GAORA プロレスミュージアム #47 TV観戦記 | 俺ってデビルマン!?

俺ってデビルマン!?

知ってる人は知ってるし、知らない人はまったく知らない…私、元・週刊ゴングの鈴木淳雄と申します。かつて所属していたプロレス業界に限らずに、今現在の私をありのままに記していきたいと思いますので、どうぞ宜しくお願い致します。

 毎度のことながら、私がプロレスから離れていた頃の全日本プロレスを堪能できるこの番組、GAORA の『プロレスミュージアム』は本当に貴重だ。

 今回もいきなり、創立30周年記念パーティーと、武藤敬司の新社長就任挨拶からスタート。そこには参戦している日本人選手と共に、当時PWF会長だったスタン・ハンセン氏が並んで記念撮影している。この光景を見るだけでも、その時代を知らない私にとっては実に貴重なもの。

 そして大会が始まるや、何とも言えぬオールド全日本ファンにとっては、とっておきのカードが飛び出した!因縁深きテリーとブッチャーがタッグを結成!? 武藤・全日本はなんてことをしてくれるんだ!? と思ったが、この頃のテリーは既にハードコア・ファイターと化しており、そういう意味ではブッチャーのパートナーとしては相応しいのかも知れない!?

 対するはターザン後藤!? WARで天龍と抗争していたのは知ってるけど、故郷・全日本に里帰りしていたんだ。この頃の後藤は、体格的にもブッチャーとほぼ互角。この二人のシングル戦がもしデスマッチを、ウリとするFMWやIWAの興行で実現していたとしたら、充分にメインを張れる顔合わせだと思う。

 後藤のパートナーとなる本間朋晃は最初はここに抜擢される意味が分からなかったけど、そうか、本間はそれ以前に大日本プロレスでデスマッチ王座を獲得していたんだね。なるほど、試合形式は通常ルールなものだったけど、この試合は全日本流のハードコアマッチを演出した訳だ。

 テリーとブッチャーがしっかりと共闘して勝利を果たした後に、最後はキッチリ仲間割れ。レジェンドならではの完成された世界が、初めから終わりまで余すことなく展開されていく。基本的にレジェンドマッチはあまり興味のない私ですが、この一戦は本当に興味深かった。

 爆破などギミックが主役になってしまっている現代プロレスのデスマッチはあまり好きではないけど、あくまでプロレスラーのアイテム(付加価値)として行われる試合ならば、決して嫌いではない。この違い、現代プロレスしか知らない人たちには分かってもらえないんだろうな~。

 アグネス仮面って、集英社から発売されていた『ビッグコミックスピリッツ』に連載されていた漫画は読んでいたけど、実際に試合もしてたんだね。で、その中は誰なんだろ?と興味深く見させてもらったけど、最後の技を見るまでは、その正体が誰なのか、まったく分からなかった。

 でも最後の技は明らかにあの選手のもの。あれ、ケア?…そう言われてみれば、マスク越しに見えるその眼は確かにケアのもの。もしそうだとしたら、フィニッシュ以外の使う技はもちろん、細かな動きにしてもまったくの別人を演出してみせたその器用さは、特筆すべきもの。

 秋山準が初代BURNINGを離脱したときに、正パートナーに指名したのがこのケアだったんだけど、そのときの理由が(当時の)「若い人間の中で、コイツが一番器用で機転が利くから」と語っていたけど、もし秋山が全日本から離脱していなかったら、もしくはケアが共にNOAHへ参加していたら、このコンビがキッチリと時代を獲得していたかも知れない。この試合を見終えたあとに、そう確信してしまった私だった。

 小島vs馳、天龍vsムタは、まだヘビー級が正真正銘のヘビー級らしい試合をしていた頃のプロレスらしいプロレスだったと思う。この4人の中で3人が新日本育ちの選手なのに、しっかりと全日本らしさも感じさせるのはさすがといったところ。馬場・全日本とも三沢・全日本とも違う武藤・全日本の魅力は、こういったところにあったのだろう。

 2002年といえばもう21年前、この頃に生まれた赤ちゃんが立派な大人になるほどの年月が経っている。私にとっては大好きな全日本プロレスの歴史においての忘れ物、知らない時代を知れる本当にいい番組です。これからも『プロレスミュージアム』、楽しみにしております!できれば全日本編を月1で定期的にやって頂けませんかね?

■2002年10月27日 東京・日本武道館
ターザン後藤、本間朋晃vsテリー・ファンク、アブドーラ・ザ・ブッチャー
ケンドー・カシンvsアグネス仮面
小島聡vs馳浩
▽三冠ヘビー級選手権
天龍源一郎vsザ・グレート・ムタ



三沢はなぜ全日本で革命を起こしたのか!?

なぜNOAHを設立するに至ったのか!?

この本にその答えが載っている。

  


 絶賛発売中❗❗

『三沢革命はなぜ起こったのか』

なぜ、三沢は革命を起こすに至ったのか!?その真実がここに克明に!/馬場元子さんとの確執、その発端となったハワイ事件/三沢と小橋が真の盟友となった日/三沢は馬場にとって代わりたかっただけなのか?だから全日本を辞めたのか?その答えがここにある/ブログ未掲載の川田利明、田上明インタビューも敢行!聖鬼軍の二人はあの頃、三沢革命をどう思っていたのか!? …これを読まないと真の四天王プロレスは語れない!プロレスを知らない人にも、読んで頂けるノンフィクション・ヒューマンドラマです!


フスボン