私は、恐怖を覚えた。本物の私は誰か。私は仕事中とかでは死んでいる。恐らくあれは私ではない。私ではない何かが自分を操っている。


本当の私とは、最高の快楽を味わったときの私である。自分探しとかそういう類ではない。私を虐げるものに対して、私という存在は消えて、私以外のなにかか私の前に現れて何とかしてくれる。


不安なのは、その絶対性である。私は絶対の何かを追い求める。私に対して何かを決めつけるなにかをすべて排除して。私という存在が世界の全てであるという確信が、世界を支配するまで。だが、人間の性質として、キャラクターを定めたがる。ただ単にそういう悩みにすぎないのだろうか?というのが私の不安。もしかしたら、私は世間が定めた私のキャラクターに支配されてすべてを終わらせられはしまいかと。


私は私だ。名前など存在しない。私が世界の決定者だ。私こそ全て。すべての始まり。すべての終わり。私こそ絶対なのだ。悪魔に屈したりはしない。その決意こそが、私を私たらしめるのだろう。いや決意ではない。これこそ真実なのである。誰からも邪魔されない。無限とは私なのだ。私こそ宇宙。なんだ、簡単なことじゃないか。