バイキンさん
「やいゆえよ~!!」


アンパンさん
「アーンパーーンチ!!」


バタッコさん
「アンパンさん!がんばって!」


しょくぱんさん
「ダメだ、アンパンさんは戦いの前に頭の一部を
 おなかを空かせた子供にあげてしまったから、
 力が出ないんだ!」


バイキンさん
「やいゆえよ~!!」


しょくぱんさん
「バタッコさん!新しい顔を!!」


バタッコさん
「それが・・・」


しょくぱんさん
「どうしたんですか?」


バタッコさん
「ジャムおっさんが昨日の夜、食パンの角に頭をぶつけて、
 記憶喪失になってしまって、
 とても、代わりの頭を作れる状態じゃないんです・・・」


しょくぱんさん
「ええっ!!」


バタッコさん
「今、後ろのアンパンさん号の中で自分が誰なのか
 思い出そうとしてるのですが・・・」


しょくぱんさん
「(アンパンさん号を見て)こんなときに・・・
 バタッコさんは顔を作れないんですか?!」


バタッコさん
「一応作ったのですが・・・(パンを取り出す)
 目が3つになってしまって・・・」


しょくぱんさん
「この際、仕方がない!
 アンパンさん!!新しい顔だよ!!(顔を投げる)」


アンパンさん
「(顔が変わる)うわ!何これ!!
 すげー見える!!」


しょくぱんさん
「とりあえず、アンパンさんにはこれで戦ってもらいましょう。」


ジャムおっさん
「(アンパンさん号から顔を出す)あの・・・」


バタッコさん
「あ!自分の名前、思い出しました?」


ジャムおっさん
「いや、ダメです・・・

 苗字が『西園寺』であるところまでは思い出したのですが・・・」


バタッコさん
「そうですか・・・」


しょくぱんさん
「ちなみに、苗字も『西園寺』じゃないですよ。」


ジャムおっさん
「『西園寺』ですらないかぁ・・・(アンパンさん号に戻る)」


バイキンさん
「やいゆえよ~!!」


アンパンさん
「うわぁ~!!」


バタッコさん
「ああっ!アンパンさん!!」


しょくぱんさん
「やっぱり、目が3つの顔じゃ本来の力が出ないか!!
 別の顔をつけないと!」



「みんなー!!」


バタッコさん

「その声は!カレーパンさん!!」


カレーパンさん
「(やってくる)商店街のパン屋に行って、パンを買ってきたよ。
 (バタッコさんに袋を渡す)はい。」


バタッコさん
「ありがとう。
 (袋の中身を見る)・・・?」


しょくぱんさん
「どうしたの?」


バタッコさん
「クロワッサンしか入ってないんだけど。」


カレーパンさん
「アンパン、今、人気らしくて、どこも売り切れてたんだ。
 代わりにクロワッサン買ってきた。」


バタッコさん
「顔の代わりになるかな・・・」


しょくぱんさん
「アンパンさん!!新しい顔だ!!(クロワッサンを投げる)」


アンパンさん
「(顔が変わる)何これ!顔がスースーする!!」


しょくぱんさん
「とりあえず、これで戦ってもらいましょう。」


ジャムおっさん
「(アンパンさん号から顔を出す)あの・・・。
 もしかして、『伊集院』じゃない?」


バタッコさん
「違います。」


ジャムおっさん
「違うかぁ・・・。
 ヒントちょうだい、ヒント!
 最初の2文字を教えてもらえれば、思い出すと思う。」


バタッコさん
「最初の2文字ですか・・・?
 『ジャ』です。」


ジャムおっさん
「『ジャ』?!『ジャ』?!
 『ジャ』ってなんだよ。
 謎が深まったよ・・・(アンパンさん号の中に入る)」


バイキンさん
「やいゆえよ~!!」


アンパンさん
「うわぁ~!!」


バタッコさん
「ああっ!アンパンさん!!」


しょくぱんさん
「やはり、クロワッサンは論外か!
 別の顔を探さないと!」


カレーパンさん
「(ポケットをさぐる)あ、これなんかどうかな。」


バタッコさん
「何ですか?」


カレーパンさん
「昨日、川原で見つけたんだけど、顔によく似た石。」


バタッコさん
「いや、ダメでしょう?」


しょくぱんさん
「アンパンさん!新しい顔だ!!(石を投げる)」


バタッコさん
「使うのね!」


アンパンさん
「(顔が変わる)うわ!石あたまになった気がする!」


しょくぱんさん
「これで戦ってもらいましょう。」


カレーパンさんのお腹
「グゥ~・・・」


バタッコさん
「カレーパンさん、お腹空いたの?」


カレーパンさん
「朝からご飯も食べずにパン屋を探してたから、もうフラフラだよ。」


アンパンさん
「大丈夫!僕の顔の一部をお食べ!」


カレーパンさん
「いや、アンパンさん、今の顔、石だし!」


アンパンさん
「お食べ!(石を投げる)」


カレーパンさん
「(よける)危なっ!!」


アンパンさん
「お食べ!(石を投げる)」


しょくぱんさん
「(よける)やめるんだ、アンパンさん!!」


ジャムおっさん
「(アンパンさん号から顔を出す)『ジャ』で始まる名前考えたんだけど、
 『ジャガー横田』と『ジャイアント馬場』しか浮かばなかった・・・
 プロレスから離れた方がいいかな?」


アンパンさん
「お食べ!(石を投げる)」


ジャムおっさん
「(石が当たる)おぉぅ!!(アンパンさん号の中に落ちる)」


バタッコさん
「あぁっ!!大丈夫?!」


ジャムおっさん
「(顔を出す)思い出した!!ジャムおっさんだ!!」


バタッコさん
「思い出したのね!!」


ジャムおっさん
「よし、それじゃ新しい顔を作るぞ!!(アンパンさん号の中に入る)」


バタッコさん
「お願い!!」


ジャムおっさん
「(出てくる)できたぞ!」


しょくぱんさん
「さすが早い!!」


ジャムおっさん
「行くぞ、アンパンさん!!新しい顔じゃ!!(太巻きを取り出す)」


バタッコさん
「ちょっと待って、ジャムおっさん!!
 その顔、何?」


ジャムおっさん
「何・・・って、太巻き。
 切ると、顔の模様になってる。」


バタッコさん
「なんで太巻き?」


ジャムおっさん
「いや、だって。ワシ、寿司職人だし・・・。」


バタッコさん
「まだ、完全に思い出したワケじゃなかったのね・・・。
 アンパンさん!お願いします!!」


アンパンさん
「お食べ!(石を投げる)」


ジャムおっさん
「(石が当たる)おぉぅ!!(アンパンさん号の中に落ちる)」


バタッコさん
「どう?!思い出した?」


ジャムおっさん
「(出てくる)思い出した・・・。

 思い出したけど、今の何?

 自分の手を汚さないツッコミ・・・。(アンパンさん号の中に入る)」


バタッコさん
「それは後!

 早く新しい顔を作って!」


ジャムおっさん
「(出てくる)できた!」


しょくぱんさん
「やはり早い!!」


ジャムおっさん
「行くぞ、アンパンさん!!新しい顔じゃ!!(『止まれ』の標識を取り出す)」


バタッコさん
「やい、バカ!!」


ジャムおっさん
「バカとは何じゃ!ワシは標識職人じゃぞ!」


バタッコさん
「アンパンさん、お願いします!!」


アンパンさん
「お食べ!(石を投げる)」


ジャムおっさん
「(石が当たる)おぉぅ!!(アンパンさん号の中に落ちる)」


バタッコさん
「どう?今度こそ自分の職業、思い出した?!」


ジャムおっさん
「(出てくる)スチュワーデスじゃない?」


バタッコさん
「違います。」


ジャムおっさん
「コンパニオン?」


バタッコさん
「違う。」


ジャムおっさん
「レースクイーン!」


バタッコさん
「違う!」


ジャムおっさん
「女将!」


バタッコさん
「アンパンさん!」


アンパンさん
「お食べ!(石を投げる)」


ジャムおっさん
「(石が当たる)おぉぅ!!(アンパンさん号の中に落ちる)」











【コント・セルフ・ライナーノーツ】

『ジャムおじさんが記憶喪失になったら』いうところから枝葉をつけたコントです。


最後までオチが決まらず、かといって前回のようなト書きで終わりたくないなぁということで、こんな形になりました。


ちなみに、演じる場合のイメージはバイキンさんとアンパンさんの姿は見えず、声だけ聞こえてくる感じ。

「お食べ!」の声と同時に袖から石だけ飛んでくるイメージです。


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