法治パラダイス
通常、我々は何か問題が生じると法律をつくって解決しようとする。例えば、ヤクザの横暴が善良なる市民の安寧を脅かすという問題が生じれば、それを規制する法律をつくって取り締まろうとする。ただし、その法律が現実に効力を発するためには、ヤクザの反社会的暴力以上の強さが必要に なる。もしその強さがなければ、せっかく立派な法律をつくっても、ヤクザの暴力は平気でその法律を踏み躙るだろう。今の世界情勢が正にそれで、大国の横暴を抑えられる絶対的な強さはどこにもない。所詮、法律は無力なのだ。結局、絶大な力がなければ法律は有効にならない。とすれば、諸問題を最終的に解決するのはやはり力の強さということになる。今の国連は無力だが、将来、どんな大国も従わざるを得ないような絶対的な力を有する国連が実現すれば、「永遠平和」も夢ではなくなる。では、そうした最強の国連が支配する世界が理想社会なのだろうか。確かに、それは法治パラダイスと言える。しかし、そのパラダイスは基本的に戦国時代を終焉させた絶対的権力者の支配下での天下泰平に等しい。「永遠平和」はそうした大審問官的平和でしかないのか。私は違うと思う。「永遠平和」の理想は力の強さによっては実現しない。