特訓。 | 私的リーガル項

私的リーガル項

古いアメ車と暮らす日々。犬のコト、その他諸々を。


ジジィも楽じゃない。


忘れられない光景がある。


以前、働いてた会社の近くに静かな公園があって

いつも、近所のお年寄りがゲートボールをやっていた。


暖かい日差しの中、楽しげな姿を眺めるのが日課だったが

何だかその日は雰囲気が違った。


「何やっとんのや!」「このド下手!」「違うやろっ!アホっ!」

罵声。叱責。シゴキ、っつーかイジメみたいな。


和気あいあい、な雰囲気は微塵もなく体育会系ガチモード。


どうやら「新人」のジィちゃんがミスショットばかりして

「先輩」に怒られてるようだった。


バァちゃん達の目があるからね。

辛そうだったよ、その新人ジィちゃん。


で、次の夜。


仕事で遅くなって公園横の道を足早に通っていると

1つだけある街灯の下、暗いグラウンドで人影がある。


あの、怒られてたジィちゃんだった。

寂しい夜の公園で、一人黙々と練習してる。


汗を拭き拭き、何度も何度もボールを打つ。

完全に「ROOKIES」の世界だ。


長いシルエットを地面に写したジィちゃんは

何だか気高く見えた。


(ガンバレ!負けんな!)

心の中で小さくエール。


ジィちゃんカッコいいぞ!


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その後、異動になって通るコトもなくなったその公園を

近くに所用があって数か月ぶりに訪れてみると・・


居た!居た!あの特訓ジィちゃん。

まるでエースみたく堂々とニコニコ笑ってプレイしてる。


練習の成果が出て、みんなに受け入れられたんだね。

スゲェ自信に満ちたイイ顔してる。


何だか嬉しくなっちゃったよ。

嬉しくなった、けど・・


何つーか。


やっぱジジィになっても楽じゃない。

ヤレヤレ・・☆