九州は博多に大好きな仕事の先輩がいた。

仕事もするが、オンオフのスイッチがはっきりしていて、豪快なタイプ。

営業の人によくある典型的なタイプ。

なかなかの男前でビール好きのホークスファンといった感じだが、綺麗な女の人がいたら別のスイッチが入る。

「僕ぁねー、ワインを飲みながらジャズを聴くのが好きなんですよー。」

声のトーンも繊細。
 
いつもの豪快さは影をひそめる。

その時からその先輩を心の中で

ワインジャズと呼んでいた。

ただその先輩がワインを飲んでいるのも、

ジャズを聴いてるのも見たことがなかった。

その日も何を頼むのか楽しみに見ていたら、

脈がないと見るや否や、

「やっぱりビール!」

いつもの豪快な先輩に戻っていた。

それも考えてみたら、ワインとの出会いだったな。

ワインジャズ先輩、お元気にしておられるだろうか?

もし、博多にまた行くことがあれば、お会いしてみたいな。

「僕も今、ジャズを聴きながらワインを飲むのが好きなんですよ。」

なんてね。

また僕にお酒を教えてくれた人生の師匠の話をしようかなと思います。