は死体となって発見される。典子は朱里に「あのことをばらすと、探偵に強請られている」と、それは2人が抱える秘密だった。謎が明かされていく過程が巧みで事件の真相には驚かされた。彼女たの人生が辛すぎる。
読了日:8月4日 著者:水生大海
怒り(上) (中公文庫)の感想一年前に発生した殺人事件それは八王子に住む夫婦が山神一也という男に殺害されたが犯人はエアコンも付けず40度近くもある部屋で6時間以上も全裸でいて怒という文字が被害者の血を使い書かれていた。警察の捜査状況と並行し3組の人物について語られていく。漁港で暮らす洋平と愛子親子の前に現れた田代、大手企業に勤める優馬と直人の出会い、沖縄に夜逃げした真由と泉親子、泉は田中という男と出会う。警察の捜査で山神は整形しているという事実が明らかになり田代、直人、田中の3人はそれぞれか怪しいのだがこの中の誰が犯人なのか?
読了日:8月5日 著者:吉田修一
怒り(下) (中公文庫)の感想公開捜査の情報をもとに犯人の足取りを探る。警察は山神が働いていた埼玉県の会社を突き止め更に福岡でも働いていたという情報もあり…。そして3組の田代、直人、田中それぞれに対し疑惑を持ち始める。犯人は明らかになるが人を信じることの難しさ、愛する人を信じられるかという思いにもがく姿が心に迫るものがあり印象的だった。沖縄問題、同性愛者が抱える問題なども取り入れ見事に描かれている。
読了日:8月5日 著者:吉田修一
贋作『坊っちゃん』殺人事件 (角川文庫)の感想坊ちゃんが東京に帰って3年後から始まる後日談が描かれている。偶然山嵐と会った坊ちゃんは赤シャツが自殺したと聞き2人でその真相を探りに四国に戻る。本書の坊ちゃんでは、その時代を反映するような出来事があったというのには驚いた。赤シャツ殺害の犯人はだいたいが解るがその動機にはうなってしまう。坊ちゃんそのものでミステリーが絡んだ内容は面白かった。
読了日:8月6日 著者:柳広司
コンビニ人間の感想18歳からコンビニバイトで生活している36歳独身の女性・古倉。死んだスズメを悲しむ気持ちが理解出来ない幼少期の体験などで自分が世間とズレているという気持ちを抱いている。家族に迷惑をかけずに周りとも距離を置いて18歳まで生きてきた。誰もが使うコンビニ日常生活になっている所を舞台に古倉は何処か欠けている人間で普通ではないと思いそれをコンビニの例えとして表現されている。何が人として普通で誰かが決めるものではなく何が本当に正しいのかもなく各々に合ったものであればそれが一番生き生きとしている生き方ではないのか。
読了日:8月6日 著者:村田沙耶香
海の見える理髪店の感想店主の腕に惚れた大物俳優や財政界の名士が通いつめた床屋。ある事情からその店に最初で最後の予約を入れた僕と店主との特別な時間が始まる「海の見える理髪店」意志を押し付ける画家の母から必死に逃れて16年、理由あって懐かしい町に帰って母との思いも寄らない再会を描く「いつか来た道」など家族をテーマに描かれた短編集。一番身近であり何もかも理解出来ているとは限らない。家族がテーマになっていて人生の切なさが沁みる短編集。
読了日:8月7日 著者:荻原浩
よだかの片想い (集英社文庫)の感想アザがあり自身の本質を見て欲しいと願い真摯に生きてきたアイコ。そんなアイコに救われた人や救われる人、そして好きな人に出逢い同じ時を過ごして最後にすれ違っても決して無駄ではない片想いというものを久々に感じました。
読了日:8月8日 著者:島本理生
深泥丘奇談・続々 (幽BOOKS)の感想シリーズ完結編となる本書。装丁が素晴らしい。京都の深泥丘界隈に住む作家の私。一層曖昧や混沌とした不気味な怪奇。人間の精神的危ういところが描かれだんだんと歪んだ世界に引きずり込まれていく。作家の私と妻そして通院している深泥丘病院の医師と看護師しか登場しない。私の頭の中、夢の世界が綴られラスト巨大な猫柱が崩壊するところで終わるが私の精神が崩壊してしまったのではないかと気がかり。不思議な読後感だった。
読了日:8月9日 著者:綾辻行人
私が失敗した理由はの感想いろいろな人の失敗談を聞きそこから成功へたどり着くためのルールを見つけようとする主人公達。だが実際は人の不幸は蜜の味というひと言ではないかと思う。失敗とか成功とか他人が判断できることではなく…。本作にはいろんな人の失敗談が出てきてジェットコースターのような人生ばかりが目まぐるしく展開する。そして孤虫症が人と人を結ぶ糸として登場し、なかなか趣向を凝らした作品だった。
読了日:8月10日 著者:真梨幸子
海賊とよばれた男(上) (講談社文庫)の感想終戦後の国岡商店の復活の兆し。鐡造がいち早く石油に目をつけ石油事業を自分の一生の仕事にするべく世話になった会社を辞め新たに会社を立ち上げる。その時無償で鐡造に資金を提供してくれた日田重太郎はその後の鐡造の人生の師ともなる。鐡造が社員を家族同様に大切にし社員を馘首しない。鐡造と国岡商店の社員との信頼関係がどれほど熱いかが伝わってくる。厳しい困難な状況にどうやって乗り越えていくのか下巻が気になる。
読了日:8月11日 著者:百田尚樹
海賊とよばれた男(下) (講談社文庫)の感想国岡商店は社員の猛奮闘により危機を乗り越え業界でも1位2位を争う石油会社になる。だが日本の石油業界は外国資本の石油会社に蹂躙され民族資本で頑張っているのは国岡商店だけ。次々に難問を繰り出す外国資本に対し鐡造は日本の石油業界の為に信念を曲げず1人立ち向かっていく。日本の未来の為、日本の石油業界の為アメリカ・イギリスと日本の発展を阻む者達に立ち向かっていく。鐡造は当時の世界の石油業界を牛耳っていたセブンシスターズをも味方につけてしまう。これほど素晴らしい日本人がいたことに誇りを持ち感動しました。
読了日:8月12日 著者:百田尚樹
決戦!関ヶ原の感想著名な作家陣の短編小説。関ヶ原の合戦に参加した7人の武将をそれぞれの視点から7人の作家が短編小説を描いている。徳川家康や石田三成と有名な武将もいるが福島正則の家臣の可児才蔵や関ヶ原に参加していたのかと思った織田信長の弟の有楽斎など知らない人物が挙げられているのが興味深い。小早川秀秋を描いた「真紅の米」という話が良かった。関ヶ原で勝敗を決定付けた寝返りで有名な武将だが本作では裏切りに至るまでの秀秋の心理が描かれ印象が随分変わった。
読了日:8月13日 著者:葉室麟,冲方丁,伊東潤,上田秀人,天野純希,矢野隆,吉川永青
鬼談百景 (角川文庫)の感想小野不由美さんの元へ送られてきた読者からの怪異を基に小野不由美さんが執筆している。鬼談百景には怖いものもあれば不気味な話もあり切ない話もある。淡々と話は描かれていてホラーのような怖くなる感じがどうなるのかと読み進めていたが段々と怖さを増していき読み終えるまで怖かった。学校の怪談や家の中の話、隙間や鏡も怖く精神的に入り込むよう話など満足の出来る1冊でした。
読了日:8月13日 著者:小野不由美
私は存在が空気の感想6編からなる短編集。超能力を持った少年少女たちの淡い恋がテーマ。瞬間移動するジャンプ能力を持った者、自分の存在を消すことが出来る者、熱を思い通りの場所に発生させることが出来る者など。短編の中で良かったのが少年ジャンパー。ふんわりとした優しいほのかな恋愛模様。超能力にひねりを効かせて物語に生かし意外性のある物語が展開していく。青春のほろ苦さと青くささで心が満たされる素敵な物語。
読了日:8月14日 著者:中田永一
許されようとは思いませんの感想余命わずかな曾祖父を何故祖母は殺めたかを描いた表題作から自分の失敗を取り戻すために工作した男が事故を目撃してしまったことから窮地に陥る「目撃者はいなかった」。姉が事件を起こしてから人との関係が崩れていく「姉のように」など。人間の心情や意外な真相をあぶり出していく短編集。どの短編も意外性だけではなく中身がキュッと詰まっていて短編ミステリーの醍醐味を味わえた。
読了日:8月16日 著者:芦沢央
最後の記憶の感想森吾の母が急速に呆けていく。発症前に一時的に驚異的な記憶力を示すがその後白髪が増えるのに伴い1〜2年程度で記憶と感情を失い絶命するレマート症候群。森吾の身辺で発生する不穏な出来事の数々。我が身にもいつか降りかかる家族性の病の怯え、痴呆への恐怖をじわじわと描かれていく。色彩をふんだんに盛り込んだ描写が幻想的でホラーみたい。人間の恐怖感に訴えるような内容怖かった。
読了日:8月17日 著者:綾辻行人