『新聞記者』:政治を「どこまで描けるか | amataの崖っぷち脚本道

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40過ぎで取り柄も仕事もない女の人生最後の挑戦。

昨年の日本アカデミー賞、最優秀作品賞を受賞した「新聞記者」。

DVDで鑑賞しました。

 

できるだけネタバレしないよう、感想を書いてみたいと思います。

 

1.現代の政治に深く切り込んだテーマ

もちろんフィクションなので登場人物は全て架空の人物ばかりなのですが、実際に起こった事件とあまりにも酷似しているので、どうしてもちらついてくるあの顔、この顔ガーン

ここまでリアルな事件を取り上げるのも珍しいです。

映画の設定としては「ペンタゴン・ペーパーズ」によく似ていましたね。

こういう硬派な日本映画が見られたのは嬉しく思いました。

最近はコメディかラブストーリーが多いですからね。

コメディ、好きなんですけどね。どちらかと言うと、ウィットの効いたコメディが好きなもので。

 

2.主演女優、シム・ウンギョンの素晴らしさ

主演、彼女で本当によかったと思います爆  笑

日本の女優さんの芝居とはまた違う、抑えた芝居が素晴らしかった。

わざとらしさがないんですよね。うまいと思いました。

役のキャラクターにすんなり入っていけたと思います。

これは、キャスティングの勝ちですね!

 

3.最後のどんでん返し

これを書いてしまうと完全なネタバレになってしまうので詳しくは書けませんが、

最後の松坂桃李さんが声にならない声で発した言葉が、何を言っていたのか?

がやはり話題になったそうです。

この、何を言ったか、でこの映画のラストが180度変わってしまうんですよね。

 

 

『半沢直樹』を見慣れてしまったこちらとしては、途中のハラハラドキドキのシーンも既視感がありました。

ストーリーの構成や登場人物のエピソードも普通でしたし、見所、という見所は特にないと思いました。

やはり、この映画がアカデミー賞に選ばれた理由は、『挑戦』したことやと思います。

コメディ、ラブストーリー、ヤクザ、ファンタジーに食傷気味だった脳みそに、ごりごりと粗塩を擦り込まれた感じでしょうか。

そういう意味では、このジャンルの日本映画は新鮮でしたね!

ただ、現実を彷彿とさせる事件が扱われていたにも関わらず、フィクション感が拭えなかったのは残念でえー

そこが、『ペンタゴン・ペーパーズ』と違うところでした。

2人の主人公の葛藤も、もう少し描いてよかったと思います。

『ペンタゴン・ペーパーズ』は、新聞社の社主の葛藤がこれでもかと描かれていましたのでビックリマーク

もっと別の題材の事件で、「リアリティのあるフィクション」として政治腐敗、メディアの役割、葛藤などを伝えて欲しかったな、と思いましたニコニコ