その先にある革命 | 新・ユートピア数歩手前からの便り

その先にある革命

二つの革命がある。一つは目の前にいる敵を倒す革命。その敵が一般大衆を抑圧する者であるのなら、それを倒す。実に分かりやすい構図だ。悪しき抑圧者をやっつけるヒーローの誕生。私はそうした革命のドラマが好きだ。幼い頃に熱中した怪獣ドラマも、広い意味での革命のドラマだと思っている。長く虐げられてきた貧しき人々がヒーローの導きで抑圧者から解放される。実に爽快な気分になる。しかし、本当の問題は悪しき抑圧者が倒されたその先にあるのではないか。その先にこそもう一つの革命、本当の革命が要請されるのではないか。

 

ヒーローの御蔭で抑圧者から解放された民衆は自由になる。めでたしめでたし。しかし、それで大団円とはならない。民衆はやがて自由に溺れて大衆に堕落する。全てがそうだと言うつもりはない。自由において本当に生き始める民衆もいるだろう。それなら問題はないが、自由に溺れ、自由から逃走し、新たな抑圧者を求める大衆も少なからずいる。大審問官の思う壺だ。その新たな抑圧者は古き抑圧者と違って悪人面をしていない。むしろ、ヒーローのような顔をして大衆の幸福を公約する。もはや十九世紀のようにはいかない。とは言え、古き抑圧者が根絶されたわけではない。革命のドラマは複雑な様相を呈している。