おじいさん
「(テレビを見ている)よし、そこだ~!!
 いけ~!
 よし、いくぞ!バルス!バルス!!
 叫べ!バルス!!」


おばあさん
「ただいま。」


おじいさん
「おかえり。」


おばあさん
「なに見てるの?」


おじいさん
「天空の城ラピュタ。」


おばあさん
「・・・それ、そんな映画でしたっけ?」


おじいさん
「いいんだよ。
 これが私の楽しみ方だ。」


おばあさん
「そんなことより、
 外で空から女の子が降ってきましたよ。」


おじいさん
「何?」


おばあさん
「外でね、空から女の子が降ってきてたんですよ。」


おじいさん
「何、女の子が?
 まさにラピュタの展開じゃないか。
 ちょっと様子見てくる。(外に出る)」


おばあさん
「気を付けていってらっしゃい。」


おじいさん
(戻ってくる)


おばあさん
「どうでした?」


おじいさん
「思ったのと違った。
 空から女の子が降ってきてるっていうから、
 空中をゆっくり下降しているのかと思ったら、
 大量の女の子がドサドサドサって落ちてきてた。」


おばあさん
「ごめんなさい。言葉足らずで。」


おじいさん
「雨でいうところの土砂降りだな。」


おばあさん
「明日の孫の隼人の運動会、予定通りやりますかね。
 女の子が降ってるから中止ってならないでしょうか。」


おじいさん
「ちょっとテレビで天気予報を見てみよう。(テレビをつける)」


おばあさん
「天気、どうですか?」


おじいさん
「今、都内で局地的に女の子が降ってるらしい。
 ゲリラ少女だ。」


おばあさん
「ゲリラ少女。」


おじいさん
「奥多摩の方では女の子が積もってるらしい。」


おばあさん
「多いところで5cm程度積もってるようですね。」


おじいさん
「交通機関にも影響がでてるようだ。
 線路の女の子をどけるため、総武線は5分程度の遅延らしい。」


おばあさん
「明日の天気はどうでしょう。」


おじいさん
「降女確率50%。」


おばあさん
「微妙ですね。」


おじいさん
「てるてる坊主をぶらさげておこう。
 (奥の部屋に向かって)おーい。」


てるてる坊主(男の子)
「(奥の部屋から出てくる)はい。」


おじいさん
「仕事だ。
 軒先にぶら下がっててくれ。」


てるてる坊主
「わかりました。(外に出ていく)」


おじいさん
「明日、晴れるといいですね。」



(外が光る)



おばあさん
「外が光りましたね。」


おじいさん
「雷かな。」



「Wow------!!」


おばあさん
「雷じゃないですね。」


おじいさん
「外人が落ちたかな。」


おばあさん
「そんなに大きな音じゃなかったですから、遠いですかね。」


おじいさん
「ゲリラ少女に外人。
 異常気象だな。」



(外が光る)




「Wow-------------------------!!」


おばあさん
「びっくりした!」


おじいさん
「今のは近いな。」


電話
「ピロロロロロロ・・・ピロロロロロロロ・・・」


おばあさん
「はい。もしもし。山下でございます。
 あぁ、いま代わりますね。」


おじいさん
「誰から?」


おばあさん
「ゆうじ(息子)。駅からみたい。」


おじいさん
「もしもし、どうした?
 ・・・あぁ。こっちも降ってるぞ。
 今、都内でゲリラ少女が発生しているようだ。」


おばあさん
「駅の方も降ってるんですかね。」


おじいさん
「傘持ってないのか。
 わかった。そっちに傘を持っていかせる。
 10分くらい待ってなさい。
 はい。(電話を切る)」


おばあさん
「ゆうじ、何だって?」


おじいさん
「駅から外に出たら、女の子が降ってるから、傘を持ってきてだと。」


おばあさん
「折り畳み傘持ってませんでしたっけ?」


おじいさん
「外人に折られたらしい。」


おばあさん
「あらら。」


おじいさん
「(軒先に向かって)おーい。」


てるてる坊主
「(部屋に入ってくる)はい。」


おじいさん
「駅に傘を持っていってくれ。」


てるてる坊主
「え?でも、今、てるてる坊主してますけど。」


おじいさん

「あ、そうか。」


てるてる坊主

「仕事中に離れると、明日の天気、どうなるかわかりませんよ?」


おじいさん
「・・・まぁ、ちょっとの間ならいいだろう。
 先に傘を届けてほしい。」


てるてる坊主
「わかりました。(傘を持って家を出る)」


おばあさん
「そうだ。洗濯物を取り込んでおかないと・・・!!」


おじいさん
「ポチも玄関に上げておきなさい。」


おばあさん
「そうですね。」


おじいさん
「(外を見て)運動会、大丈夫かな。」


おばあさん
「(玄関から声がする)こら!ポチから離れなさい!!」


おじいさん
「どうした?」


おばあさん
「女の子がポチにくっついて離れないんです。」


おじいさん
「ドライヤーを当てて乾かしなさい。」


おばあさん
「そうですね。ドライヤードライヤー・・・(洗面所に向かう)」


おじいさん
「(外を見て)一向に止む気配がないな・・・」


ドライヤーの音
「ウィーーーーーーーーーーーーーーン!」


女の子
「(玄関から声がする)キャーーーー!!」



(誰かが玄関から外に逃げていく音)



おばあさん
「よし、乾いたわね。」


ゆうじ
「(女の子を背負って)ただいま。」


おばあさん
「おかえり・・・って、ちょっと女の子くっついてるわよ。」


ゆうじ
「こんだけ降ってたら、傘なんか意味ないよ。」


おばあさん
「お風呂沸かすからすぐに入りなさい。」


ゆうじ
「わかった。
 外、すごいよ。みんな走ってるんだけど、
 足元に女の子がまとわりついて、走れないの。」


おじいさん
「明日の隼人の運動会は予定通りやるかな。」


ゆうじ
「どうだろう。この天気だからね。
 運動場の女の子と外人をどけるだけでも一苦労だよね。」


おじいさん
「降女確率は50%だっていうから、微妙なんだ。」


ゆうじ
「まぁ、祈るしかないでしょう。」


おじいさん
「そうだな。」



(翌日)



おじいさん
(外を見ている)


野太い声
「(外から声がする)ちょっとなんなのアナタ・・・!ちょっとなんなのアナタ・・・!」


おじいさん
(外を見ている)


ゆうじ
「おはよう。天気どう?」


野太い声
「(外から声がする)ちょっとなんなのアナタ・・・!ちょっとなんなのアナタ・・・!」


おじいさん
「声が聞こえるだろう。降ってるよ。」


ゆうじ
「ゲリラ少女?」


おじいさん
「いや、ゲリラオカマだ。」









【コント・セルフ・ライナーノーツ】

ラピュタそんなに見たことないんですけどね。

病院の待合室で流れているのを見て、

「女の子が土砂降り」というフレーズを思いついて、そこから作ったコントです。








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