甘すぎる居場所
『タツキ先生は甘すぎる!』というドラマが最終回を迎えた。その舞台は不登校など通常の学校に違和感を覚える子供たちが集うフリースクールだが、主人公のタツキ先生には不登校になった自分の息子にキツク当たって自殺未遂にまで追い込んでしまった苦い経験がある。躓いた子供たちに対するか つての自分の姿勢を深く反省しているタツキ先生は、フリースクールで極めて誠実に対応している。個々の生徒の悩みに耳を傾け、理解し、「不登校も一つの生き方だ」と語って全てを受け容れる。実際、フリースクールにおいては何かを強制されることがなく、子供たちは自分の好きなことだけをしていればいいので実に居心地が良さそうだ。確かに、通常の学校には見出せなかった居場所がそこにはある。しかし、ドラマのタイトルにもあるように、それは「甘すぎる」居場所ではないか。タツキ先生自身も以前は自分の息子に「不登校は弱さだ。強くなれ!」と𠮟咤激励していた。「不登校生は怠け者」というのが一般の認識でもあり、学校の共同生活に耐えられない弱者として切り捨てられてきた。ところが、今や多様性を尊重する時代となり、不登校も一つの個性として許容されるようになった。言わば、強さを求める時代から弱さを許す時代へ。この変化を如何に理解すべきか。社会は正常になったのか。それとも甘くなったのか。この問いもまた「世界の聖化」に密接に関係している。