前回の『天使と悪魔の2択の話』はコチラ




(財布が落ちている)



澤野
「(通りかかる)あ、財布だ。」



(澤野、財布を拾う)



澤野
「交番に届けるか・・・
 いけ、ネコババ・・・
 落とした人、今困っているだろうなぁ・・・
 でも、今月厳しいし・・・
 あぁ!!どうしたらいいんだ!!」



ポン!(天使が現れる)



天使
「財布を落として困っている人がいます!
 キチンと警察に届けましょう!」



ポン!(悪魔が現れる)



悪魔
「何をしている!
 そんなもの、盗ってしまえばいいんだよ!!」


天使
「ダメです!警察に届けましょう!」


悪魔
「ネコババすればいいんだ!」


天使
「警察です!」


悪魔
「ネコババだ!」


天使
「警察っ!!(もみ合いに)」


悪魔
「ネコババっ!!(もみ合いに)」



(天使と悪魔、もみ合いになり、その場に倒れこむ。)



澤野
「あれ?大丈夫?
 天使?!悪魔?!
 僕はどうしたらいいの?!
 気を失っちゃったのかな・・・?」


天使
「(起き上がる)オレ様は大丈夫だ。
 それよりのその財布!
 誰も見てないんだ、ネコババしてしまえよ!!」


澤野
「え?」


悪魔
「ネコババはダメです!
 警察に届けましょう!!」


澤野
「ん?ん?ん?」


天使
「・・・あれ?」


悪魔(心は天使
「え?なんで、ワタシが悪魔のカッコに?!」


天使(心は悪魔
「どうしてオレ様が天使のカッコをしてるんだ?!」


澤野
「え?なに、入れ替わっちゃったの?!」


天使(心は悪魔
「そんなことはどうでもいい!!ネコババだ!!」


悪魔(心は天使
「警察です!!」


天使(心は悪魔

「ネコババ!!」


悪魔(心は天使
「警察!!」


澤野
「ちょっと待って!!
 よくこのアクシデントに動揺することなく
 その議論を続けられるね。
 元に戻る方法をまずは考えないと。」


悪魔(心は天使
「元に戻る方法ですか・・・?
 ものすごい衝撃を受けるとか。」


澤野
「衝撃?」


悪魔(心は天使

「澤野さんが雷を全身に浴びるとか。」


澤野
「うん。死んじゃうよね。
 あと、体が入れ替わったのはキミたちだから、キミたちが雷浴びて。」


天使(心は悪魔
「それじゃこういうのはどうだ。
 財布をネコババしたら、元の姿に戻る。」


澤野
「何、交換条件みたいなの出してるの。
 『元の姿に戻る』の部分がザックリしてるし。」


悪魔(心は天使
「一旦、電源を切る。」


澤野
「電源あるの?!
 キミたち、電気で動いてるの?!」


天使(心は悪魔
「カスタマーセンターに問い合わせる。」


澤野
「どこにあるの?!
 天使と悪魔のカスタマーセンターどこにあるの?!」


悪魔(心は天使
「今日はそんなことを忘れて飲み明かす。」


澤野
「現実から逃げるな!
 だいたい、そんなお金ないし。」


天使(心は悪魔
「さっき拾った財布のカネがある。」


澤野
「なにうまいこと、ネコババに持っていこうとしてるんだよ!」


天使(心は悪魔
「とにかく、この財布はネコババだ!!」


悪魔(心は天使
「警察です!!」


澤野
「結局、この議論になっちゃった!」


天使(心は悪魔
「ネコババ!」


悪魔(心は天使
「警察!」


天使(心は悪魔
「ネコババ!!(もみ合いに)」


悪魔(心は天使
「警察!!(もみ合いに)」


澤野
「ほら、またもみ合う!
 もみ合い以外に解決法はないの?!(もみ合いに)」



(天使、悪魔、澤野、もみ合いになり、倒れる)



悪魔
「イタタタタ・・・、みなさん、大丈夫ですか?」


澤野
「痛ぇ・・・。2回も頭をぶつけるなんて、今日はツイてないぜ・・・」


天使
「・・・僕は大丈夫です。」


澤野
「そんなことより、ネコババだ!!」


悪魔
「警察へ!!」


澤野
「ネコババ!!」


悪魔
「警察!!」


天使
「ちょっと待って!またおかしいことになってる!!」


悪魔
「?」


天使(心は澤野
「なんで僕が天使の格好になってて、
 悪魔が僕の格好になってるの?!」


澤野(心は悪魔
「あ!ホントだ!!」


悪魔(心は天使
「状況を整理すると、
 澤野さんは天使の体で、
 天使は悪魔の体で、
 悪魔は澤野さんの体になってる・・・?」


天使(心は澤野
「ややこしい!!」


澤野(心は悪魔
「ってことは、オレ様が今、澤野なんだから、
 オレ様が財布をどうするか決めていいんだよな!
 ネコババで!!」


天使(心は澤野
「もう財布とかどうでもいいよ!
 体を元に戻さないと!!
 僕、小学校で教師してるんですよ?
 この格好で突然、子供たちの前に現れたら、
 子供たちに『先生がどうかしてる!』って言われるよ!」


澤野(心は悪魔
「じゃあ、オレ様が子供たちに授業教えてやるよ。
 サイフを見つけたらネコババだ!ってな!」


天使(心は澤野
「あんた、それ以外にアイデンティティはないのか!」


警察
「君たち、こんなところで何をしている。」


澤野(心は悪魔
「なんでもねぇよ!
 オレ様はこの拾った財布をネコババするんだ!!」


天使(心は澤野
「ちょっとなんてことを!!」


警察
「キミ!!財布を拾ったのなら、警察に届けなさい!!」


澤野(心は悪魔
「うるせぇ!これはオレ様のものだ!!」


悪魔(心は天使
「すみません。この人、悪魔なんですよ。」


警察
「お前が言うな!!」


天使(心は澤野
「まぁ、そうなりますよね。」


澤野(心は悪魔
「それよりどうだい。
 この財布、結構入ってるんだ。
 1万円で黙っててくれないかい?」


天使(心は澤野
「何、警察を買収してんだよ!!」


警察
「本官はそんな・・・」


澤野(心は悪魔
「とかいいつつ、お金に困ってるんだろ?!」


天使(心は澤野
「ちょっとやめろよ!!(もみ合いに)」


澤野(心は悪魔
「何をする!!(もみ合いに)」


警察
「キミたち、ケンカはやめなさい!(もみ合いに)」


悪魔(心は天使
「ちょっとみんなやめてください!!(もみ合いに)」



(天使、悪魔、澤野、警察、もみ合いになり、倒れる)



天使
「痛ぇ・・・。今日3回目だぞ、頭打つの・・・。
 ツイてないぜ・・・」


澤野
「そんなことより、この財布、ネコババだ!」


警察
「そうだぜ、みんなでこのカネでパーッとやろうぜ!!」


天使(心は悪魔
「って何で3人が悪魔になってんだ!?」


澤野(心は悪魔
「3人が悪魔ってことは、天使と澤野と警官の魂はどこに行っちまったんだ?!」


警察(心は悪魔
「もしかして、悪魔の体に3人の魂が入ってしまったとか・・・?」


天使(心は悪魔
「(悪魔の体を揺さぶり)おい、起きろよ!状況が更に悪化したぞ・・・!!」


悪魔
「・・・ん?」


澤野(心は悪魔
「目が覚めたか。
 今、天使、澤野、警官の体に悪魔の魂が入っちまったんだ!
 たぶん、悪魔の体に3人の魂が入ってると思うんだが・・・」


悪魔
「天使とか悪魔とか何言ってるのよ!!
 アタシはシゲル!
 2丁目でオカマバーを経営してるの!!」


天使澤野警察(みんな悪魔
「誰っ?!」









【コント・セルフ・ライナーノーツ】

今でも、結構、『天使・悪魔』で検索してここを訪れてくれる方がいるので、

天使・悪魔の#2を作ってみました。


心と体が入れ替わる話は結構ありますが、このパターンはなかったのではないでしょうか。


性格がコロコロ変わるコントなので、実際に演じるとしたら、相当難易度が高いです。




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