スター選手はどうすれば誕生するのか!? ⑥ | 俺ってデビルマン!?

俺ってデビルマン!?

知ってる人は知ってるし、知らない人はまったく知らない…私、元・週刊ゴングの鈴木淳雄と申します。かつて所属していたプロレス業界に限らずに、今現在の私をありのままに記していきたいと思いますので、どうぞ宜しくお願い致します。

 どんなに素晴らしいプロレスラーがそこにいようと、相手がいなければ試合は成り立たない。支持する者がいなければ、ただの独りよがりの見世物になってしまう。


 例えば誰よりも屈強なレスラーがそこにいて、己の強さを見せつけて完勝したとする。一方的な勝利を遂げて、それを見た人たちはどう思うだろう?


 かつてパンクラスという団体が世に出てきたとき、あっという間に勝負が決する『秒殺』の衝撃が一大ブームとなった!


 興行全体を見ても二時間にも及ばず。目にも止まらぬ早さで動き廻り、目にも止まらぬ早さで勝利を掴んでいく、それまでのUWFとも分裂したU3派(リングス、Uインター、藤原組)とも違う新鮮な格闘ファイトは、まさしく時代の寵児となった!


 で、この団体はどうなっただろう? プロレスとは一線を画し、純粋なアマチュア・スポーツ、純粋な格闘技団体として世に認知されるに至ったと私は思っているがどうだろう?


 先日、パンクラス旗揚げメンバーの中心人物であった船木誠勝のYouTubeを見たとき、「(旗揚げ当時の)パンクラスは負傷者が相次ぎ、興行が成り立たなくなっていった」と語っていた。


 プロレスはただ勝てばいい、ただ相手に勝利すればいい、というものではない。だからといって、純粋に強さを追求しない闘技者など、人を惹き付ける魅力に値しないと私は思う。


 我々プロレスファンは、プロレスラーに強さを求めている。違うだろうか? 私たちが熱狂してきたプロレスと、現代プロレスは違うという人もいる。でもプロレスに求める本質は何も変わっていないと思う。


 相手の技を自ら胸を突き出し、真っ向から受け止めていく。それこそがプロレスの醍醐味だという人もいる。別にそれを否定するつもりはない。だが皆が皆、同じように同じことをする今のプロレス界をどうしても私は面白いとは思えない。


 パンクラスという団体は、プロレス界に革命をもたらした。それは揺るぎようのない事実だ。ただPRIDEやUFC、総合格闘技団体が生まれてきたことによって、プロレスとの大きな垣根が作られてしまった。


 ある意味、総合格闘技団体はプロレスを食い物にしてきた感がある。プロレスラーを総合のリングに引っ張り出し、その最強神話を崩すことで天下をとった。勝てばいい、負けた方が悪い。そう言われれば何も言い返せない。


 プロレスと総合は似て非なるもの、だから比べる必要はない。私もそう思う。ただだからといってプロレスラーは強くならなくてもいい、それは絶対に違う。


 リングの上で闘い、その闘いを魅せることで人々の心を掴んでいく。そのための技法は幾つあってもいい。いや、無限大に広げていってこそ、プロのアスリートなのではないだろうか!?


 プロレスラーは演技者なのか? いや、そうではないだろう。ボディビルダーのように美しさを追求して身体を鍛えていればいいのか? いや、そうではないだろう。強くあるために、日々の努力を形とするためにリングに上がっているのではないのか?


 あえて全プロレス団体に問いたい。プロレスとは何を見せるものなのか?と。


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