同化と異化 | 新・ユートピア数歩手前からの便り

同化と異化

世界には様々な分断がある。富裕層と貧困層という経済格差による分断は、もとよりその解決は至難の業ではあるけれども、論理的には極めて単純だ。生活困窮者がいなくなり、同時に大富豪も絶滅して、皆が等しく豊かになればいい。その「経済的な豊かさの平等」が具体的に何を意味するかは依然として問題ではあるものの、一応「平等性への同化」が解決策となる。しかし、人種や民族、あるいは宗教による分断はどうか。果たして、何らかの同化が解決策になるだろうか。そもそも異なる民族や宗教信者の分断が問題になるのは一つ同じ場所に異なる者が存在しているからではないか。もしそうなら、少数派が多数派に同化するよりも、少数派と多数派は分離するのが得策だろう。例えば、インドとパキスタン、マレーシアとシンガポールのように。従って、分離こそが現実的な解決策であり、同化はむしろ帝国主義的侵略と見做される。因みに「一つの中国」も結構だが、台湾、香港、チベットなどが中国共産党とは異質であるならば、同化を強制することは如何なものか。さりとて、分離独立が唯一の解決策だとは思えない。少なくとも、理想はその先を求める。同化でも分離でもない解決策とは何か。異化にその可能性を私は見出したい。