札幌といえば時計台が有名ですね。
周囲を大きなビルに囲まれているので小さく感じますが、存在感は充分です。
時計台の鐘の音を聞いたことがありますか?
私は、今回初めて聞いたのですが、遠くまで響く澄んだ音とその大きさにびっくりしました。
時計台の正式名称は「旧札幌農学校演武場」といいます。
正面玄関の上に演武場と書かれていますね。
札幌農学校は西洋の知識と技術を習得するため、マサチューセッツ農科大学から講師を招き、
初代教頭にクラーク博士が就任しました。
彼の提案で建設されたのが時計台(演武場)です。
卒業生には佐藤昌介、内村鑑三、新渡戸稲造などがおり、近代日本の思想界、教育界をリードした人々を輩出しています。
演武場(時計台)は札幌農学校生徒の入学式・卒業式などの行事を行う中央講堂として1878年(明治11年)に建設されました。
145年前に作られた建物です。
建設当時の風景がジオラマで再現されていました。
現在の発展した札幌の風景からは想像ができない風景ですね。
初期の時計台です。
時計台のイメージとして赤い屋根に白い壁が印象的ですが、当時の外観は現在とは異なります。
別な建物に見えます。
展示された資料によると時計台は幾度となく異なった色の塗料で上塗りを施され、
時代により外観のイメージが異なっていたようです。
壁の色が緑の時代もあったようですね。
写真のように幾度となく異なった色で塗装され、外壁材に塗料の年輪を見ることができます。
明治時代のパーティ料理が再現されていました。
上から時計回りに、
白鳥のロース(ロースト)・ビンズ(インゲン)・イモ
鹿のロース(ロースト)・イマト(トマト)・イモ
鱈(タラ)
鹿デプロ(デプロマート)・サンヒレニュ(シャンピニオン)・イモ
アイスケーレン(アイスクリーム)
肉とイモ中心のメニューですが、アイスもついた豪華料理です。
当時は白鳥や鹿がごちそうだったんですね。
時計台の二階には明治30年代の講堂の雰囲気が再現されていました。
“Haste not, Rest not”
急ぐなかれ、たゆまぬ(休む)なかれ
新渡戸稲造の英語の言葉が、額に書かれていました。
愛弟子の森本厚吉が女学校を創立し、新渡戸に校長を頼んだ際に、
新渡戸が森本に対して「働きすぎだ、もっと休め」という意味で送った言葉のようです。
「NHKに出演した石!!」と書かれた石が置かれていました。
なんだ?普通の石にしか見えない。こんな石がTVに出演したの?
なぜこの石が大切なのか、時計の仕組みから理解することができました。
時計台の模型です。大きな文字盤と針が置かれていました。
案内版によると
「ドラムに巻かれたワイヤーの先端におもりを吊るすと重力(下がる力)の作用でおもりが降下します。
この時、ドラムに回転が起こり、この力により時計が動きます。
この駆動方式を重式といい、時計台の時計は、この方式により針を動かし、鐘を鳴らしています。」
振子の運動を持続させるためには、外部より力を供給しなければなりません。
働きをするのがおもりです。
□で囲まれた部分がおもりです。
重りの中に入れられているのが普通の石です。
札幌時計台の時計は普通の石で動いています。
普通の石が時計台の心臓部に当たり、重要な役割を担っていました。
◯印の中に普通の石が置かれています。重しです。
時計の仕組みをTVで紹介した際にこの石が出演したと案内板に記載されていました。
時計台の窓ガラスから眺める外の風景は少し歪んでいました。
古い透明なガラスは厚さが均等ではなく光が乱反射して歪みが生じます。
外の景色に当時の面影はありませんが、歪んだ景色に時の流れを感じます。
“Haste not, Rest not” と諭した新渡戸稲造の言葉に反し、慌ただしい時計台見学となりました。
仕事の合間なので残念です。
それでも時計台が刻む時間はゆったり流れているように感じました。
急ぐなかれ、たゆまぬ(休む)なかれ
時計台が語っていました。
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アスザック株式会社 インフラエンジニアリング事業部 海外石材チーム
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