店員
「いらっしゃいませー。」



「ペットを飼いたいなぁと思って。」


店員
「かしこまりました。
具体的に、何がいいか、ご要望はありますでしょうか?」



「んー。」


店員
「犬とかいかがですか?」



「散歩が大変だよなぁ・・・」


店員
「では、猫とか?」



「毛の処理が大変ですよねぇ。」


店員
「では、貞子とか。」



「貞子かぁ・・・。貞子ぉ?!」


店員
「はい。貞子。」



「売ってるんですか?貞子。」


店員
「売ってますよ。」



「ペットショップに?」


店員
「はい。貞子。(指を指す)」

 

 

(店員の指さす方向にたくさんの貞子がいる。
井戸から手を出しているもの、
井戸の周りをはいつくばっているもの、
ビデオテープで遊んでいるものなど、さまざま。)

 

 


「へぇ。貞子、飼えるんだぁ。
コイツ、呪ってきたりしないですよね?」


店員
「大丈夫です。かなり、人懐っこい貞子なので、
ペットには最適ですよ。」



「家の中では飼えます?」


店員
「だいたいのお客様は家の外で飼われてますね。」


「家は?犬小屋とか?」


店員
「井戸ですね。」



「あぁ。うち、井戸ないんだよなぁ。」


店員
「大丈夫です。掘らなくても、
井戸の入り口だけ用意しておけば、
大体、井戸の中で丸まってますから。」



「なるほど。」


店員
「あとは、首輪を杭につなげばOKです。」



「へぇ。」


店員
「どうしても家の中で飼いたい場合は、
貞子用にテレビを1台買っていただいて、
その中で貞子を飼うといいですね。」



「やっぱ、テレビの中が落ち着くんですかねぇ。」


店員
「そうですね。」



「エサは?」


店員
「寿司ですね。あと、ステーキとかチーズフォンデュとか。」



「うわぁ。エンゲル係数上がりそうだなぁ。」


貞子
「♪くーるー。きっとくるー。きっとくるー。」



「・・・?
今のは?」


店員
「鳴き声ですね。」



「あぁ、こうやって鳴くのか。」


店員
「最初はみなさん、びっくりされますね。」



「・・・ん?」


店員
「どうかされました?」



「この名前のところ、貞子1って書いてある・・・」


店員
「はい。」



「こっちは貞子4、こっちは貞子6・・・。
この数字は何ですか?」


店員
「チャンネルです。」



「チャンネル?」


店員
「ほら、貞子ってテレビから出てくるじゃないですか。
どのチャンネルから出てくる貞子かで性格が変わるんです。」



「性格が。」


店員
「はい。例えば、この貞子1。
これはNHK総合からでてきた貞子です。
警戒心が強いので、知らない人にはすぐ吠えます。」



「あぁ、番貞子にはぴったりだなぁ。」


店員
「あぁ、番犬みたいに。」



「じゃあ、この貞子4は?」


店員
「日テレですね。今、一番人気です。
大晦日におしりをしばくと喜びます。」



「ドMじゃないですか。」


貞子
「ぴーかー!」



「この独特な鳴き方をしてる貞子は?」


店員
「貞子7です。テレ東ですね。
アニメ好きなんです。」



「このぐったりしてるのは?
(名札を見て)貞子8?」


店員
「フジですね。
以前は勢いがあったんですけどね。
最近はおとなしくなりました。」



「確かに、元気ないな。」


店員
「ちなみに、このフジの貞子、
最近全然人気がなくて、

ずーっとこうして、飼い主が現れるのを待ってるんです。」



「ふーん。でも、これだけ元気がないと飼う気も起きないなぁ。」

 

 

(グラグラグラグラッ!!)

 

 


「ん?地震?!」

 

貞子1
「速報です。」


貞子4
「只今、関東地方で強い揺れがありました。」


貞子8
「ここ、東京のペットショップでも強い揺れを感じています。」



「一斉に貞子たちが速報を伝えだした!」


店員
「やはり、リアルタイムで情報を伝えないと。」


貞子7
「ぴーかー!」



「テレ東はアニメやってる!!」


店員
「ブレないんです。」



「さすが、テレ東だ。」


店員
「どうなさいますか?購入されますか?」



「じゃあ、貞子1を。」


店員
「NHK総合で。かしこまりました。」


貞子1
「♪くーるー。きっとくるー。きっとくるー。」


店員
「あ、もう懐いてますね。」



「あ、これ、懐いてるんですか。」


貞子1
「♪くーるー。きっとくるー。きっとくるー。」



「・・・。」


貞子1
「♪くーるー。きっとくるー。きっとくるー。」



「・・・。」


貞子1
「♪くーるー。きっとくるー。きっとくるー。」



「その先、歌えないんだね。
よし、行くぞ、貞子。」


貞子1
「♪くーるー。きっとくるー。きっとくるー。」



「うんうん。きっとくるきっとくる。」


店員
「ありがとうございました。
(客を見送ってから貞子の入っている柵を見て)
・・・おい、フジ。」


貞子8
「・・・?」


店員
「お前、今日も飼い主、現れなかったな。」


貞子8
「・・・。」

 

店員
「ずーっと、そうやって待ってるけどさ・・・」


貞子8
「・・・。」

 

店員
「本当に、お前に飼い主は現れるのかな。」


貞子8
「♪くーるー。きっとくるー。きっとくるー。」

 

店員
「いや、来ないと思うな。」


貞子7
「ぴーかー!」

 

 

 

 

 

 


【コント・セルフ・ライナーノーツ】

ツイッターで貞子に関するつぶやきを見たときに、
なにか使えないかなぁと考えた結果、浮かんだ設定です。

 

がんばれ、フジ。

 

 

【実際にコントを演じたい方のためのメモ】

人数:5人以上

店員

貞子1

貞子7

貞子8

 

所要時間:3分~4分
難易度:★★☆☆☆
備考:貞子役はたくさんいてもいいと思います。その方がペットショップ感がでるので。
ほとんどの貞子はセリフが少ないですが・・・

 

※コメントをいただいた方のブログには、近日中に伺います。(だいたい土曜日か日曜日)

 

【コメントを書きたいけど、感想がない方のためのコメントテーマ】

・このコント、演じるとしたら、誰が適任?

・こんなお題でコント書いてほしい

・このセリフ、いいね!(気に入ったセリフをコピペしていただければOK)


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