補足:「表層の故郷」 | 新・ユートピア数歩手前からの便り

補足:「表層の故郷」

昨日の便りの書き方では、「表層の故郷」は非本質的なものにすぎないという印象を残したかもしれない。それは誤解だ。「表層の故郷」は第二義の接触によるものだが、決して取るに足りないものではない。もとより「深層のふるさと」が根源的なものであることは間違いないが、そこでの第一義の接触は言わば「未だ主もなく客もない純粋経験」であって、そのままでは可能態にすぎない。その純粋経験が一つの経験に実定化されて初めて、「深層のふるさと」は「表層の故郷」として現実態となる。それは「深層のふるさと」という「どこにもない場」が「表層の故郷」として一つの場所になることに他ならない。「表層の故郷」なくして「深層のふるさと」は画餅にすぎず、両者は不可分・不可同・不可逆であることを補足しておく。