エレファントマン。 | 私的リーガル項

私的リーガル項

古いアメ車と暮らす日々。犬のコト、その他諸々を。


消えない原風景。


子供の頃、連れて行ってもらった旅行先でのワンシーンだ。


ドでかい旅館のロビーは沢山の観光客でひしめいている。

ワクワクしながら辺りを見回した時、ある人から目を離せなくなった。


今から思えば、恐らくプロテウス症候群。

頭の先にもう一つ頭がくっついてるような。


そう、映画になった「エレファントマン」そっくりの若い男性。


私的リーガル項


少し疲れたような両親に連れられながら明るく笑い

恥じるコトなく背筋を伸ばし、真っ直ぐ歩いてくる。


私は目の前に突っ立ったまま動けなくなった。

そして正直に言うと、「心底怖い」と思った。


その時。


周りに居たオッチャン、オバチャンが騒ぎだす。

「ホラホラ!見て!アレ」「うわぁスゴイ!」


ヒソヒソ、なんてもんじゃない。

指を差し、大声で仲間を呼んでまるで見世物扱い。





いまだにその瞬間の光景が忘れられない。

大騒ぎになるロビー、歓声をあげ駆けよって来る人・人・人。


顔を伏せる両親、取り囲む剥き出しの好奇。

(何だ・・これ・・・)


その時。

突然フラッシュが光り、一生消えない画が頭に刻まれた気がした。


ウソじゃない。

ホントにカミナリに打たれたような感じがしたんだ。


圧倒的な「不条理」がアホな小学生の頭に焼きついた瞬間。


(何故?何で?)


どうしてある人は生まれつき重い荷物を背負わされ

ある人は当たり前のような顔でノホホンと生きるのか。


(何故?何で?)


神様がいるって教えられてきたけど

じゃぁ何で世界はこんなにヒドいんだ?


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ジジィになった今でもちっとも分からない。

いつまでたっても画が消えない。


もしも霧を払うように誰かが答えをくれるなら

今すぐソイツの信者になってもいい。


たとえそれが四畳半一間の新興宗教だろうが、ゾロアスター教だろうが☆