第21章






(1)






「はなみちゃん…」




僕たちは商店街の真ん中で、


通りを塞ぐようにして二人立っていた。




はなみは、息があがっている。


ここまで、全速力で走ってきた。


そんな感じだった。




「ヤマトさんが…ここに行けって。


 理由は分からないけど、とにかくここへ行けって。


 でも、気がついたら…


 天野くんに向かって叫んでた。


 なんでこんなことしてるのか…自分でも分からない」




暴走した、ということなんだろうか。


しかし今は意識がはっきりしているようだ。




「駄目だ、はなみちゃん。


 今…次々と闇の化身が生まれている。


 それを放っておいたら…


 罪のない、たくさんの人が殺されることになる。


 僕は…頭から電気スタンドのはえた、アマテラスの使者だ。


 止めないと…闇の化身を、止めないといけないんだ」




「そんな…みんな、普通の人間でしょう。


 殺すなんて、おかしい。


 そんな風に考えるの、天野くんらしくないよ」




「普通の人間じゃない。


 今の今まで…僕だって信じたかったけれど…


 はなみちゃん。


 君だって……


 闇の化身なんだ。


 残念だけど…


 それが事実みたいだ。


 これはもう、僕たちだけの問題じゃない。


 どんどんと、世界が巻き込まれていく。


 僕たちは、終わらせないといけないんだ。


 この戦いを、僕たちで終わらせないといけないんだ」




その時だ。


はなみが急に膝を折って座り込んだ。




「ククク…クククク」




笑い声が響いた。


はなみの中の、闇の化身が目覚めた。


僕はそう思った。




「クククク…ハハハハ!」




はなみが高らかに笑った。




「キミ。


 しばらく見ないうちに随分と物分りがよくなったね。


 でも…逆に真実を見失っているみたいだよ」




「もう一人のはなみ」だった。





(つづく)

(20秒で分かる!第16~20章までのあらすじ)






全国電気スタンド組合について探るため、


ハルキは山本ヤマトの家を訪ねる。




そこで出会ったのは、「組合」の指導者・山本ヤエモンだった。




更にそこに最強の闇の化身・ウタマロが姿を現す。


自らを「竜の一族」と名乗るウタマロは、


電気スタンドこそが悪であり、滅びるべき存在であると主張する。




混乱するハルキに、更に追い討ちをかけるように突きつけられる秘密。



あたまテラス ものがたり-18-1


ヤエモンの予言によれば、


ハルキは世界に「戦いの終わり」をもたらす存在であり、


その最後の戦いの相手こそがはなみであるという。




そしてあっという間に、予言された「その日」がやってきた。



あたまテラス ものがたり-19-1


「自らの周りに闇の化身が溢れる」という予言のもと、


ハルキの父や妹までもが闇の化身として覚醒する。




もはや、平和的な解決は望めないのか。


闇の化身と戦う決意をしたハルキの前に、ついにはなみが駆けつけた。


対峙する二人。



あたまテラス ものがたり-201  あたまテラス ものがたり-202




果たして、二人を待つ運命とは?




ばら撒いた謎と伏線は、回収されるのか?




何がどこまで本気か分からない謎のテンションで、


物語はついに最終局面へ!





・さっそく、続きを読む


・あらすじ1を読む


・あらすじ2を読む


・あらすじ3を読む


・そうでもない

(7)






僕の電気スタンド。


今、この光は


「アマテラスの使い」として


どれくらいの能力を持つのだろう。




闇の化身の存在を消す。


そんな力があるのか。


分からない。


しかし、この力を使わなくてはならない。


そうしなければ、家族すら守れない。




「大切なものを守るために生きている」


ひかるはそう言った。


僕にも、守りたいものがある。


今、その為にこの力を使う。


心からそれを願う。


この光が、世界を照らすことを。


闇の化身を消し去ることを。


心から願う。




僕の頭の光が輝きを増す。


目の前で鈴木さんが苦しみ始めるのが分かった。




「う、ううう……


 こ、この光は…


 この光は……!!」




鈴木さんが苦しそうにもがく。


マサキから手が離れた。




「が…がはっ


 これは…い…いったい…」




体を地に伏せる。


そして僕の方を見る。


目と目が合う。


僕に対して、許しを請うような表情を浮かべる。


しかし僕は光を弱めない。


冷たい視線を返す。




「心の安全バーのようなものを取り外す」のだ、と言った


みずきの言葉を思い出した。




はなみは無意識に、自分の力を制御するバーを取り外すことができる。


今、僕に必要なものがあるとすれば、それだ。


自分の力を制御から解き放つことだ。


心を解き放つことだ。




僕は…


僕は、アマテラスの使いなのだ。




解き放て。




解き放て。




…ときはなて。




更に、光が強さを増す。






「だっめえええええええええええええええええええ!」






突然大きな声がした。


僕は我に返った。


光が弱まる。


僕は声の主を見る。




目に映ったのは…一人の少女。


酒槻はなみ。







あけぼの商店街の片隅、


ついさっきまでひまわり電器店があった場所。






僕らはお互いを見つめあい、立ち尽くした。





あたまテラス ものがたり-201

                あたまテラス ものがたり-202






(つづく)






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