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今、大きな話題となっているNetflixの『極悪女王』。とにかく、あの頃の全女（全日本女子プロレス）が完全再現されていると各方面から絶賛されているだけに、私も早速見させてもらった。
で、一気に五話全部見終わった感想は、確かにこれは面白い。女子ならではの世界にありがちな、特有のドロドロした人間関係までしっかりと描かれており、ちょっとした言動まで本当にこうだったんだろうなぁ〜、と思わせるリアルさをそこに感じさせてくれた。
ただ私の感想は他の人たちが書いているようなものとはちょっと違って、主役のダンプ松本さん、長与千種さん、ライオネス飛鳥さん役のユリアン・レトリバー、唐田えりか、剛力彩芽さんの演技よりも、経営陣の松永兄弟（村上淳、黒田大輔、斎藤工）の方に見入ってしまいました。
正直、私は専門誌記者時代も全女とはあまり接触がなく、所属選手がFMWに参戦してきたときや、女子プロオールスター戦のときぐらいしか取材したことはないので、当然、フロントの人たちとはまったくといっていいほど接点はなかったんだけど、何かこのドラマを見たら、きっとこのまんまの人たちなんだろうな〜、と思ってしまいました。
とにかく、昔のプロレス業界の背広組の人たちといえば、良くも悪くも個性の塊のような人ばかり。リングアナやレフェリーなんかは人前に出てる人たちだから皆さんもご存知でしょうけど、そうではない人たちもクセの強い人が多いんですよ。
ただ人間的にはクセがあっても、共通した部分はプロレスが大好きだという人たちばかり。「パンプをとったことのない人間に本当のプロレスは語れない」と言われていた時代に、ある意味、選手以上にプロレスを溺愛している人たちだったといってもいいでしょう。
このドラマに出てくる松永兄弟も、お金に貪欲で、リング上を盛り上げるためには選手たちの素の感情を平気で煽り、目の前で行われている試合を賭け事の対象とするなど、まさに傍若無人ぶりを発揮しているんだけど、それでもプロレスという業界を心から愛して、心底、のめり込んでいたように思います。
愛情というのは決して綺麗なものばかりではなくて、ドロドロとして本当に醜い姿もある。いわゆる昔の業界の背広組の人たちって、本当にプロレスを溺愛し過ぎて溺れていたのではないか？と思わせる人たちが多いように思います。そういう裏話もいっぱいあるんてすけど、まあ今回ここで書くのは止めておきます（笑）。
とにかく、良くも悪くも昔のプロレス業界というのは、本当に村社会の典型だったと思います。今は一般企業がオーナーとなって根本的に街社会に変わりつつあるようだけど、プロレスに対する愛情っていう部分では、どうなんだろうな〜、と思います。
ちなみに下のYouTubeもご覧になってみてください。極悪同盟のダンプ松本、ブル中野と、クラッシュ・ギャルズのライオネス飛鳥、長与千種の４選手がWWF（現WWE）に参戦しているときの映像なんですけど、セコンドについて一緒に入場しているのって本物の松永兄弟ですよね？
https://youtube.com/watch?v=aIUX3UPDNh0&si=JCVdDUfBhC1Gs221
こういった過去の映像が出回ってくるのも、このドラマのおかげ。しばらくは女子プロレスというものが世間の注目を、より集めることは間違いないでしょう。それを大きな波にできるかどうかは、現在のプロレス業界にいる人たちの努力次第にかかっている。とにかく、選手と社員が一丸となって、頑張っていってほしいものです。
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