6月のまとめ ② | アタローの読書

アタローの読書

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盲目的な恋と友情盲目的な恋と友情感想
元宝ジェンヌの母親を持つ蘭花は大学に入学オーケストラ部に入部する。オケ部の指揮者の茂実とつき合うようになり恋に未熟な蘭花は盲目的な恋をしていく。だが茂実には隠された秘密があり恋の行方はどうなっていくのか。蘭花と同じオケ部で幼い頃から容姿にコンプレックスがある留利絵は蘭花の親友となることによって自分の存在価値を確保しようとするのだが。狂おしい欲情に翻弄された悲劇、友情に潜められた復讐劇。盲目的な感情に絡め取られた時、人はどんな落とし穴が待ち受けているのか迫真的な恐ろしさを感じた。
読了日:6月16日 著者:辻村深月
バビロンの秘文字I - 胎動篇バビロンの秘文字I - 胎動篇感想
スウェーデンにある国際言語研究所(ILL)で起きた爆発事件。鷹見の恋人里香の勤務するILLが爆破された。しかし里香がその現場から逃走し彼女の持ち去った石板バビロン文書の存在とそれを追う謎の組織ラガーンが動き始める。古代と現代を繋ぐミステリー、4500年経って現代に古代の国を再興しようとするのか?次作の追跡編が楽しみ。
読了日:6月16日 著者:堂場瞬一
スナーク狩り (光文社文庫プレミアム)スナーク狩り (光文社文庫プレミアム)感想
決意を胸に国分の結婚式披露宴会場に向かう慶子そして願望と不安を胸に披露宴会場で佇む国分の妹範子。ある公判を前に仕事仲間ふたりの縁結びを買って出た織口。織口に促されて仕事仲間の裕美と呑みに行くことにしたが織口の言動に違和感を覚える佐倉。彼らの運命が複雑に絡み合いそれぞれの罪と罰が交差し信念に従って行動する。スピード感溢れる展開やりきれない気持ちが残った。
読了日:6月17日 著者:宮部みゆき
バビロンの秘文字II - 追跡篇バビロンの秘文字II - 追跡篇感想
里香はヘリからの銃撃で川に飛ばされ持っていた粘土板バビロン文書と共に行方不明。鷹見はCIAに接触しラガーン建国に絡んで関係者から衝撃を受ける。舞台はスウェーデン、デンマーク、東京へとロシア、アメリカも絡みどう物語は展開していくのか激突編を読みます。
読了日:6月17日 著者:堂場瞬一
市立ノアの方舟市立ノアの方舟感想
廃園間近と噂される野亜市立動物園。新しく着任した園長は畑違いの場で挫けそうになっていたが5歳の娘の遠足の絵に描かれていた耳の切れたゾウを見て考えを改め動物園の再生に取り組んでいく。動物たちの飼育環境の悪さや職員たちのマンネリな仕事、飼育員や職員たちの動物に対する愛情なにをしても無駄という諦めが少しずつ前向きに変化していく様子に読んでいて応援したくなる。わずかでも前に進み続けていくことで変わっていく動物園の再生是非頑張り続けてほしい。
読了日:6月18日 著者:佐藤青南
バビロンの秘文字III - 激突篇バビロンの秘文字III - 激突篇感想
建国を夢見るラガーン人に巻き込まれる鷹見。古代の故郷を描いた粘土板バビロン文書の謎を明かすため北欧、中東、東京と舞台を転々に数学者を頼り暗号を解読したり争いを回避するためにラガーン人、CIAなどと交渉目まぐるしく展開する。だが里香が姿を消してからどうしていたのか、どんな役割を担っていたのかが語られずバビロンの文書も少しは明らかになるが謎が深まるばかり。
読了日:6月18日 著者:堂場瞬一
のぞきめ (角川ホラー文庫)のぞきめ (角川ホラー文庫)感想
第一部「覗き屋敷の怪」は作者の友人が学生時代に体験した貸別荘地で起こった怪異現象が描かれ、第二部「終い屋敷の凶」は作者に届いたある民族研究家の恐怖体験が綴られている。昭和の終わり頃と昭和の初め頃に同じ場所で起こった怪異現象。姿の見えない何かから常に覗かれている。ミステリー的な解決がされるのだが、それだけでは説明出来ない恐怖があった。
読了日:6月19日 著者:三津田信三
おやすみラフマニノフ (宝島社文庫)おやすみラフマニノフ (宝島社文庫)感想
晶は幸運にも学長が参加する演奏会のオーケストラでコンサートマスターの座を射止める。柘植学長は稀代のラフマニノフ弾きと呼ばれるピアニストで音楽界にその名を轟かせている。だが学長の孫の初音が使用するはずのストラディバリウスのチェロが完全密室状態にあった保管庫から姿を消してしまう。一切の謎が解けないままメンバーは疑心暗鬼になり更に不可解な事件が起こり始める。岬が指揮担当の教授に代わり指揮する事に。それぞれのメンバーの個性を生かしオケと調和させる。指揮者としての才能を発揮そして事件の真相までも解決頼もしかった。
読了日:6月19日 著者:中山七里
プリズン・トリック (講談社文庫)プリズン・トリック (講談社文庫)感想
交通刑務所の中で起きた密室事件。遺体は奇妙にも前へ倣えの姿勢をとっていたそして同刑務所内から受刑者宮崎が逃亡。完全な密室で起きた事件は犯人が宮崎で決定と思われたが事件は思わぬ展開へ。様々な立場の登場人物とそれぞれの視点の移り変わりが目まぐるしくて大変だった。交通刑務所内の描写は知らない所なので読んで良かった。加害者と被害者の関係にも深く追求し自分の子供が殺人を犯し加害者となった息子をいなかったことにして償う父親の姿は辛かった。事件の犯人やそれに至る背景や真実などページを捲る手が止まらなかった。
読了日:6月20日 著者:遠藤武文
妊娠カレンダー (文春文庫)妊娠カレンダー (文春文庫)感想
姉の妊娠という喜ばしい出来事を客観的で意地悪い冷めた目で描写する妹。精神的に脆い姉、気弱い歯科技工士の義兄がどこか病的で不安になる。丁寧に独特の視点で男性には理解し難い女性の妊娠という現象をどう受け取っているのか。誰しもが持つ残酷さを美しい描写で表現されている。日々の中で誰しも壊したいと感じながら生きている。でも壊すことが出来ないからこそ主人公に共感し研ぎ澄まされた描写に感情を揺さぶられた。
読了日:6月21日 著者:小川洋子
暗幕のゲルニカ暗幕のゲルニカ感想
圧巻の国際謀略アートサスペンスと本の帯に書いてあるが名作ゲルニカを巡る20世紀と21世紀の2つの人間ドラマだった。ゲルニカは戦争への怒りを込めフランコ政権下でゲルニカの帰国を許さずピカソの思いやそれを支えだった人々、そしてテロに報復で対抗する悪循環をアートで打開しようとするMOMAのキュレーター瑤子らの心意気に胸が打たれた。ゲルニカという作品、ゲルニカの空爆、人類初の無差別空爆がピカソの心を突き動かし反戦を訴えかける強いメッセージが込められている。
読了日:6月21日 著者:原田マハ
校閲ガール ア・ラ・モード校閲ガール ア・ラ・モード感想
校閲ガールのスピンオフ今作は悦子の周りの人たちが主人公。入社して2年目苦手な文芸書の校閲原稿に向かう日々を送っている悦子明るく一直線な悦子の周りには個性豊かな仕事仲間も沢山。彼や彼女らも日々の仕事や日常や恋愛にそれぞれ悩みがあり過去に驚く事実があったりとそれぞれの人生で頑張っている姿は笑えたりジーンときたりした。仕事にがむしゃらに励む姿など元気をもらえた。明日も頑張ろうと思える内容に私までも元気をもらえた。
読了日:6月22日 著者:宮木あや子
クリーピー スクリーチ (光文社文庫)クリーピー スクリーチ (光文社文庫)感想
クリーピーで主人公だった高倉が日野にある琉北大学の教授として着任した。そして琉北大学で女子学生が学内のトイレで惨殺されるという連続殺人事件が起きる。事件現場で聞いた奇妙な金切声、犯人は誰なのか?本作では凄惨な事件を学部の職員の視点で追うミステリーで高倉の活躍があまりなかったのが残念だった。
読了日:6月22日 著者:前川裕
名探偵 木更津悠也 (光文社文庫)名探偵 木更津悠也 (光文社文庫)感想
資産家の戸梶が自宅で刺殺された。財産相続が絡んでいるものの遺族たちにはそれぞれ完璧なアリバイがあった。被害者の甥である彰敏が証言した幽霊の目撃談そこから名探偵木更津悠也が導き出した犯人とは?白い幽霊の出没に連動して起こる事件4編を木更津と助手役の香月実朝が名コンビぶりを発揮する。助手役の香月の方が事件の真相に先に気づきそれとなくヒントを出して木更津に解かせようとする。麻耶さんの作品は面白い設定ばかりで今作も良かった。
読了日:6月23日 著者:麻耶雄嵩
ビオレタ (一般書)ビオレタ (一般書)感想
婚約破棄された妙は不思議な雑貨屋を営む菫と出会いビオレタで働くことになる。ビオレタは棺桶を売る風変わりな店。何事にも自信を持てなかった妙がビオレタでの出会いを通して少しずつ周りの人のことを分かっていく。自分の気持ちを見つめ乗り越え、越えられないものは折り合いをつけていくことを前向きに学び少しずつ癒されていく。穏やかに過ぎてゆく時間が読んでいる私の心にも温かい気持ちにさせてくれた。
読了日:6月23日 著者:寺地はるな
超高速!参勤交代 老中の逆襲 (らくらく本)超高速!参勤交代 老中の逆襲 (らくらく本)感想
前作では湯長谷藩➡︎江戸を命ぜられていたが今作ではその直後の交代江戸➡︎湯長谷藩を知恵と工夫そして結束力で孤軍奮闘する。2日で磐城湯長谷藩へ帰省して交代を果たすこと、そして莫大な費用を要する江戸城修復を湯長谷に押し付けてきた。今度こそ内藤政醇に恥をかかせ領地を取り上げようとする老中松平信祝。お咲と琴姫が江戸藩邸で幕府の使者に色仕掛けをする場面は面白かった。政醇に再び出会えて良かったのと痛快なアクション晴れ晴れした気持ちで読了今作も面白い。
読了日:6月24日 著者:土橋章宏
たまちゃんのおつかい便たまちゃんのおつかい便感想
たまちゃんが暮らす田舎町は過疎化と高齢化が深刻で買い物弱者が沢山いる。祖母の静子さんの一言がきっかけとなり大学を中退し起業する決意をする。買い物弱者の為にたまちゃんは移動販売というおつかい便を始める。たまちゃんのおつかい便に関わった人達がそれぞれ幸せを見つけていく話でもあり、たまちゃんの義母のフィリピン人のシャーリーンに対するたまちゃんの気持ちの変化も描かれている。幸せの極意とは、いつもいい気分でいることなど素敵な言葉がたくさん詰まった作品だった。
読了日:6月24日 著者:森沢明夫
【2016年・第14回『このミステリーがすごい!大賞』大賞受賞作】ブラック・ヴィーナス 投資の女神【2016年・第14回『このミステリーがすごい!大賞』大賞受賞作】ブラック・ヴィーナス 投資の女神感想
良太の兄の会社が経営危機の状態で黒女神に金を工面してもらおうとする。黒女神とはお金が必要な人に彼女の提示する報酬や要求に応じれば希望した金額を手に入れる事が出来るという。兄に頼まれ黒女神との交渉に成立し株の売買で得た利益で会社は持ち直す事が出来たが兄が黒女神への報酬が見合わないと言いだし結果良太を貰っていくと言われる。黒女神=二礼茜の助手として働くことに。株式投資というサスペンスだが読みやすく良太と茜の掛け合いは面白く楽しめた。
読了日:6月25日 著者:城山真一
殺人犯はそこにいる (新潮文庫 し 53-2)殺人犯はそこにいる (新潮文庫 し 53-2)感想
1979年から1996年にかけ栃木県足利市や群馬県太田市で5人の幼児が連れ去られ後日遺体で発見された(1人はいまだ行方不明)連続誘拐殺人事件を題材にしたノンフィクション。この事件は足利事件と呼ばれ冤罪事件だった。著者は入念な取材で真犯人らしい人物まで特定し警察にも情報提供したがそうすると他の事件既に死刑が執行された捜査で重大な過ちを犯した事を認める事になるためこれを取り上げる事もなく再捜査を断念。真犯人は野に放たれたままとはとても怖い。警察や検察の組織としての体面を守る為ならば証拠を捏造改ざんと恐ろしい。
読了日:6月25日 著者:清水潔
いつまでもショパン (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)いつまでもショパン (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
今作の舞台はショパンコンクール。参加するピアニストも世界各国日本人のピアニストは2名、1人は盲目の天才ピアニスト榊場隆平もう1人は岬洋介。冒頭からポーランドの大統領の乗った飛行機の爆破テロ事件から始まる。そしてショパンコンクールの最中に起こる殺人事件と爆破事件、刑事が殺害され指が切り取られる。疑心暗鬼の中一次予選二時予選へと進む中テロの犯人でピアニストと呼ばれている人物がだれなのか?岬は音楽家に致命的な持病を持ちながら出場と展開し鮮やかに推理する。ピアニスト達の演奏の描写はリアルで読み応えのある作品だった
読了日:6月26日 著者:中山七里
改貌屋 天才美容外科医・柊貴之の事件カルテ (幻冬舎文庫)改貌屋 天才美容外科医・柊貴之の事件カルテ (幻冬舎文庫)感想
凄腕の美容外科医柊が事情のある患者に整形手術を施していく。柊美容形成クリニックに新任の麻酔医明日香が来る、そして明日香の視点から物語は進んでいく。今現在の妻の顔を亡き妻の顔に整形してほしい、横領を働いたヤクザの逃亡を助ける為整形する、整形を繰り返したが落ちぶれてしまった女優からの整形依頼など。そして柊の弟子が4年前に連続で整形した患者を殺害する事件を起こして行方不明になっていたが又同様の手口の事件が発生し…。金さえ積めばどんな美容外科手術も行う柊。楽しんで読めた。
読了日:6月28日 著者:知念実希人
炎の塔炎の塔感想
建築物の高さを制限する条例をも金で特例措置を出させ銀座に100階建てのファルコンタワーが建つ。オープン初日電気系統のトラブルや屋上のポンプの故障と問題が発生。社長の鷹岡はオープンを強行する。どんどん燃え広がる炎、天井や壁や床が崩れ人々が逃げ惑う様子そんな中での責任のなすりつけ合い自分達の保身しか考えていない人など迫力のある描写。宿泊客や様々な話が一つに繋がっていく。消防士としての成長それぞれ事情を抱えた人間模様なども絡み引き込まれる作品だった。
読了日:6月28日 著者:五十嵐貴久
赤い刻印赤い刻印感想
4編の短編集、赤い刻印は傍聞きの女性刑事と娘の話。刑事である母親の元に毎年送られてくる差出人不明の御守り。赤ん坊の時の手形とそれに並ぶ母親の手形老人ホームにいる実母、署長から声が掛かった未解決事件の捜査とこれらが関係のないと思っていたら事実がひとつに繋がり真実が見えてくる。どの短編も伏線が張り巡らされていてラストに鮮やかに回収され謎が明らかになる。どれも良かった。
読了日:6月29日 著者:長岡弘樹
スティグマータスティグマータ感想
ドーピングの発覚で失墜した世界的英雄が突如ツールドフランスに復帰。彼の真意が見えないままレースは不穏な展開へ。白石誓はフランスのチームオランジュフランセに移籍しニコラ・ラフォンのアシストとして走っている。チカも30歳を過ぎ毎年契約を勝ち取らなければならない苦しい立場そして日本から伊庭がチーム・ラゾワルに移籍スプリンターとしてツールに出場。ロードレースにおいてのチカのアシストとしての活躍ミッコやニコラのエースとしての行動。チカに再び会えてロードレースの細かな心理描写を堪能できた。シリーズの今後も期待。
読了日:6月29日 著者:近藤史恵
朝が来る朝が来る感想
養子縁組をテーマに子を受け取る側と不妊治療そして子を差し出す側の未成年出産が描かれ血の繋がりと家族、そして親にとっての子供とは?ということを投げかけている。養子として息子を得た栗原夫婦、中学2年生で子供を産み養子に出さざるを得なかったひかり。この2組の親が朝斗の存在により最終的には救われる。産みの親のひかりの堕落は壮絶で目を背けたくなった。血縁ということに縛られず家族を見つめ直すことが出来、家族を結んでいるのは血ではなく心なんだと。2人の母に朝が来ると感じられ涙した。
読了日:6月30日 著者:辻村深月

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