おじいさん
「(灰をまく)枯れ木に花を咲かせましょう!」


さくらの木
(何も変化がない)


おじいさん
「(灰をまく)枯れ木に花を咲かせましょう!」


さくらの木
(何も変化がない)


おじいさん
「んー。何も変化がないなぁ。」


神様

「それは灰に刺激が足りないからです。」


おじいさん

「あっ、神様。」


神様

「灰に刺激を与えなさい。

 さすれば、花は咲くでしょう。」


おじいさん

「わ、わかりました!」





■灰に塩こしょうしてみた。




おじいさん
「(灰をまく)枯れ木に花を咲かせましょう!」


さくらの木
(何も変化がない)


おじいさん
「(灰をまく)枯れ木に花を咲かせましょう!」


さくらの木
(小さなつぼみが一つだけついた)


おじいさん
「んー。地味だなぁ。
 もっとこう・・・
 パパパっと咲いてほしいんだけど・・・

 神様の言う、刺激が足りないのかな。」





■灰に水を加え、弱火で30分ほど煮てみた。




おじいさん
「(灰をまく)枯れ木に花を咲かせましょう!」


さくらの木
(何も変化がない)


おじいさん
「(灰をまく)枯れ木に花を咲かせましょう!」


さくらの木
(チューリップの花が咲く)


おじいさん
「ちがーう!!
 チューリップの花じゃないー!!
 ・・・まぁ、花が咲いたから一歩前進なのかな。」





■灰をレンジで1分30秒ほど温めてみた。




おじいさん
「(灰をまく)枯れ木に花を咲かせましょう!」


さくらの木
(何も変化がない)


おじいさん
「(灰をまく)枯れ木に花を咲かせましょう!」


さくらの木
(電飾で光る)


おじいさん
「わぁキレイ、ってこれも違うー!!
 何光ってんだよ!!
 こういうことじゃないんだよ・・・」




■灰を液体窒素で冷やしてみた。




おじいさん
「(灰をまく)枯れ木に花を咲かせましょう!」


さくらの木
(何も変化がない)


おじいさん
「(灰をまく)枯れ木に花を咲かせましょう!」


さくらの木
「ヘッキシュン!!」


おじいさん
「あー、風邪ひいちゃったんだねー、って風邪ひくってなんだよ!!
 さくらの木が風邪ひくって斬新すぎるわ!」





■灰に風邪薬を混ぜてみた。




おじいさん
「(灰をまく)枯れ木に花を咲かせましょう!」


さくらの木
(何も変化がない)


おじいさん
「(灰をまく)枯れ木に花を咲かせましょう!」


さくらの木
(さくらの木から足がはえ、3mほど移動する。)


おじいさん
「うん・・・うん・・・
 もうなんなの?
 なんかものすごい薬品を作っちゃったのかな?」





■灰にスピードラーニングのCDを聞かせてみた。



おじいさん
「(灰をまく)枯れ木に花を咲かせましょう!」


さくらの木
(何も変化がない)


おじいさん
「(灰をまく)枯れ木に花を咲かせましょう!」


さくらの木
「はい、どうもー、ということで土曜日の朝、いかがお過ごしでしょうか。
 秋も深まってきてだんだん肌寒く感じる季節になってきました。
 外に出るには心地いい季節かな、なんて思うんですけど、
 先日、私、自転車で外を走ってたらですね・・・」


おじいさん
「しゃべりだした!!
 なにこれ。ラジオのオープニングトークみたいな軽快なおしゃべり!」





■灰に火薬を混ぜてみた。





おじいさん
「(灰をまく)枯れ木に花を咲かせましょう!」


さくらの木
(何も変化がない)


おじいさん
「(灰をまく)枯れ木に花を咲かせましょう!」


さくらの木
「ゴゴゴゴゴ・・・チュドーン(根っこから火を吹き、空高く打ちあがる)」


おじいさん
「(空を見上げ)・・・やっぱり、火薬を混ぜたのは失敗だったか。」


隣の家のおじいさん
「(物陰から)なるほど。
 灰に火薬を混ぜたものをさくらの木にまくと、空高く打ちあがるのか。
 これは高く売れるぞー。」





■隣の家のおじいさんが灰を作った。



隣の家のおじいさん
「(灰をまく)枯れ木に花を咲かせましょう!」


さくらの木
(何も変化がない)


隣の家のおじいさん
「(灰をまく)枯れ木に花を咲かせましょう!」


さくらの木
「ポンッ!(桜の花が咲く)」


隣の家のおじいさん
「そういうんじゃねぇんだよ!」


おじいさん
「そういうのでいいんだよ!!」










【コント・セルフ・ライナーノーツ】

はなさかじいさんから何か膨らませないかいろいろ考えて作ったコント。

実際に演じるのは不可能なので、ぜひアニメ化してほしいです。