アルカディアと現代人 | 新・ユートピア数歩手前からの便り

アルカディアと現代人

私の根本テーゼを確認しておきます。


根本テーゼ:かつてムラはアルカディアであった。しかし新しき村はもはやアルカディアではあり得ない。新しき村はユートピアとしてのみ実現する。


私は以前に、アルカディア(ムラ)からユートピア(新しき村)に至る過程を「円環―直線―螺旋」の弁証法として述べました。(http://www5a.biglobe.ne.jp/~atarasi/muraron/ronkou11.htm ) 今、それを繰り返すことはしませんが、重要なことは螺旋は円環と直線の対立の止揚であり、ユートピアはアルカディアの「前向きの反復」だという点です。


また、「アルカディアが自然楽園であるのに対して、ユートピアは人工楽園だ」という私の主張から、ユートピアという言葉で手塚治虫が描くような未来都市を連想されるかもしれませんが、私のユートピアのヴィジョンはむしろ田園に近いものです。ただし、その田園は「人間的に再構成された自然」であり、言わばムラと近代都市の逆説的統合に他なりません。


何れにせよ、少なからぬ人たちが農的暮らしを見直して帰農を志している現在、アルカディアが現代人にとって一つの希望となっていることは間違いないと思います。問題は、その「希望の原理」です。