補足:人になる | 新・ユートピア数歩手前からの便り

補足:人になる

人はすでにヒトの一線を越えている。もはや野の花や空の鳥のようには生きられない。その悔恨が原罪意識を生み出すとしても、一線を越える流れは止められない。ヒトもまたすでにサルの一線を越えているからだ。サルがヒトになり、ヒトが人になる。原罪意識を払拭できれば、次に生じてくるのは進化の意識だ。万物の霊長!その万物の霊長たる人はこれまで何をしてきたか。そして、これから何をするのか。人はこの世界を夢の場所にしようとしてきた。自然を改作し、多くの人が幸福に暮らせる「人の楽園」を実現しようとしてきた。しかし結果的に、それは地球環境の破壊をもたらし、夢の場所はディストピアと化そうとしている。或る人たちの夢の場所は他の人たちの地獄となり、夢の場所の覇権をめぐる戦争が後を絶たない。「人の楽園」としての夢の場所をパラダイスと称するならば、今やパラダイスという人工楽園は大きな危機に直面している。とは言え、それでもパラダイスにしがみつこうとする旧態依然の人たちはいるだろう。さもなければ、人工楽園の限界を悟って、かつてヒトが享受していたであろう自然楽園(アルカディア)に後向きに回帰しようとする人たち。人はアルカディアとパラダイスに引き裂かれているようにさえ見える。人の生きるべき夢の場所はアルカディアか、それともパラダイスか。鄙見によれば、どちらでもない。先述したように、人はすでにヒトの一線を越えているのだから、もうアルカディアに後戻りすることなどできない。さりとてパラダイスの破綻も明白であり、もうそこに留まることもできない。サルがヒトになり、ヒトが人になった。では次に、人は何になるのか。