【作業の目的】
・ユニットバスの床下には、家の断熱気密上で、最大の欠陥とも言える”大穴”が潜んでいる場合があります。
・これはまさに、気づかないうちに、ダウンジャケットをチャック全開にしているようなもの。
冬場に風呂場全体が冷えてツラいと感じるお宅では、まずここを疑ってみてください。
・床断熱で1階に浴室がある場合、ユニットバスは1階の床上ではなく、基礎上に直接建てられる形になります。
・そうなると、このお風呂部分で床の断熱気密の層が切られ、1坪ないしの穴が開いているような状態となります。
・床断熱の場合、床下には外気がなだれ込みますので、そのままだと外気は壁内に流れていき、冬場で言うとユニットバス周りだけでなく、家中の壁の内側に常時冷たい空気が流れているような状態になってしまいます。
【作業の概要】
・そうならないために、ユニットバス周りのみを基礎断熱として周囲から外気が入り込まないように遮断するか、そうでなければ、バスユニットとその周囲の壁とのスキマをしっかり埋めてあげるかする必要があります。
● 浴室床下が基礎断熱となっている場合
この場合大筋OKなのですが、以下の施工漏れも多いようですので注意が必要です。
・ 浴室部分の基礎のパッキンが気密パッキン(通風穴の開いていないタイプ)になっていないで通風している。
・ 人通口(バス下を点検するための出入り口)にフタがされておらず、外気がツウツウになっている。
・ 水道などの配管を通す穴が基礎を貫通している場合、配管と穴の内周のスキマが埋められていない。
こうなっている場合には、それぞれの穴を塞ぐ作業をせねばなりません。
● 浴室床下を床断熱とする場合
・ユニットバスの床に断熱性がある場合、浴室全体を床断熱とする場合がありますが、その際の施工方法は、バスユニットとその周囲の壁部分に生じるスキマ部分を気密テープなどで塞ぐことが多いようです。
・問題はこのスキマが数センチから10センチ以上とかなりの幅となっている場合が多いこと。
・そういった状況の場合、まずは袋入りグラスウールの防湿気密面を床下側にして、スキマに詰め込んだ上で、更に気密テープや発泡ウレタンで細かいところを塞いでいくのが良いのではないかと考えました。
【作業の効果】
・非常に大きいです。
ただ、長期優良住宅でなければ、この箇所の施工が甘くても明確な施工不良という風にはならないのかなと。。
・冷気のみならず、湿度の多い外気も壁内に流れることになってしまいますので、いずれにしても何らかの対策はした方が良いと思います。
【用意するもの】
① つなぎなどの作業着(頭はタオルなど)
② ゴーグル
③ マスク
④ ゴム手袋
⑤ ヘッドライト
⑥ グラスウール
⑦ 気密テープ
⑧ 発泡ウレタン
【ポイント、雑感】
・ 我が家では、バスユニットと壁のスキマを気密テープで塞ぐ施工となっていましたが、テープ処理のみでは断熱上の欠損を起こしていたようで、冬場は浴室の壁の温度が下がりぎみでした(室内側との温度差を考えると、冬場はテープ部分が結露もしていたかも?)。
・ 一度テープを剥がして、グラスウールを二つ折りにして詰め込んでみたところ、壁の冷えもかなり解消され、バスタブの湯の温度もずっと下がりにくくなりました。
・ スキマ埋めを発泡ウレタンの吹付け等で対応しようとすると、幅広のスキマに床下側から吹付けた場合には、ウレタンが膨張して硬化するまでの間にほとんどが下に垂れ落ちてしまいます。
・下方向から発泡ウレタンが施工できるのは、周囲に垂直の壁があって、その幅がせいぜい数センチくらいまでの場合と思ってください。