アウトサイダーの求める正義(5) | 新・ユートピア数歩手前からの便り

アウトサイダーの求める正義(5)

正統と異端。一般的にアウトサイダーは異端と見做される。論理的にはそうなる。しかし、数の論理で圧倒するインサイダーに正統はあるのだろうか。そもそも正統とは何か。血統における正統なら客観的に確定(DNA鑑定)できるが、私にはそんなもの(万世一系)は意味がない。例えば、たとい創業者の血を引く直系の後継者だとしても、その人が創業理念において正統かどうかは血統によっては判断できない。では、何によって判断されるのか。一つの可能性は創業者の経営理念が記された文書の解釈にある。勿論、百年も二百年も前の理念がそのまま現代に通用する道理はなく、正統の解釈は一筋縄ではいかない。ちなみに先日観たドラマに、手作りの和菓子にこだわってきた老舗が機械を導入して経営規模の拡大を図るべきか否かに悩む場面があった。手作りから機械生産への移行は明らかに伝統に反するが、旧態依然の経営を続けることが必ずしも正統とは限らない。むしろ、現代においては安価で美味しい和菓子を多くの人たちに楽しんでもらうことが正統の場合もある。正統にとって重要なのは数の論理(多数決)でもなければ血統でもない。更に(誤解を恐れずに)言えば、伝統も決定的要因ではない。あくまでも熟議もしくは闘議が最終的に正統を決める、と私は考えている。