全日本2024.7.20後楽園大会TV観戦記『価値観の大事さ』 | 俺ってデビルマン!?

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知ってる人は知ってるし、知らない人はまったく知らない…私、元・週刊ゴングの鈴木淳雄と申します。かつて所属していたプロレス業界に限らずに、今現在の私をありのままに記していきたいと思いますので、どうぞ宜しくお願い致します。

 奇をてらった試合をしなくとも、しっかりと埋まった会場。魅力的な外国人、そしてフリー選手も全日本のポリシーに則って、存分にプロレスを展開している。それはまさに今の全日本がどれだけ充実しているかの何よりの証。完全に全日本は復活した!それだけはもう間違いない!


 特に今回の後楽園大会は新時代の旗手NewPeriodが完全に主役の大会。三冠次期挑戦者決定戦の青柳vs 綾部、NEXTREAMファイナルの宮原vs HAYATO、メインの三冠戦も安齊vs 本田と、結果の勝ち負けはともかく、外敵も外国人もいないNewPeriodと宮原&青柳だけの対戦で後楽園大会を成功に収めた意味は大きい。


 そこに至るまでのカードも成功の要因であることはもちろんだが、それにしても今の全日本がこれまでの全日本の価値観を壊すことなく、従来のプロレスの枠組みだけで充分にファンを惹き付け、満足させていることができているのは本当に素晴らしい。


 時代がどう変わろうとも、プロの興行において一番大事なことは、いかに観てくれる人たちを満足させる世界観を完成させることができるか、にかかっている。ところが、現代プロレスの特徴は変えることに比重を置きすぎて、その世界観を壊しにかかってしまっている。それで従来のファンにソッポを向かれ、ジリ貧状態に…。


 大事なことは、変えることではなくて増やすことなのではないか!? 違った価値観を取り入れることも決して悪いことではない。でも、それで従来の価値観そのものを壊してしまったらまったく意味がない。それではプラス効果は生まれず、むしろマイナス。従来の価値観を壊さず、そこに肉付けできて初めてプラス効果になる。


 だから歴史をもっと大事にしろ、と言いたい。今のファンは知らないかも知れないが、全日本も新日本も馬場や猪木の時代にデスマッチをやったことがある。でもそれをやらなくなったのは、やはりその団体のポリシーにはそぐわないものであったから。


 今の選手が違った価値観を求め、同時にファンもそれを求めているのなら、何も文句は言わない。でも本当にそうであったとしたら、もっと会場は観客で埋め尽くされているだろうし、もっと人々の話題にもなっているはず。それがそうなっていないのは、結果として求めていない人の方が大勢を占めている、ということなのではないか?


 今の全日本の勢いが全国に拡がっていけば、新日本から業界盟主の座を奪い取ることも決して夢物語ではなくなってくる。それにはまず、かつての二大メジャー時代に匹敵する存在に全日本プロレスが逸早く戻ること。他団体の力を借りずとも、ビッグマッチを成功できるほどの確かな地力をつけること、そこにかかっている。


 それにはとにかく、従来の価値観を壊すことなく、プラスαになるものが何なのかをしっかりと

見極めることが大事。それが見つけられたとき、全日本プロレスの新時代が本当に完成される!



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