切り株ハウス            幻の登山道顛末 | 黄昏黒猫屋敷ー布人形とイラストの小部屋

黄昏黒猫屋敷ー布人形とイラストの小部屋

世間からかなりずれている管理人、黄昏黒猫堂こと黒猫が自作人形やイラストを発表しつつ、ニート、ひきこもりなど生きずらさを考える。(画像一覧で作品を見ていただけるとうれしいです。)

 

夜の森の中に行ってごらん 

大きな大きな切り株ハウスが現れて

精霊物の怪たちが集っているから

 

(画像と本文は直接の関係はありません)

 

 前に筑波山麓の六所皇大神宮跡地から白滝道を登って白滝神社(標高300m)を訪ねたが、白滝道はさらに続き、筑波山の肩、ロープーウェイの駅があるつつじヶ丘まで続いているという。9月18日(土)、その先の道をたどってつつじが丘(標高530m)まで登ってみることにした。ただ、登山道として認知されている道ではないので、はたしてつつじヶ丘まで行けるのかは、とにかく行ってみなければわからない。当日の天気予報は雨、前日は晴れだったが、晴れの日は家族との車でのドライブに使うので、僕の自由になるのは天候不安定の日だ。バイクツーリングでは結構雨に降られたな。今回は白滝道が横切るキャンプ場に排気量110ccのスーパーカブ110プロを停め、そこから白滝道にはいった。バイクツーリングに山歩きを盛り込むライド&ハイクがすっかり身についてしまった。

 前にも歩いた沢沿いの小径。まだ雨は降ってなく、明るい曇天、水の音が心地いい。

 いったん林道に出て、白滝神社のある隣の沢の小径に。筑波山とそれに連なる山々は葉脈のように沢が流れる。水と緑の豊かな山々だ。

 やがて傾斜のある岩盤のうえに鎮座する白滝神社に。岩盤が雨に濡れたら、迂回して社の裏に回り込むつもりだったが、まだ雨が降っていなかったので、岩盤を登って参拝。

 社の裏側には踏み跡の明瞭な山道が。思いの外しっかりした道なので、とりあえず安心。

 やがて開けた場所に出る。バイクの排気音が遠くから聞こえた。道路が近い。資料にある観光道路を突っ切る道を探すも、藪にはばまれ、どこを探しても道らしきものはない。もうひとつの資料は、この広場近くの林道の終点からいったん観光道路に出て、道路脇から山道に入っている。迂回するしかないか。地図と方位磁石を確認して、広場の端のぬかるみを慎重に歩いて、林道の終点に。

 観光道路にはすぐに出た。この道をたどればつつじが丘に出るのだが、かなりの距離で、この道を歩くのは現実的ではない。問題は斜面を登る道を見つけられるかだ。

 道なんかあるのだろうかと歩いていたら、あった。はっきりとした山道。錆びついてボロボロだが鉄の板も敷いてある。だが、安心はできない。ただの作業用の道で、すぐに行き止まり。その先は藪ということもある。

 やがて急斜面となり、登れば登るほどに道は不明瞭になるが、さいわい下草が薄いので、道がなくても歩いていける。地図と方位磁石からすると、ややつつじが丘から離れていくようだが、もうすぐ筑波山神社とつつじが丘を結ぶハイキングコースに出ることは確かなので、最悪藪にはばまれたら強行突破だ。そしてついに雨が降ってきた。

 やがて筑波山神社とつつじが丘を結ぶ迎場コースと呼ばれるハイキングコースに出た。ここでレインスーツを着る。写真に奇妙な光が映り込んでいる。肉眼では見えなかった。雨という条件の中での光学現象かもしれないが、よくわからない。不思議だ。つつじが丘まではさして離れていないはずなので、ハイキングコースを登っていく。

 5分ほどでつつじが丘に着いた。バイクを停めた場所が標高190mでここが標高530mなので、標高差340mを登ったことになる。それにしても右往左往させられた。つつじが丘から上の筑波山は雨雲に覆われている。こんな天気で、客も少ないが、ロープーウェイは動いていた。結局、白滝道はどこだったのだろう。地図と磁石で確認した限り、途中から僕は当初想定していない道を歩いたようだ。まあ、ハイキングコースとみなされていない道をたどったのだから、つつじが丘に着けたことでよしとしよう。

 小雨模様のつつじが丘で昼食のパンをかじって休憩してから、筑波山神社を目指して迎場コースを下る。迎場コースは往復2時間が標準タイムで休憩やら何やらいれて3時間というコースだが、僕の足なら30分で下れるだろうから、当初から筑波山神社に詣でるつもりでいた。雨の中、数人のハイカーとすれちがった。なかには若いカップルもいた。もともと人が多くないらしいこの道。穏やかな雨の中の静寂は心を静かにしてくれる。

 迎場コースの下りの標準タイムは50分だが、小雨の中でも30分で下れた。下りだけならトレイルランニングもできそうだ。立派な構えの筑波山神社。このところ小さな社殿や祠のような社を巡っていたので、なんとも豪壮に感じる。実際大きな神社だ。神社の前はホテルや旅館、土産物屋が立ち並ぶ門前町だが、参拝を終えると、門前町に隣接した集落の道に向かう。どうも賑やかなところは苦手なもので。

 山腹集落の道は、静かな佇まいで、ここが観光地だということを感じさせない。道端のあちこちで彼岸花が咲いていた。雨の中の彼岸花、朱の色がとても鮮やかだ。集落の路を抜けると観光道路に出、すぐに林道に入ってキャンプ場の駐車場まで道路を歩く。日盛りならうんざりさせられるだろうが、小雨の中はかえって心地いい。ある詩人の詩を思い出した。

 

<雨の日の誘導円木 びしょびしょ濡れて ただ光って 動くは低い雲ばかり>

 

 誰の詩かは忘れたが、雨は風景をふだんと違った姿に彩る。もっともこんな余裕でいられたのもこの時までで、バイクで旧参道を下り、国道に出たところで、いきなりの土砂降りになった。家までずっと土砂降りで、道は水の膜が張ったようで、車はさかんに水しぶきを上げていたけれども、スーパーカブ110プロのタイヤはしっかり路面を掴んでくれて、走りに危なげがなく、本当に頼りになる奴だ。というより、このタイヤを選んでつけてくれたバイク屋のおやっさんのおかげか。

 

 

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