5月のまとめ☆ | アタローの読書

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2015年5月の読書メーター
読んだ本の数:29冊



オジいサンオジいサン感想
益子徳一72歳、結婚歴なし。普通のオジいサンの日常を描いた連作短編集。昼下がりの公園でオジいサンと呼ばれ困惑。益子徳一は老人だという自覚はあるのだが、自分がおじいさんという自覚はまるっきりない。電気屋の2代目から地デジの話をされてもどうにも理解できない。世の中は物凄い速さで変わっているみたいだ。結構理屈っぽいオジいサン。だが憎めずほのぼのとした感じで読了できた。

すべては今日から (新潮文庫)すべては今日から (新潮文庫)感想
児玉清さんは大の読書家。児玉さんが読んで面白いと感じた本の紹介を自分の過去のことなどと共に描かれている。ミステリーが好きな児玉さんは日本での発売が待ちきれず原書でも読んでいたそう。そして児玉さんの本にまつわる様々な思い出が綴られている。何よりも本を愛し、道徳性を持った児玉さんの教養に感激しました。巻末に息子さんのあとがきもあり、児玉さんの日常の姿や旅行先のエピソード、ひたすら本を読んでいることなどを知れて良かった。

みをつくし献立帖 (ハルキ文庫 た 19-9 時代小説文庫)みをつくし献立帖 (ハルキ文庫 た 19-9 時代小説文庫)感想
みをつくし本編に登場した料理のカラー写真やみをつくしに関するエッセイなどか書かれている。本編を読んでいて自分なりにイメージしていた料理とは大分違っていて新たにこんな料理を澪が作っていたのだと分かり良かった。短編「貝寄風」は澪と野江の子供時代の話。大店のこいさんだった野江と塗師の娘として慎ましく育った澪、2人のその後の人生を暗示するようなどエピソードだった。

異常快楽殺人 (角川ホラー文庫)異常快楽殺人 (角川ホラー文庫)感想
殺人・死体解体・強姦・屍姦・獣姦・食人など、本書はグロテスクな話ばかり。それもノンフィクション。何故殺人鬼たちはこんなことをしてしまったのか?それぞれがどのような人生を歩み、そして狂気に走ってしまったのかが克明に描かれている。一人で何百人も殺した大量殺人鬼たちの人物像と事件が描かれた本書、背筋が凍り気持ち悪かった。

サファイア (ハルキ文庫 み 10-1)サファイア (ハルキ文庫 み 10-1)感想
宝石をテーマにした7話の短編。作者自身初の短編集。宝石をテーマにした話なのだが、どの話も人間の暗い部分、見たくない部分をさらけだしている。宝石を題材にしていて綺麗な感じを抱きながら読んだが内容は毒要素が多く、ドロドロした感じだった。だが表題作のサファイアとそれに続くガーネットの2話は連作になっていて読んでいてジーンとなった。7話の短編楽しく読めました。

誘拐児誘拐児感想
昭和21年に起きた誘拐事件。誘拐犯の狙いが当時の世相や事情を巧みに利用している。身代金と共に誘拐された男児も帰らなかった。そして15年後20歳の青年が母親の死により自らの出世の疑問と母親の過去を恋人と一緒に調べだす。殺人事件を捜査する刑事と2つの視点から描かれている。ある女性の殺人事件から過去の誘拐事件が浮かび上がり、この2つの事件、過去と現在が互いに関連してくる。ラストに向けて2つの事件が繋がっていく。終戦直後の難しい時代をテーマにされたミステリー。

隻眼の少女 (文春文庫)隻眼の少女 (文春文庫)感想
とある寒村で起きた殺人事件そこにたまたま来ていた青年は事件に巻き込まれてしまうが御陵みかげという少女に出会い助けてもらう。御陵みかげは隻眼の名探偵として有名だった母の御陵みかげの2代目。殺人事件の解明に乗り出し何とか事件は解決したのだが悲劇は終わらなかった。そして18年後また同じ寒村に来た青年はまたもや殺人事件に巻き込まれる。そこへ現れたのは3代目の御陵みかげだった。殺人事件も前に起きた事の繰り返し時間を超越している2人の2代目3代目の御陵みかげが同一人物なのか?ラスト物凄い衝撃的な斬新なミステリーだった

笑うハーレキン笑うハーレキン感想
最愛の子供を事故で亡くし経営していた家具会社も倒産、妻とも離婚してしまった東口は今ではわずかな収入を家具修理で得ながら荒川沿いのスクラップ置き場でホームレスの仲間と暮らしている。ある日彼の所へ弟子入りを志願する若い女性が現れ彼の人生は新たに動き始める。犬の毒殺、ホームレス仲間の死と緊張感漂う展開に。困難なことやその道筋を描いた光が差すであろう温かい再生の物語だったと思いました。

午前零時のサンドリヨン午前零時のサンドリヨン感想
第19回鮎川哲也賞受賞作。高校での日常の謎のミステリーを4つの連作短編で描かれている。探偵役の酉乃初が高校生にして凄腕のマジシャン。そして酉乃のことが好きな須川は、なんだかんだと酉乃に近づき日常の謎にも一緒に挑んでいく。図書室で1冊を除いて全てが逆向きに収められた書架。机の表面に彫られた3つの「f」の文字。去年の夏に飛び降り自殺した高校生の幽霊が出るという噂。そんな日常のちょっとした不思議について真相を解き明かしていく。それと今後の酉乃と須川の関係がどうなっていくのか楽しみ。

ロートケプシェン、こっちにおいでロートケプシェン、こっちにおいで感想
女子高生マジシャン酉乃初ミステリー第2弾!高校生活を中心に起きる謎。別々の視点から描かれている内容、それが徐々に一つになっていく展開。酉乃や須川はどうやって助けようとするのかが気になり読み進めたが、ラストに向けての伏線は見事だった。そして酉乃と須川の関係も少しずつ変わってきていて、八反丸の本心も見えだしてきたりと面白かった。

幸せの条件幸せの条件感想
瀬野梢恵は新卒で就職し伝票整理担当、会社ではお荷物状態。ある日社長から試験製作中であるエタノール燃料製造装置でバイオエタノール用に米を作れる農家を探してこいと突然の命令を受ける。長野県穂高村に行き先々の農家で門前払いに会うが、安岡と出会い体で一から農業を知ることになる。東日本大震災、福島原発事故、食料問題やエネルギー問題を絡め、農家が抱える現実を思い知っていくことになる。エネルギー問題が深刻になるにつれ自給自足でエタノール燃料は真剣に考えていくことだと思う。農作業を体験できた気分で読めた。

紙つなげ!  彼らが本の紙を造っている紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている感想
2011年3月11日東日本大震災が発生巨大な津波が襲来する。日本製紙石巻工場も巨大な揺れや津波に翻弄され工場は停止工場設備の被災は甚大で物凄いことになってしまった状況から工場を再建することがどれだけの困難なのか想像もつかない。だが工場の社長を筆頭に社員一丸となって再建の為に奔走する。国内海外の会社からの救いの手により石巻工場は震災から半年後に再稼働させることができる。本が紙により成り立っていることを実感させられました。誰もが困窮していた時に自分たちの工場を再建させる気持ちを持ち続け成功させた社員たちに感動

私に似た人私に似た人感想
自らの命を投げうって社会に抵抗するレジスタントと称する者たちによる小規模なテロが頻発するようになった日本を舞台に生きる10人の主人公それぞれを描いた連作短編集。テロの実行犯は貧困層に属していて職場や地域に居場所がなく実生活での接点もない、そして特定の組織が関わっている形跡もないが、彼らを巧みに操るトベという人物がいることが次第に明らかになる。テロが起こらない社会、ネットの怖さや社会に関心を持つということを認識しながら生きていかなければと思う。

ふくわらいふくわらい感想
初の西加奈子さんの本を読みました。紀行作家の父がマルキ・ド・サダをもじって付けた名前の鳴木戸定。父が旅の見聞を綴った紀行文は日本で物議をかもし発禁処分となり定も有名人に。それ以来定は世間と自分を隔てる壁を強く意識する。だが定にも人との繋がりができ、接するうちに定の世界観が少しずつ変わっていく。愛することや人との繋がりの素晴らしさに気づいた時どう次の一歩を踏み出すのか。定が出した結論とは?いろいろな人と接し定の人との壁がいつの間にか取り払われて、ふくわらいをしなくてもよくなったのではないかと思った。

閉鎖病棟 (新潮文庫)閉鎖病棟 (新潮文庫)感想
過去に起こした事件で精神科病棟に入院している患者たちの家族や世間から隔離され重苦しい過去を背負っているが明るく生きようとする姿が描かれている。ある日精神病棟ので中で殺人が起こる。容疑者は穏やかに暮らしていたのに何故こんな事をしてしまったのか?仲の良い患者たちの為に、そして過去に起こした事件の罪を償う為に。ラスト容疑者の証言に立つ仲間の言葉、手紙のやり取りに感動しました。精神病棟というだけで偏見を持っていたが、他人を思う気持ちに涙しました。

殺人初心者―民間科学捜査員・桐野真衣 (文春文庫)殺人初心者―民間科学捜査員・桐野真衣 (文春文庫)感想
結婚直前に婚約者に捨てられ勢いで新築マンションを買い、ダニ研究所の仕事をリストラにあい必死に就職したのは民間の科学捜査研究所。民間の科捜研で働き始めた理科系女子の桐野真衣32歳。真衣は出社早々猟奇連続事件の捜査に巻き込まれてしまう。奇妙な殺害形態を残していく連続殺人。事件を調べながら科捜研の仲間たちも個性豊かでコミカルに描かれている。DNA鑑定など民間の科捜研での仕事内容などを知れたり興味深く読めました。

太陽の棘(とげ)太陽の棘(とげ)感想
終戦直後、米国の統治下に在った沖縄。精神科の新米医師エドは招集を受け沖縄の米軍基地へ赴任。多忙な中、休日にニシムイ・アート・ヴィレッジ(ニシムイ美術村)という場所に行き画家達と出会う。絵が好きで自身も絵を描くエドは、セイキチ・タイラの描いた絵に感動2人は友情を育んでいく。戦争の傷跡が生々しく残る沖縄。米国軍人と島民達の間には複雑な感情、拒絶や恐れが絡み合っている中で絵画を通してエドとタイラや画家達が気持ちを通い合わせて友情を育む姿が良かった。史実を元に描かれた内容、是非多くの人に読んでほしい。

死墓島の殺人死墓島の殺人感想
岩手県釜石市に近い離島・偲母島は海洞家、宝屋敷家、龍門家によって支配されてきた。ある日海洞家の当主が島のオトシバと呼ばれる崖から吊り下げられているのを発見される。前作の首挽村の殺人で登場した藤田警部補が探偵役として殺人事件の真相解明に乗り出す。更に新たな殺人事件も発生し、村に伝わる子守唄の見立てなのか?かつて本土の処刑場として使われていたこの島で一体何が起きているのか?設定から横溝正史風な感じはしたがサラリと読める内容だった。

主よ、永遠の休息を (実業之日本社文庫)主よ、永遠の休息を (実業之日本社文庫)感想
本書はストロベリーナイトのゼロ作目にあたるらしい。コンビニで偶然強盗事件に出くわした通信記者・鶴田。ある男性の力を借り犯人を取り押えるが男性は姿を消してしまう。鶴田はコンビニ強盗事件がきっかけでコンビニのアルバイトの桐江と親しくなっていく。鶴田と桐江の語りで交互にストーリーは進めていく。鶴田は以前事件として騒がれていた少女暴行殺人事件を調べていく。読んでいて宮﨑勤事件をモデルに描かれていることが分かる。桐江の精神的不安定な描写などだいたいの展開が想像出来たがラストあまりに悲しい事になるとは思わなかった。

学園天国学園天国感想
高校3年生の慎也と新任教師の麻美は夫婦。しかも麻美は慎也のクラスの担任に。2人が通う高校では経営立て直しの為に凄まじい管理教育を行いだしている。放課後教師によるパトロールや問題のある生徒を次々と退学させたり、教室には盗聴器まで仕掛けられハンパない。このやり方に反対の教師を取り込もうとしたり、退職に追いやったりエスカレートしていく。慎也や麻美は学校改革という名目の裏に隠された計画を知り…。考えられない夫婦設定や意外な人物のおかげで解決してしまうストーリー展開楽しめました。
きりこについてきりこについて感想
きりこはブスな女の子だが赤ん坊の頃から両親がたくさんの愛情をかけ可愛いと言い続けて育ててきた結果、自分は可愛い女の子だと信じ込んで生きてきた。だがある日きりこの人生を変えた一言で学校へ行くのをやめ愛する黒猫のラムセス2世と一緒に引きこもりになる。そうして数年後、予知夢を見たきりこは夢の中で泣いている女性を救う為にラムセス2世に付き添われ再び外へ踏み出す。きりこは紆余曲折にあい人生における真実を見つけだすまでの事を描いた物語。自分に正直に生きる事は大変困難だろうが自分らしく生きたいと思った。

ヒトリシズカ (双葉文庫)ヒトリシズカ (双葉文庫)感想
小金井で発生した拳銃による殺人事件。このストーリーは第1章の闇一重から独静加の第6章までの構成になっている。各章で暴力団構成員の射殺事件、元暴走族構成員の刺殺事件、暴力団同士の銃撃事件など個別の事件であり捜査にあたる刑事も違うのだが、この事件の背後に一人の女性の姿が見え隠れする。そして第6章独静加で全ての物語は繋がっていく。5つの事件に関連する一人女性・伊藤静加。段々と静加の残酷な姿が浮かび上がってくる。他者からの視点で静加の残酷さが浮き彫りになる展開凄かった。

冤罪初心者 民間科学捜査員・桐野真衣 (文春文庫)冤罪初心者 民間科学捜査員・桐野真衣 (文春文庫)感想
アジアからの出稼ぎ青年の冤罪を科学捜査で晴らそうとする真衣たちは、警視庁を悩ます連続殺人に挑む羽目に。民間科学捜査員・桐野真衣シリーズ第2弾。民間科学捜査研究所の新米捜査員・桐野真衣に訪れたリストラの危機。婚活をしながら連続殺人事件それも凄惨である事件を調べていく。ラストの大どんでん返し、笑いありの楽しく面白く読めました。

仏果を得ず仏果を得ず感想
若い義太夫が文楽の修行を通して芸能、恋に悩みながら成長していく姿を描く青春小説。健は高校の修学旅行で文楽を観劇し太夫の素晴らしさに圧倒し虜になる。そして文楽の世界に入る。人間国宝で師匠の銀太夫、健と組む三味線の兎一兄さん個性豊かな人たちに囲まれ、更にはある女性を好きになり芸までうつつになる。男女の複雑な恋模様を描くことが多い文楽で健は演じる役の気持ちが理解できずにいたが、次第に恋をすることで役の気持ちが分かるように少しずつ成長していく。文楽の世界というのを本書を読み印象が大きく変わった。

みちくさ 3みちくさ 3感想
待望の3巻!菊池亜希子さんのイラストや旅の内容や服装など興味深く読んでいます。みちくさシリーズを読み始めてからカメラを始めたり影響を受けました。毎日少しずつ読んでいきましたが、ほっこりとしたイラストなどを見て癒されています。

舞台舞台感想
葉太は29歳、調子に乗って失敗しないように気をつけたり、イタイ奴と思われない様に周囲の目を気にしながら生きている(まどろっこしくも感じる)。作家であった父親との葛藤があり父親の死後父が行きたかったニューヨークに一人旅をする。見知らぬ旅先でパスポートや財布を失ってしまう彼。生きる事で精一杯の時、空腹で何も考えられなくなった時極言の状態に陥り周囲の目など気にならなくなる。父が生前地球の歩き方を読んでいた、そのガイドブックを見つけ葉太はニューヨークへ。他者への配慮というか思いやりを感じたのではないかな。
心にナイフをしのばせて心にナイフをしのばせて感想
1967年春、横浜の高校で入学して間もない男子生徒が同級生の少年に殺害される事件が起きた。殺された少年の母親は事件から1年半をほとんど布団の中で過ごし事件や全ての記憶を失っていた。犯人の少年は謝罪を求める被害者の母親や妹も拒絶。その事件によって息子を奪われた両親、妹の時間はあの時から止まったまま。少年の時に殺人を犯した少年はその後弁護士になった。だが被害者の家族は心を置き去りなまま自分だけのうのうと生きていく事が果たして更生といえるのか?釈然としない、やるせない思いが残った。
プシュケの涙 (メディアワークス文庫)プシュケの涙 (メディアワークス文庫)感想
夏休み一人の少女が校舎から飛び降り自殺した、その謎を探る為に二人の少年が動き始めた。2部構成になっていて前半は榎戸川の視点で語られ、後半は生前の吉野の視点で物語は進んでいく。目撃者である榎戸川にしつこく死の真相を確かめようとする由良に嫌悪感を抱きながら読んでいたがラストに驚くべき結末が…。後半は吉野の視点で(生前の)語られる由良との出会い。前半の推理小説とは違い恋愛(吉野と由良)、胸に刺さる感覚と心温まる感覚、ふたつが絶妙に混ざりあった繊細な物語だった。

幻霙幻霙感想
派遣アルバイトの蒼太は無差別殺傷事件の犯人が自分と同じ境遇の生い立ちをしていることから、この事件のネットや週刊誌などを読みあさりだし蒼太自身の精神バランスが崩れ始めていく。過去彼が母親に対して受けた虐待。小さい頃から母親の顔色を伺い虐待され育ってきた、だから蒼太も歪んだ人格になってしまう。暴力で人を支配しようとする人間は、自分が暴力に支配されてしまうのだと思った。


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