自他共生 | 新・ユートピア数歩手前からの便り

自他共生

新しき村の理念の一つに自他共生がありますが、その本質は祝祭にあると私は考えています。一般的に自他共生と言うと、何か他者を生かす、もしくは他者のために奉仕するといった倫理的なもののように理解されがちですが、それは明らかに誤解です。

自他共生は「他者のために生きること」が目的ではありません。共生である以上、それは当然のことと思われるかもしれませんが、真の共生は自己と他者を平均的(もしくは平等)に生かすことではないのです。むしろ、その目的はあくまでも「自己を生かす」ことにあると言うべきでしょう。

勿論、自己だけを生かそうとするエゴイズムでは自己を真に生かすことはできません。「世界全体が幸福にならなければ個人の幸福もあり得ない」という宮澤賢治の言葉のように、他者を含む世界全体が生きなければ自己もまた生きることはないでしょう。すなわち自己を真に生かすことにおいて、他者を生かすことは必要条件になるということです。そして自己が生き、他者も生きるという理想は祝祭においてこそ実現するでしょう。そこでは自己と他者が一つの全体を形成しますが、さりとてその全体において自己と他者の区別がなくなってしまうわけではありません。祝祭は自己と他者が共にその生を輝かせる饗宴なのです。