目に見えるものと見えないもの(7) | 新・ユートピア数歩手前からの便り

目に見えるものと見えないもの(7)

人気女優が不慮の死(自死でもいい)を遂げる。その目に見える美しさはピーク時のまま多くの人々の心に固定される。そして夭折の美学が生まれる。人気女優ならずとも、夭折の美学に憧れる人は少なくないだろう。殊に美少年・美少女にとって、生き続けることは自らの美に対する裏切りに他ならない。美の絶頂において死ぬ。それ以後にあるのは美の崩壊でしかない。確かに、こうした夭折の美学には魔力がある。しかし、それがどんなに魅力的であっても、夭折の美学は自己欺瞞だと私は思う。「美しく死ぬ」など愚の骨頂。本当の美しさは娼婦に堕ちても生き続けるソオニャに宿る。