『テルマ&ルイーズ』:女性二人の逃亡劇、ロードムービーの原型? | amataの崖っぷち脚本道

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40過ぎで取り柄も仕事もない女の人生最後の挑戦。

こんにちはおねがいamataです。

 

名作中の名作、『テルマ&ルイーズ』を観ました!

さすが、評判通りの素晴らしい作品でしたね。

感想、行ってみましょう!

 

『テルマ&ルイーズ』

監督:リドリー・スコット

キャスト:

ルイーズ:スーザン・サランドロン

テルマ:ジーナ・デイビス

ダリル:テルマの夫

ジミー:ルイーズの恋人

JD:ブラッドピット、ヒッチハイカー

 

 

〜〜 ネタバレあります 〜〜

 

 

①テルマとルイーズのキャラクターの素晴らしさ

テルマとルイーズのキャラクターの表現方法がうまい!

これは脚本的に大変参考になります。

特に、冒頭の旅行を準備するときのカットバック。

テルマはスーツケースにボンボンと下着やら服を投げ込みます。

一方、ルイーズはきちんと畳んで靴なんかは袋に入れて整理整頓しています。

そして、家を出る前にきちんと洗面所を掃除し、コップを磨き上げます。

このシーンだけでも、テルマとルイーズの性格の違いを見事に表現しています。

また、夫のダリルがどんなに最悪な人間かということが、彼の行動で細かく表現されていて、うまいなあ、と感心してしまうのです爆  笑

 

②構成のわかりやすさ

これもまたシナリオ的な話になってしまいますが、プロットポイントやミッドポイントが大変わかりやすい。

プロットポイント1は、ルイーズがテルマを暴行しようとしたハーランを銃殺したところ。

ここから、二人の逃亡劇、ロードムービーがはじまります。

そして、ミッドポイントは、一夜を共にしたJDから、メキシコに逃亡するための全財産を盗まれるところ。

はい、ここでテルマとルイーズのキャラクターが逆転するんですよね。

今まではルイーズがテルマを引っ張ってきましたが、ここからはテルマが大胆な行動でルイーズを引っ張っていきます。

そして、このミッドポイントが決定的となり、後戻りができない状況になっていくのですね。

この、人間の変化がうまい。

そして、最後のプロットポイント2、ここはもう警察に追われて後戻りできなくなっている状況ですね。

逃げ切れたかと思いきや、やはり逃げることはできず、ヘリで囲まれてしまいます。

そして、衝撃のラストシーンとなるわけですが、、

 

③この映画のテーマとは

やはり、女性の生きづらさ、悲しさ、そして強さ、絆を表現していたと思います。

ルイーズが発砲するのも、過去にレイプされた過去が引き金となっていますし、テルマがハメを外してしまうのも、牢獄のような夫との生活から逃げ出すためです。

そして、ブラッドピット扮する信じた若者からも裏切られてしまいます。

彼女たちを理解するのは、唯一、彼女たちを追う刑事のハルだけです。

最後は悲しい結末にはなりますが、テルマにとっては、この逃亡した数日間だけが自由に生きている実感を感じられた日々だったのは言うまでもありません。

だからこそ、ラストシーンの割にはこの映画には悲壮感が感じられません。むしろ清々しささえ感じることができる、名作になったのでしょう。

 

またアメリカという広大な砂漠はロードムービーとして絵になるよねえ。

『ヒッチャー』でも同じことを思いましたが。

日本でロードムービーもの、逃亡劇ものを書くとすれば、どのようにしようかと考えてしまいました。

 

 

この映画、絶対見るべし!!

おすすめです。