1988年ごろから販売されたとされるケンウッドのプリメインアンプKA-5010。当時49,800円(カタログに記載)の低価格ハイコストパフォーマンスアンプです。
去年あたりジャンクで入手してボリューム・スイッチなど各パーツの分解清掃、平滑コンデンサ以外の電解コンデンサの交換、その後DC漏れで初段回路のトランジスタ数個交換しました。
シンプルな回路を追求したアンプですが420VAという、このクラスでは意味が分からなくて笑いすら出てしまいそうにならんでもないくらい大型の電源トランスを搭載していることで有名です(自分にとっては爆)。ちなみに平滑コンデンサは10,000μF×2
電源トランスは左側にあって、本体を持ち上げるとやはり左側が重い
本体12㎏の半分くらいは電源トランスの重さだと思ふ。
で、今回はこのスイッチ!
BASS INTENSIFIER(バス・インテンシファイアー)。直訳すると低音増強装置(グーグル翻訳調べ)
どういうスイッチかというと、20Hzを9㏈、100Hzが3㏈持ち上がるという、いわゆるズンズンスイッチなのです
ただ、よくあるラウドネスとは違い、高音域は持ち上げません。あくまで低音域、それも低い帯域を増強することができるのです。だから低音増強装置なのか。
増幅量はボリュームの位置で可変するようです。
増強するのがかなり低い帯域なので小型のスピーカーだとこの機能の効果はわかりにくいかもしれません。30cmくらいの大きさのウーファーだとよくわかります。
ソースダイレクトON/OFFにかかわらず動作するので音量小さ目でのBGM時に効果的ですね。
ちなみにとなりのサブソニックフィルターはソースダイレクトON時は動作しません。
このKA-5010、なんら特徴のないニュートラルな音色(むしろ冷たい系?)ですが、ボリュームを上げていくと低い帯域から「ズン!」と力が湧き上がってきます。
内部は至ってシンプル。これで重さが12㎏もあるんだよな~。鉄の塊かよ!
パワーアンプはディスクリート構成でファイナル段はサンケンの2SC2921と2SA1215が使用されています。ディスクリート構成にしたのはスピーカーのローインピーダンス時でのドライブ能力を改善するためとのこと。
カタログには
『スピーカーのインピーダンスは入力信号周波数によってつねに変動してるから、定格インピーダンスが6Ωのスピーカーでも、アンプに4Ωとか2Ωのローインピーダンスのドライブ能力がないと実力を十分に発揮できないぉ。だから2Ω負荷でも240W+240Wのダイナミックパワーを発揮できるようにしたぉ』
ってな感じで書いてありました。(自分の脳内変換がバグってる節あり)
そういえば1980年代にTRiO/KENWOODが採用していたDLD(Dynamic Linear Drive)サーキットやΣドライブはこのKA-5010/KA-7010/DA-9010からは採用されなくなりましたね。
オーディオの足跡というサイトのKA-5010のページから引用
音楽再生という大前提を踏まえてアンプはどうあるべきかの原点に帰り、コンストラクション、回路、特性などのファンダメンタルな側面から、発送を新たにして開発されたプリメインアンプ。
とあります。
※発送×
発想〇
つまり『オーディオメーカーが普通のアンプを本気で作ったらこうなった!』みたいな?
これはこれで貴重な気がしますね
80年代はヤバいくらいの物量を投入してきたわけですが、79,800円アンプのKA-990シリーズの音を聞いてみたい
と思いましたがKA-5010の上の更に上の機種であるDAC搭載のDA-9010が…欲し……い
でわでわ(^^)/