第21章
(1)
「はなみちゃん…」
僕たちは商店街の真ん中で、
通りを塞ぐようにして二人立っていた。
はなみは、息があがっている。
ここまで、全速力で走ってきた。
そんな感じだった。
「ヤマトさんが…ここに行けって。
理由は分からないけど、とにかくここへ行けって。
でも、気がついたら…
天野くんに向かって叫んでた。
なんでこんなことしてるのか…自分でも分からない」
暴走した、ということなんだろうか。
しかし今は意識がはっきりしているようだ。
「駄目だ、はなみちゃん。
今…次々と闇の化身が生まれている。
それを放っておいたら…
罪のない、たくさんの人が殺されることになる。
僕は…頭から電気スタンドのはえた、アマテラスの使者だ。
止めないと…闇の化身を、止めないといけないんだ」
「そんな…みんな、普通の人間でしょう。
殺すなんて、おかしい。
そんな風に考えるの、天野くんらしくないよ」
「普通の人間じゃない。
今の今まで…僕だって信じたかったけれど…
はなみちゃん。
君だって……
闇の化身なんだ。
残念だけど…
それが事実みたいだ。
これはもう、僕たちだけの問題じゃない。
どんどんと、世界が巻き込まれていく。
僕たちは、終わらせないといけないんだ。
この戦いを、僕たちで終わらせないといけないんだ」
その時だ。
はなみが急に膝を折って座り込んだ。
「ククク…クククク」
笑い声が響いた。
はなみの中の、闇の化身が目覚めた。
僕はそう思った。
「クククク…ハハハハ!」
はなみが高らかに笑った。
「キミ。
しばらく見ないうちに随分と物分りがよくなったね。
でも…逆に真実を見失っているみたいだよ」
「もう一人のはなみ」だった。



