むかしむかし、あるところに、
おじいさんとおばあさんが住んでいました。

おじいさんは山に芝刈りに、
おばあさんは川に洗濯に行きました。

おばあさんが川で洗濯をしていると、
川上から、銀色のリモコンがどんぶらこ、どんぶらこと流れてきました。

何のリモコンかはわかりませんでしたが、
あまりの物珍しさに、おばあさんはそのリモコンを持ち帰ることにしました。


おばあさん
「いやぁ、リモコンが流れてくるなんて、
 変わったこともあるものね。
 このリモコン、何のリモコン何でしょう。」


おばあさんは、試しに早送りボタンを押してみましたが、
特に何も起こりません。


おばあさん
「まぁ、飾りよね。
 とりあえず、晩ごはんの用意をしなくちゃね。」


おばあさんが家に帰ると、
おじいさんは既に芝刈りから帰ってきていました。


おばあさん
「あら、おじいさん。
 今日は帰りが早いのね。」

おじいさん
「そうかい?
 ワシはいつも通りだと思ったが。」

おばあさん
「それよりおじいさん。
 見てくださいこれ。
 何かのリモコン。」

おじいさん
「また、そんなガラクタ拾ってきて・・・。
 お腹が空いたから晩ごはんにしてくれないか。」

おばあさん
「何ですか。人がせっかく面白いものを拾ってきたというのに。
 これ、本当に何のリモコンでしょうね。
 取り出しボタンとか押してみましょう。」

おじいさん
「ちょっとトイレ。(トイレに向かう)」

おばあさん
「まったくリモコンに興味がないみたいね。」

おじいさん
「(トイレから戻ってくる)晩ごはんはまだかい?」

おばあさん
「はいはい。すぐに作りますよ。
 もう一度、取り出しボタンを押してみましょう。」

おじいさん
「ちょっとトイレ。(トイレに向かう)」

おばあさん
「・・・トイレが近いのね。」

おじいさん
「(トイレから戻ってくる)
 この歳になると、トイレが近くてしょうがない・・・」

おばあさん
「とりあえず、お茶を飲んでてください。
 晩ごはんを用意しますのでね。」

おじいさん
「あいよ。」

おばあさん
「一時停止ボタンとかあるわね。
 これを押すと・・・」

おじいさん
(お茶を注いだまま固まる)

おばあさん
「おじいさん。お茶、こぼれてますよ。」

おじいさん
(お茶を注いだまま固まっている)

おばあさん
「おじいさん。」

おじいさん
(お茶を注いだまま固まっている)

おばあさん
「おじいさん!」

おじいさん
(お茶を注いだまま固まっている)

おばあさん
「・・・まさか。(一時停止ボタンを押す)」

おじいさん
「熱っ!!熱っ・・・!!
 うわぁ・・・熱っ・・・。」

おばあさん
「まさか、このリモコン・・・」

おじいさん
「ばあさん。まさかと思うが、そのリモコン・・・」

おばあさん
「・・・。」

おじいさん
「・・・。」

おばあさん
「取り出しボタン。」

おじいさん
「ちょっとトイレ。(トイレに向かう)」

おばあさん
「やっぱりそうだ!!
 このリモコン、おじいさんを操作できるリモコンだ!!」

おじいさん
「(トイレから戻ってくる)ばあさん、そのリモコンを貸しなさい!!」

おばあさん
「いいもの見つけた~っ!!(逃げる)」

おじいさん
「貸しなさい、ばあさん!!
 それはばあさんが持ってちゃいけないものじゃ!!(追う)」

おばあさん
「関係ないもんね!
 これで、家庭内カーストの構図を変えてやるんじゃ!!(逃げる)」

おじいさん
「なんだよ、家庭内カーストって!!
 今までばあさんを虐げてきたことないじゃろ!!(追う)」

おばあさん
「これからはワタシの時代じゃ!(逃げる)」

おじいさん
「貸しなさい!!(追う)」

おばあさん
「いやじゃ!!(逃げる)」

おじいさん
「貸しなさい!!(追う)」

おばあさん
「いやじゃ!!
 くらえ!!コマ送り!!」

郵便局員
「こんにちはー。郵便でーす!」

おばあさん
「ほら!郵便屋さん!パス!!(リモコンを投げる)」

郵便局員
「(受け取る)うわっ!!何ですか、これ?」

おじいさん
「よ・こ・せー!!(郵便局員に迫る)」

郵便局員
「うわっっ!!何ですか、怖い!!」

おばあさん
「逃げて!!郵便屋さん、逃げて!!」

郵便局員
「えぇっ?!逃げる?!何で逃げるの?!(外に逃げる)」

おじいさん
「ま・てー!!(ゆっくりした足取りで郵便局員を追う)」

おばあさん
「何か適当に!!何か適当にリモコンのボタン押して!!」

郵便局員
「適当に?!これですか?!」

爆発音
「ちゅどーーーーーーーーん!!」

おばあさん
「・・・おじいさん?」

おじいさん
(黒焦げ姿で泣きながら部屋に入ってくる)

おばあさん
「・・・。」

おじいさん
(泣いている。)

おばあさん
「・・・。」

おじいさん
(泣いている。)

おばあさん
「・・・。」

おじいさん
「・・・やりすぎじゃろ。」

おばあさん
「やりすぎね。」

おじいさん
「なんでリモコンに自爆ボタンがあるんじゃ・・・」

おばあさん
「ワタシも知りませんでした。」

郵便局員
「あのー。」

おばあさん
「あぁ、郵便屋さん。」

郵便局員
「さっきの自爆ボタンにドクロのマーク描いておいたんで。(リモコンを渡す)」

おばあさん
「(リモコンを受け取る)あぁ、ありがとうございます。」

郵便局員
「郵便、ここに置いておきますね。
 それじゃ、失礼しまーす。(帰る)」

おじいさん
(泣いている。)

おばあさん
「まぁ、このボタンはもう押さないってことで。」

おじいさん
(泣いている)

おばあさん
「まぁ、このリモコン自体、もう使わない方がいいかもね・・・」

おじいさん
「隙ありっ!!(おばあさんからリモコンを奪おうとする)」

おばあさん
「危なっ!!(かわす)」

おじいさん
「渡せ!!そのリモコンを渡すんじゃ!!」

おばあさん
「渡してなるものですか!!
 これは先祖代々受け継ぎます!
 そして、おじいさんには渡さない!!」

おじいさん
「その頑なな姿勢なんなんだよ!!
 貸しなさい!!」

おばあさん
「いやじゃ!!(逃げる)」

おじいさん
「貸しなさい!!(追う)」

おばあさん
「いやじゃ!!(逃げる)」

おじいさん
「貸しなさい!!(追う)」

おばあさん
「くらえ!コマ送り!!」

ご近所さん
「こんにちはー。回覧板でーす。」

おばあさん
「あ、須藤さん!パス!!(リモコンを投げる)」

ご近所さん
「(受け取る)え?え?え?なんですか?!」

おじいさん
「よ・こ・せー!!」

ご近所さん
「うわうわうわうわ!!何何何何?!怖い怖い怖い怖い!!」

おばあさん
「須藤さん、そのリモコン持って逃げて!!」

ご近所さん
「逃げる?!何で?!(逃げる)」

おじいさん
「ま・てー!!」

おばあさん
「須藤さん!リモコンのドクロのボタン!!」

ご近所さん
「ドクロのボタン?!」

おばあさん
「それ急いで押して!!」

おじいさん
「押・す・なー!!」

おばあさん
「助かりたければ押して!!」

おじいさん
「押・す・なー!!」

ご近所さん
「ええぃ!!もう押してやれーーーーっ!!」

爆発音
「ちゅどーーーーーーーーん!!」

おばあさん
「須藤さん!!
 須藤さん、グッジョブ!!」


翌日も、おじいさんは山に芝刈りに、
おばあさんは川に洗濯に行きました。

その日の夜・・・


おばあさん
「あら、おじいさん。
 今日も早いのね。」

おじいさん
「ばあさんが早送りのボタンを押したからの。
 それよりもばあさん・・・」

おばあさん
「何?おじいさん。いつもより気持ち悪い笑顔を浮かべて。」

おじいさん
「(懐からリモコンを取り出す)てってれー!!」

おばあさん
「あ、リモコン!」

おじいさん
「ふふふふふ!
 今朝、芝刈りに行った山で見つけたんじゃ!
 さぁ、これで条件は五分と五分じゃ!!
 まずは昨日のお返しからさせてもらおうかの・・・。」

おばあさん
「やめて!やめておじいさん!」

おじいさん
「今更、泣きついても無駄じゃ!
 くらえ、自爆ボタンーーーーーっ!!」

爆発音
「ちゅどーーーーーーーーん!!」





おじいさん
(黒焦げで泣いている)

おばあさん
(お茶を飲んでいる)

おじいさん
(泣いている。)

おばあさん
「・・・。」

おじいさん
「・・・何で。」

おばあさん
「・・・。」

おじいさん
「・・・何でこのリモコンも、ワシを操作できるリモコンなんじゃ。」

おばあさん
「まぁまぁ。」

おじいさん
「ワシが何したっていうんじゃ。」

おばあさん
「まぁまぁ。」
 
 
 
 
 
 

【コント・セルフ・ライナーノーツ】

おじいさんを操作できるリモコンを昔話に登場させたら・・・

という発想から生まれたコント。

 

とりあえず、1月は4週連続で新作コントをお届けしました。

 

さて、そろそろお題コントもたまってきたし、回答を書かないと・・・

 

【実際にコントを演じたい方のためのメモ】

人数:4人

おばあさん

おじいさん

郵便局員

ご近所さん

 

所要時間:4分~5分
難易度:★★★★☆
備考:おじいさんを爆発させる表現をどうするか悩みどころです。

おじいさんが爆発する瞬間はおじいさんは舞台袖にいて、音響だけで表現するのも手かと。

 

※コメントをいただいた方のブログには、近日中に伺います。(だいたい土曜日か日曜日)

 

【コメントを書きたいけど、感想がない方のためのコメントテーマ】

・このコント、演じるとしたら、誰が適任?

・こんなお題でコント書いてほしい

※お題は1つのワードでお願いします。

※お題によっては、お断りすることもあります。あらかじめ、ご了承ください。

・このセリフ、いいね!(気に入ったセリフをコピペしていただければOK)


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