伝書鳩は今や日本人にとって
日常生活と切っても切れないほど生活に密着しています。


「月刊・通信手段」今月号では、日本の伝書鳩の歴史を振り返り、
今後の伝書鳩業界の未来についても視野を広げていきましょう。




■伝書鳩の歴史■


1950年代 伝書鳩が通信の手段として普及する。
       当時はまだ高価な通信手段であり、
       限られた人だけが使うものであった。



1960年代 街に公衆伝書鳩が設置されるようになる。
       伝書鳩ボックスには伝書鳩帳(タウンページ)も設置され、
       送りたい相手に確実に届けられるように工夫されていた。


1970年代 一家に一羽、伝書鳩の時代が到来する。
       間違った相手に手紙を届けてしまう

       「間違い伝書鳩」が多発。
       社会問題となる。

       また、伝書鳩が送り先から帰ってこない

       「迷い伝書鳩」も問題となる。


1980年代 伝書鳩の多機能化が進む。
       車に伝書鳩を設置した「カー伝書鳩」。
       肩掛けタイプの「ショルダー伝書鳩」。
       相手が留守だった場合にメッセージを保存する

       「留守番伝書鳩」など。
       
       同時に、イタズラ目的で鳩を飛ばす

       「イタズラ伝書鳩」が横行。
       「間違い伝書鳩」「迷い伝書鳩」と共に社会問題となる。


1990年代前半 一家に一羽の時代から、一人一羽の時代が始まる。
          リビングに親機、個人の部屋に子機といった

          「コードレス伝書鳩」が普及する。


          携帯機も普及が始まり、

          ポケットハト(通称ポケハト)が一気に普及する。
          伝書鳩を送ってほしい相手を

          ポケハトで呼び出すことで、
          相手がどこにいても

          伝書鳩を送ってもらえるシステムである。


          女子高生の間でポケハトが一大ブームとなり、
          朝早くから「084」という手紙を携えたハトが

          町中を飛び回るようになる。


1990年代後半 ポータブル・ハト・システム(通称PHS)が普及。
          これも女子高生を中心に一大ブームとなる。


          今まで、ハトが到着するときの着信音は

          「クルックー」のみだったが、
          この頃から、鳴き声を作曲できるようになり、

          飼い主の個性が出るようになった。


          当初はカラス、スズメなど

          別の鳥の鳴き声を作曲するものが多数だったが、
          当時のヒット曲を作曲するものなどが現れる。


          その後、4和音ができるようになったりと

          音楽面の機能が強化され、
          本屋には着メロ本があふれるようになる。


          1998年には、伝書鳩番号が10桁から11桁になる。
          (CMソングを未だに覚えている人も多いのでは。)


2000年代前半 折り畳み式の携帯伝書鳩が大多数を占めるようになる。
          写真を撮れる伝書鳩も現れ、
          観光地などで伝書鳩が飼い主の写真を撮り、
          そのまま友達の元に写真を運ぶ姿も

          多く見受けられるようになる。


2000年代後半 第3世代の伝書鳩が大多数を占めるようになる。

          一方で、電車内で伝書鳩を飛ばし、

          乗客の迷惑となる行為が社会問題となる。

          車内ではマナーモードに設定し、

          優先席付近では伝書鳩の電源をOFFにし、
          車内で伝書鳩を飛ばす行為は控えるように

          車内アナウンスされるようになる。


2010年代 スマート伝書鳩(通称スバト)が爆発的に普及。

       スバトに音楽を入れ、

       通勤通学中にイヤホンをつないで音楽プレーヤーとして
       使用する人も多く見つけられるようになる。


       一方で、歩きながらスバトをいじる行為(歩きスバト)が

       社会問題となっている。


       またスバトは衝撃に弱く、地面に落とし、

       ガラス面を割ってしまう事例も多発している。





■未来の伝書鳩■

これまでの伝書鳩業界では、体力面の問題から、

国外に伝書鳩を飛ばすことは不可能とされていた。

しかし、日々の研究とハトたちのトレーニング、さらに交配の結果、
アジア圏内なら伝書鳩が届くところまで実験は成功している。


ヨーロッパでは既に国際伝書鳩が日常的に通信手段として使用されており、
世界のどこにいても国際伝書鳩できる時代は近づいている。





■伝書鳩が抱える問題■

携帯電話やスマートフォンの方が圧倒的に便利という声が後を絶たず、
実際、そっちの方が通信手段としても高速のため、
伝書鳩という通信手段を知らない者が多い。






■来月号の月刊・通信手段では、最新鋭の通信手段・矢文を特集します。

・新提案!矢文でラブレター

・最も長距離の矢文は東京からどこまで?

・1ヶ月で矢文が3通刺さった男 ロングインタビュー

・緊急座談会 矢文VSバイク便




■お詫び

先月号の月刊・通信手段の特集「のろしの今」において、

「現在、のろしを家の中で行うのがブーム」という記事を掲載しましたが、

のろしを家の中で行うのは大変危険かつ意味がありません。

ブームではありますが、便乗しないようにお願いします。








【コント・セルフ・ライナーノーツ】

平成生まれをまったく無視したコント。

昭和生まれの方にあるあると思っていただければ・・・