新しい皮袋 | 新・ユートピア数歩手前からの便り

新しい皮袋

「誰も真新しい布ぎれを古い着物に縫いつけはしない。もしそうすれば、新しいつぎは古い着物を引き破り、そして破れがもっとひどくなる。また誰も新しい葡萄酒を古い皮袋に入れはしない。もしそうすれば、葡萄酒は皮袋をはり裂き、そして葡萄酒も皮袋も無駄になってしまう。だから新しい葡萄酒は新しい皮袋に入れるべきである」(「マルコによる福音書」)

新しき村の現体制は古い皮袋です。そこに「真に新しきもの」は入りません。これは致命的な欠陥、すなわち新しき村の存在理由を失う欠点だと思います。

そもそも新しき村は「真に新しきもの」を入れられる新しい皮袋として生れたものの筈です。それが長い年月の末に「真に新しきもの」が入らない古い皮袋になってしまいました。だからこそ私は新しい皮袋としての使命を果すことのできる新体制を築くことの必要を訴え続けてきたわけです。

しかし、私のそうした訴えは結局受け容れられませんでした。それは古い皮袋としての現体制を本気で変革しようとする村人が殆どいないということに他なりません。何故そんなにも古い皮袋にしがみついているのか。私にはよく理解できませんが、やはりそこにはそれなりの安定があるからでしょう。しかし、それは偽りの安定です。前途のない安定です。

何れにせよ、もはや古い皮袋としての新しき村に固執する意味はありません。今後は新しい皮袋を実現することに集中したいと思っています。