パリでのオリンピックもそろそろ中盤に入ってきた。

開会式では賛否両論あったようだが、何事にも一癖あるフランスらしい開会式だったので私はそれはそれで良かったように思う。

昔はそれこそフランス映画がハリウッド映画と競うように溢れ、良いも悪いもフランス文化にどっぷりと浸かっていたい私のような日本人がいた。

クルマもそうだが、時に奇をてらうフランスのデザイン優先、美優先の弊害がある文化かも知れないが、それがまたフランスらしいと私のような人間は訳もなくただ素直に受け入れるのだが、最近はどうも今まで通じたフランスマジックも今ではもう通じないようだ。

私にはそれでもとても面白い開会式に思えたのだが、一部の人達にはダメ出しをくらっていたようだ。

ヨーロッパどころか、世界の文化の中心を自負するフランスにとってこれは辛い。

「お前達の文化はもう古い。時代遅れだ」と言われているに等しい。

かといって前回、2021年に行なわれた東京オリンピックの開会式に何か一つでも見るべきモノがあったかといえば、残念ながらなかった。

あの時、日本は遠慮せずにもっと開会式で日本独自のモノを出すべきだった。

中国でもアメリカでも恥ずかしげもなく自分の国が一番だと大がかりなショーを繰り広げる。

でも日本はなぜか謙虚な開会式にした。

我々日本人が大きなお金をかけて開催したオリンピックだ。

少しぐらいこれが日本だと威張るぐらいの開会式をやっても良かったと思う。

だが何とも中途半端なモノになってしまった。

また、それ以前に新国立競技場の設計変更や東京オリンピックのロゴ問題もあったし、その後の電通オリンピック問題や、コロナでの無観客試合で東京オリンピックは精彩を欠いてしまった。

せっかくのオリンピックだったのに私達国民もオリンピックを悪者にしてしまった。

勿体ないことだった。

確かにIOCやJOC、それらに関連する取り巻きの議員に、出入りの業者は悪かっただろう。

でもオリンピックに出ている選手やその選手を応援する人達、またオリンピック開催を真面目に誘致した人達や、その後の開催関わった人達も多くいるはずだ。

すべての人達が営利目的で悪いことをしているわけではない。

だが日本の一部のマスコミはオリンピックを悪者の代表みたいに批判キャンペーンを張りつづけた。

それにより日本人の我々は「オリンピックなんか別にしなくてもいいよ!関係ない」的な気分に知らないうちになっていった。

本当にそれで良かったのだろうか?

 

第一回近代オリンピックは1896年にアテネで行なわれている。

下の図はアテネオリンピックに参加した各国のメダル数である。

 

 

日本が初めてオリンピックに参加したのは1912年のストックホルム大会だった。

因みにこのストックホルム大会まで、金メダルは純金製だったらしい。

クーベルタン男爵と嘉納治五郎氏によって日本がオリンピックに出る機会を与えられた大会だった。

これはNHKの大河ドラマで、金栗四三氏と川島弥彦氏がストックホルム大会にマラソンに出る過程をほぼ1年にわたり放映していた。

 

日本人初のメダルは1920年のベルギー、アントワープ大会だった。

男子テニスシングルで、熊谷一弥選手が銀メダル、ダブルスでも熊谷一弥氏と柏尾誠一郎氏がペアを組み、同じく銀メダルを授与されている。

 

女子選手初のメダルは1926年のアムステダム大会で、人見絹枝選手が800メートル走で銀メダルを授与された。

この大会では陸上男子も三段跳びの熊谷幹雄選手と、平泳ぎ男子200メートルの鶴田義行選手がそれどれ金メダルを授与されている。

 

ベルリンオリンピックは1936年8月1日~8月16日まで開かれた。

1932年に国会選挙後に首相に任命されたヒトラーは、当初オリンピックを「ユダヤ人の祭典」であるとしてベルリン開催に難色を示していた。

反ユダヤ、反フリーメイソンのヒトラーにとって、オリンピックは「ユダヤとフリーメイソンの発明」という認識だったらしい。

ヒトラーはオリンピックが嫌いだった。

それが一転してオリンピック開催に舵を切る。

ヒトラーはオリンピックの祭典を「アーリア民族の優秀性を世界に見せつける場所にしようと考えた」のだった。

そのためアメリカやイギリス国内から出ていたベルリンでのオリンピック開催反対運動やボイコット運動を鎮めるため、ヒトラーはユダヤ人に対する迫害や有色人種に対する差別的な発言を控えることにした。

それによりボイコットの要望が根強かったイギリスやアメリカからの参加だが、何とかこぎつけることができた。

下の図はベルリンオリンピックに参加した国と各国のメダル数である。

 

 

 

 

第二次世界大戦はベルリンオリンピックの約3年後の、1939年9月に勃発する。

 

聖火リレーはベルリン大会から始まった。

これらの行為をプロパガンダと捉えることもできるが、祭りとはそういったモノである。

日本の祭りも、どこぞから祭神を持ってきて謂われ因縁があるように行なっているが、ほとんどはインチキに近い祭りばかりである。

実際祭りの祭神である神社のある場所は、もともとが別の神が祀られていた祠だった場所がほとんどだ。

それも何のどの様な神なのかさっぱり分からないのが実情だ。

これは嘘ではない。

少し調べれば分かる事である。

でもインチキの祭りでも長年続いていくとそれが本物になっていく。

祭りとはそういったモノだ。

プロパガンダといわれてもそれでいいのだ。

それを色々な理由をつけて悪く言うマスコミはプロパガンダの権化なのだが、マスコミの人たちはその認識がないのはなぜだろう?

自分らがインチキ詐欺師という認識もないまま仕事をしているから、今もろくな仕事もできないのだろうか?

とにかく聖火リレーはベルリンオリンピックから行なわれることになった。

ギリシャのオリンピアで聖火を採り、松明で開会式場まで運ぶのである。

かなりドラマチックな演出だ。

これぐらいの演出がなければ大きな大会は続かない。

聖火リレーは必要不可欠な行事である。

 

来年は大阪万博だ。

またマスコミは東京オリンピックを潰したように大阪万博も潰しにくるのだろう。

私達にすれば一生に一度有るか無いかの大きなお祭りだ。

それを楽しまないでどうする。

でもなぜかそのお祭りを日本で行うとマスコミの人たちは面白くないように見える。

不思議なことにマスコミ連中はパリオリンピックでは大はしゃぎをしている。

なぜか朝日や毎日の人たちはおフランス好きだ。

それもパリが大好きだ?

東京オリンピックをこの前一生懸命潰しにかかっていたのに、今度はパリオリンピックを大絶賛している。

とても気味が悪い。

前から分っていたが何と節操のない人達なのだろうと思うしかない。

 

最後にパリオリンピックのロゴは素敵だ。

聖火とマリアンヌのダブルイメージのロゴが際立っている。

 

 

マリアンヌは歴史上実在する人物ではないそうで、フランス共和国を象徴するイメージで自由の女神だそうだ。

フランスではその時代の顔とも言える美しい著名人が「マリアンヌ」のモデルに選ばれている。

現在のモデルは、2012年に選ばれた女優のソフィーマルソーさんだった。

 

 

まさかあの懐かしいソフィーマルソーさんの💋がオリンピックのロゴに入れられているとは思ってもいなかった。