(ならず者ガンマンと

 ニワトリの姿をした男『ニワトリマン』が向かい合っている
 それを取り囲む群衆。)



ニワトリマン
「負けた方がこの街から出ていく。いいな。」


ならず者ガンマン
「いいだろう。それじゃ、勝負だ。」



(ならず者ガンマン、ニワトリマン互いに背を向けて立つ。)



ニワトリマン
「お互いに5歩歩いたら勝負だ。」


ならず者ガンマン
「俺はいつでもいいぜ。」


ニワトリマン
「では、始めよう。」


ならず者ガンマン
「あぁ。」


ニワトリマンならず者ガンマン

「1。(一歩進む)」


群衆
「・・・。」


ニワトリマンならず者ガンマン
「2。(さらに一歩進む)」


群衆
「・・・。」


ニワトリマンならず者ガンマン
「3。(さらに一歩進む)」


群衆
「・・・。」


ニワトリマンならず者ガンマン
「4。(さらに一歩進む)」


群衆
「・・・。」


ならず者ガンマン
「5!(一歩進み、銃口を抜いて振り返る)」


群衆
「っ!!」


ニワトリマン
「6。(さらに一歩進む)」


ならず者ガンマン群衆
「っ?!」


ニワトリマン
「7・・・。8・・・。9・・・。(数字を数えながら歩き続ける)」


ならず者ガンマン
「(群衆の元に向かい、小声で)どうなってんだ、これ。」


群衆1
「あれじゃない?ニワトリは3歩で物事を忘れるって聞くから・・・」


ならず者ガンマン
「決闘のことを忘れちゃったってことか。」


群衆2
「たぶん、今、何故自分が数字を数えながら歩いているのかすら、わかってないんでしょうね。」


ニワトリマン
「13・・・。14・・・。15・・・(15歩歩いたところで止まる)」


ならず者ガンマン群衆
「・・・。」


ニワトリマン
「・・・。」


ならず者ガンマン群衆
「・・・。」


ニワトリマン
(群衆の方を見る。)


ならず者ガンマン群衆
「16!」


ニワトリマン
「16・・・。17・・・。18・・・。」







【コント・セルフ・ライナーノーツ】

ちょっと、5分ネタが思いつかなかったので、

以前書いたショートコントを。