奉公先の主人に気に入られてその娘と結婚、婿養子になります。

家のために必死に働いてお店を大きくし、一人娘をもうけます。

 

もともと体の弱い父でしたが娘を可愛がり娘も又父を慕っていました。

 

病床で父は幼いころ遊んだ山に赤い椿がいっぱい咲いてたのを思い出し、

最後に椿を見たいというので買ってきて見せてやります。

 

何の道楽もなく婿養子として最期まで働きづめの父でした。

亡くなった日、母は別の男と逢瀬を楽しんでいて死に目にも会いません。

 

死ぬ前に母に言っておきたいことがあると言ってたのもついに叶いません。

怒りのあまり母を問い詰めると、お前の本当の父親は他にいると告げられます。

 

両親とも夫婦とは名ばかりで実際の夫婦関係は無かったのです。

 

実の娘でないと知りながら優しい父はあんなに私を可愛がってくれた。

それに比べ母は8人の男性と浮気してたことがわかりました。

 

罪を憎み母とその浮気相手たちに復習を果たしていきます。

死体のそばには赤い椿の花びらが血のように一枚置いていきます。

 

最後の復讐相手である実の父親を殺すことはせず生きて苦しむように仕向けます。

そして自分に捜査の手が回ってることを知り自らも死を選ぶのでした。

 

 

山本周五郎さんの『五辨(ごべん)の椿』です。

秋の虫たちの野外コンサートを聞きながら一気に読み進みました。

 

夫婦、親子、家族とはどうあるべきか、そして罪と罰を考えさせられます。

これから秋の夜長に是非お勧めの一冊でした。

 

 

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