命の電話がつながらない | 黄昏黒猫屋敷ー布人形とイラストの小部屋

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世間からかなりずれている管理人、黄昏黒猫堂こと黒猫が自作人形やイラストを発表しつつ、ニート、ひきこもりなど生きずらさを考える。(画像一覧で作品を見ていただけるとうれしいです。)

 命の電話ってありますね。死にたくなった人たちがかける電話。僕もかけたことがあります。死にたい気持ちがどうしようもなく強くなって、藁にもすがる思いでかけました。

 よく、「小さな子供がいるのに自殺するなんて。」、と言われたりしますが、うつ病や双極性障害の人の「死にたい気持ち」って、脳が作り出す情動で、それに飲み込まれると、もうどうにもならないんですね。一般的な道理で諭してもどうにもなりません。そんなどうにもならない状態で、命の電話に望みを託しましたが、無情にも何度かけても話し中。いったいどれくらいかけ直したことだろう。それでもつながらない。もう疲れ果てました。いったいどれくらい死にたい人がいるんだ。僕は絶望しました。何かプッツリと糸が切れたような感じがして、僕は廃人のようになりました。

 皮肉なことですが、廃人になることで僕は死を免れました。糸の切れたマリオネットでは死ぬことすらできません。落ちるところまで落ちると、死ぬこともできないのだと、ぼんやり思いました。あるいは僕の生存本能がそうさせたのかもしれません。ただ、これはあくまでも僕個人の体験で、他の患者さんにあてはまるものではありません。人の心とは、そう単純なセオリーにあてはまるものではないでしょう。

 それから僕は次第に回復していき、今は過去のこととして、この記事を書いています。現にうつ病を患っている人が書く、あの胸が痛くなるような感じは出せません。ですが、生きづらさのただ中にいる人たちから目をそらせません。

 かつてうつ病で苦しんだ人に命の電話のことを話すと、「ああ、あのつながらない電話ね。」、と言いました。

 

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