3月のまとめ ❷ | アタローの読書

アタローの読書

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凍る炎 アナザーフェイス5 (文春文庫)凍る炎 アナザーフェイス5 (文春文庫)感想
【堂場瞬一祭】メタンハイドレートの研究施設で起きた密室殺人事件の捜査に参事官の後山から加わるよう指示を受ける。捜査を進めるうちに大友はこの事件の不可解さに戸惑い嫌な感覚に陥ってゆく。エネルギー資源を巡る最悪の謀略に巻き込まれていく。追跡捜査係の沖田はかつて強行犯係で一緒だった大友の為にこの事件の決着をつける為一肌脱ぐ。今作では大友鉄という人物がいかに凄い人なのかと改めて認識でき警視庁追跡捜査係の刑事の絆を読もうと思う。
読了日:3月18日 著者:堂場瞬一
手紙 (文春文庫)手紙 (文春文庫)感想
兄の剛志は弟の直貴の大学進学の為強盗をするが家人に見つかり殺害してしまう。剛志は警察に捕まり刑務所に。剛志が犯した罪に対する社会の反応を描き犯罪被害者家族である直貴も兄の犯した罪による痛みを背負っていく運命にある事を描写している。直貴の将来それに関わる世間とのそして兄との葛藤。刑務所の兄から弟に送られてくる手紙、その手紙で弟は苦しめられる。だが兄からの最後の手紙で考えが変わる。直貴の変化していく過程感動しました。
読了日:3月19日 著者:東野圭吾
小さな男*静かな声 (中公文庫)小さな男*静かな声 (中公文庫)感想
百貨店に勤める小さな男と深夜のラジオ・パーソナリティを務める静かな声の2人が主人公。そしてその2人を取り囲むミヤトウさん小島さんなど魅力的な人々2人の日々はささやかな少しずつ成長や変化の日々。ひとつひとつが大切でそして丁寧に描かれている。2人と共に自分を振り返りながら自分の人生も一緒に進めていける。そんな体験を得られる。吉田さんの言葉の運び方で本書にユーモアと可愛いらしさ温かみを添えられていて一気に読める素晴らしい本です。
読了日:3月19日 著者:吉田篤弘
生存者、一名 (祥伝社文庫)生存者、一名 (祥伝社文庫)感想
屍島に降り立った6人の男女は都内で爆弾テロを行った4人の実行犯と2人の幹部だった。翌日幹部の1人が船と共に姿を消し残りの5人は絶海の孤島に閉じ込められた。組織に対する疑心と食料を巡る仲間同士の暗鬼。やがて1人また1人と殺されていく。冒頭で生存者1名死者5名との報道記事があり始めは人数が合っているが途中で1人が抜け駆けしていなくなり計算が合わなくなる。現実的には少し無理があるような騙しがあり結局生き残ったのはどっちだったのだろう。
読了日:3月20日 著者:歌野晶午
カササギたちの四季 (光文社文庫)カササギたちの四季 (光文社文庫)感想
カササギリサイクルショップが舞台。店長の華沙々木と副店長の日暮そして店に入り浸る中学生の菜美。日常の中に潜む謎を解き明かす華沙々木それを尊敬のまなざしで見つめる菜美。でもそれは日暮が菜美を失望させないように準備した結末。どの謎にも答えを2つ用意している。菜美は華沙々木のことを素晴らしい探偵のように見ているが案外真実を見抜いているような気がする。各短編集に出てくる黄豊寺の住職が良い味を出している。ほのぼのとした短編集だった。
読了日:3月21日 著者:道尾秀介
夢の守り人 (新潮文庫)夢の守り人 (新潮文庫)感想
人の世界とは異なる世界では花が育ち実を結び種を成す。花が育つには人の夢が必要で花に囚われた人々は希望に満ちた夢を見て眠りから覚めなくなる。姪が目覚めなくなったタンダは救う為に花の世界へ行くが罠にかかり逆に身体を乗っ取られてしまう。タンダの身体を乗っ取った者は歌い手の旅人ユグノを狙うがバルサ達がそれを阻む。タンダは眠り続ける人々を助ける為バルサとチャグム達は一計を練る。ユグノの憎みきれないキャラも面白くチャグムは更に成長していて頼もしかった。
読了日:3月22日 著者:上橋菜穂子
起終点駅(ターミナル) (小学館文庫)起終点駅(ターミナル) (小学館文庫)感想
6編の短編集。大手化粧品会社で管理職を務める女性がかつての恋人納骨式に呼び出され、モテる男の思わぬ孤独に触れたかたちないものなど。表題作の起終点駅は国選弁護しか引き受けない老齢の弁護士が弁護を請け負った女性の生い立ちを共に辿るストーリー。登場人物のほとんどが離別や死別によって家族を牛なっている。終始ストーリーは孤独が貫かれているが読んでいて生きる意味を見出すことが出来た。
読了日:3月22日 著者:桜木紫乃
([ん]1-8)3時のおやつ ふたたび (ポプラ文庫)([ん]1-8)3時のおやつ ふたたび (ポプラ文庫)感想
小説家からプロレスラーまで30人の著名人によるおやつのエッセイ。小路幸也さんの一斗缶のおかし、辻村深月さんの二色ムースや向井湘吾さんの作った水ヨウカンのエピソードそして甘くないおやつでたこ焼きというのもいい。アンソロジーで知らない作家さんにも触れられ良い発見になって嬉しい。
読了日:3月23日 著者:松井今朝子,小路幸也
なにごともなく、晴天。なにごともなく、晴天。感想
高架下の商店街を舞台に繰り広げられる少し風変わりで、とびきり愛おしい人間ドラマ。銭湯や純喫茶そしてひょんなことから一風変わった古道具屋を任された美子と商店街の人たちの丁々発止のやり取り、美子の密やかな恋の行方などや、なにごともなく平凡な日々が描かれているのに読了後ほっこりと穏やかな気分になれる。
読了日:3月23日 著者:吉田篤弘
罪人よやすらかに眠れ罪人よやすらかに眠れ感想
札幌の中島公園の近くにある高い塀で囲まれた大邸宅。公園と同じ中島という邸宅に入っていった人の抱える謎をここの住人である美形の北良が説き明かすミステリ。この館には業を抱えていない人間が来てはいけなく、酔い潰れた友人と恋人を連れた青年、東京から初めての一人旅で札幌の伯母の家に来た小学生の女の子など彼らは北良により抱える業を明らかにされる。ラストまでこの館は何なのか北良の正体も明らかにならなく消化不良だった。
読了日:3月23日 著者:石持浅海
仮面病棟 (実業之日本社文庫)仮面病棟 (実業之日本社文庫)感想
身寄りのない人をケアする療養型病院にピエロの仮面をかぶった強盗犯が籠城した。当直のアルバイトをしていた外科医の蓮見も朝まで籠城する羽目に。病院に隠された秘密が軸となって絡み強盗犯との精神的な心理戦が繰り広げられていく。ただ単に犯人の狙いや病院の秘密が暴かれるだけでなく、さらに驚愕の結末があることに驚いた。
読了日:3月24日 著者:知念実希人
人質の朗読会 (中公文庫)人質の朗読会 (中公文庫)感想
反政府ゲリラによって人質となった日本人の8人が犯人の仕掛けたダイナマイトの爆発により犠牲となった。事件から2年後ほとんどの物が無くなってしまった現場に残されていたのは人質達が書いた文章とそれを朗読する声が録音されたテープだった。朗読の内容は人質達の過去を本人が物語にして語られたもの。淡々と綴られていく文章、心に深く刻まれた感じがした。自分が死ぬ時誰かに何かを語るようになるのか誰について語るのだろうと静かに考えたくなる秀逸な一冊だった。
読了日:3月24日 著者:小川洋子
星宿る虫星宿る虫感想
第19回日本ミステリー文学賞新人賞受賞。山中で見つかった老婆の遺体は光を放つ虫の大群に覆われていた。警察は法医昆虫学の御堂玲子に調査を依頼そして主人公の大学生天崎悟と叔母である玲子の視点で物語は展開する。謎の虫「グルウ」の正体は?悟と幼馴染のめぐみの恋愛これが悲劇的なことになり。虫の描写などはあまり気にならなかったが切ない内容だった。
読了日:3月25日 著者:嶺里俊介
誘拐 (双葉文庫)誘拐 (双葉文庫)感想
リストラによる一家心中の話から総理大臣の娘を誘拐するまでの展開があまりに早くラストまでどうなるのかと読んでいたが終盤でその理由が明らかになる。誘拐事件を通してお金で買えないものはないと豪語していた総理だが、お金で買えないものがあることに気づく。そしてそこに隠された真相には気づかなかったが誘拐事件の真相を早い段階で気づいた星野刑事。星野刑事が誘拐事件の基礎になっているのは信頼という言葉の意味にあると。犯人の計画の事だと思ったがラスト本当の意味が明らかになる。読み応えのある内容だった。
読了日:3月25日 著者:五十嵐貴久
転生 (幻冬舎文庫)転生 (幻冬舎文庫)感想
和泉は心臓病の為心臓移植手術をした手術後食べ物の嗜好が変わったり絵を描くのが上手くなったり知らなかったショパンの曲を知っていたりと不思議な事が起こる。夢の中に恵梨子がドナーで不思議な現象は彼女の記憶が転移したのではないかと調べ始める。心臓が停止しないと死亡ではない、その人はまだ生きている。脳死という事を受け入れるのは難しい家族にとっては一層難しい事なんだと。臓器移植というテーマだが爽やかな読後感だった。
読了日:3月26日 著者:貫井徳郎
千年の黙 異本源氏物語 (創元推理文庫)千年の黙 異本源氏物語 (創元推理文庫)感想
紫式部が優しく穏やかで聡明にいきいきとした人物として描かれている。王朝の謎解きだけでなく物語を世に出すための懊悩や貴族社会の熾烈な争いなども克明に描かれ興味深い。タイトルである千年の黙は千年もの間人の目に認められることのなかった「かかやく日の宮」の帖を再現した物語で千年の間散り消えることなく伝わる物語を描いた紫式部の想いが描かれている。
読了日:3月27日 著者:森谷明子
コフィン・ダンサーコフィン・ダンサー感想
リンカーン・ライムシリーズ第2弾。小さな航空会社に勤めている3人が武器商人の証拠隠滅現場を目撃。法廷で不利な証言をされる事を嫌い3人を殺害する為武器商人に雇われたと思われる殺し屋コフィン・ダンサーその名の由来は棺桶の前で踊る死神の刺青。証人達を守る為コフィン・ダンサーを捕える協力依頼がリンカーン・ライムの元へ。コフィン・ダンサーの正体とは?今作はまったく先が読めずハラハラドキドキの連続。登場人物の心理描写も丁寧で良かった。
読了日:3月27日 著者:ジェフリーディーヴァー
骸の爪 (幻冬舎文庫)骸の爪 (幻冬舎文庫)感想
真備霊現象探求所所長の真備と助手の凛そして作家の道尾のシリーズ第2弾。道尾が親戚の結婚式に故郷へ帰り瑞祥房という仏像の工房に訪れ仏像が血を流したり笑うという不可思議な現象に遭遇する。道尾は真備と凛を伴い再度瑞祥房へ。そこで遭遇する仏師の行方不明事件20年前にも行方不明事件が起きていた。事件解決に至るまで二転三転するどんでん返し、これで終わりかと思ったらその後も。動機や人間関係、過去の出来事の絡め方も秀逸で面白かった。
読了日:3月28日 著者:道尾秀介
幽霊塔幽霊塔感想
検事総長を辞した叔父が購入した時計塔(幽霊塔)で怪事件が相次いで起こる。光雄は叔父の依頼で時計塔に来た時に出会った秋子の美しさに打たれ愛し始める。この時計塔には秘密がありその秘密の中心人物の秋子も巻き込まれながら殺人事件、容疑と秋子を中心に過去まで遡るところまで展開していく。事件の顚末は光雄の行動力によって進んでいくが時計塔の秘密と隠された財宝など終盤に向けて良しとなるのだが時代を考えれば仕方のない事かもしれない。
読了日:3月29日 著者:江戸川乱歩
ハーメルンの誘拐魔ハーメルンの誘拐魔感想
子宮頸がんワクチンの接種の副作用による記憶障害で通院中の少女が帰路母が目を離したすきに消えた。現場にはハーメルンの笛吹き男の絵葉書が残されていた。警視庁捜査一課の犬養ハーメルン非公開捜査に乗り出すがワクチン勧奨団体会長の娘やワクチン被害を国に訴える為に集まった5人の少女までもが消えてしまう。犯人像やその狙いが掴めないなか捜査本部に笛吹き男からの70億円の身代金の要求。子宮頸がんワクチンの副作用の恐さや産婦人科医の厳しい現状を誘拐事件に上手く絡めたミステリーだった。
読了日:3月30日 著者:中山七里
カエルの楽園カエルの楽園感想
故郷をダルマガエルに奪われてしまい新天地を求めて旅に出たアマガエルのソクラテスとロベルト。幾多の困難を乗り越え辿り着いたのは平和なナパージュというツチガエルの国だった。そこではカエルを信じろ、カエルと争うな、争うための力を持つなという三戒が守られている。カエルの寓話を国際社会の主要な国や集団を各々のカエルに当てはめ物語は展開していく。憲法下においていかに危険な状況に置かれているかなどを絶妙に痛快に風刺されている。
読了日:3月31日 著者:百田尚樹

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