新しき拠点 | 新・ユートピア数歩手前からの便り

新しき拠点

「新しき拠点」を準備するに当って留意すべきことは、それ自体がユートピアではないということです。あくまでも「ユートピアの実現」に向けての拠点に他なりません。従って当面の問題は「如何なるユートピアを実現するか」ということになります。

先ず「自給自足の農業共同体」というユートピア観があります。新しき村も基本的にはそれに含まれるでしょう。言うまでもなく現実の村はそれとは程遠いものですが、一応建前としてはそれを理想としています。しかし私はその理想そのものに問題があると思っています。何故なら、それは結局閉鎖的な社会に陥ってしまうからです。

確かに「自給自足」という理想は重要なものです。しかしその理想を真に生かすためには孤立化を避けねばなりません。以前の便りにも書きましたが、自立は決して孤立ではなく、自立と連帯は表裏一体のものであるべきだからです。勿論、ここで言う連帯は「割り算の分業」によるものではなく、「掛け算の共働」に基くものです。少なくとも私が理想とする「自給自足」社会は個々の人間の「掛け算の共働」によって実現するものに他なりません。

何れにせよ、そうしたグローバルな「自給自足」の理想実現を目指すならば、もはや我々のユートピアは農業共同体というものに限定されないでしょう。更に言えば、共同体という理念それ自体を超えていく必要があると思います。私はそうした観点から「新しき拠点」を摸索していくつもりです。