検証 三沢革命はなぜ起こったのか!?⑬ | 俺ってデビルマン!?

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知ってる人は知ってるし、知らない人はまったく知らない…私、元・週刊ゴングの鈴木淳雄と申します。かつて所属していたプロレス業界に限らずに、今現在の私をありのままに記していきたいと思いますので、どうぞ宜しくお願い致します。


 三冠王者として、全日本のエースとして確固たる地位を築いていた三沢さんだが、決して現状に満足してはいなかった。

「俺自身は自分に納得していないから、まだまだと思う訳ですよ。プロレスファンの中では俺は認知されてるかも知れないけど、プロレスを知らない人にももっと(会場に)見に来てほしいからね。もっとメジャーになれればいいな、って今は思ってるから」

 今、自分たちがリングの上でやっている闘いは、誰に見せても充分に誇れるものであると、三沢さんは自信を持っていた。だからこそ、それを広げる努力をもっとしていかなければならない、と力説していた。

「(世間へのアピールが)少ないね。だからこそ、変えていかなきゃいけない部分なんですよ。レスラーだけ変わらなきゃいけないか、っていったらそうじゃない。もうレスラーが試合だけしてりゃあいい、つていう時代でもないと思うし。結局いい試合しても、会場に来た人しか分からんから。TVも深夜になってるし、宣伝が少ない訳じゃない? 例えばこれを作れば売れるよ、っていわれても、売れない場合もあるだろうし、やっていく段階で何か考えていかないと。こうしなきゃいけないっていう答えがないから難しいんですよ」

 ハッキリと名指ししている訳ではないが、選手だけが変わればいい訳じゃない、会社全体が変わっていかないと本当に良くはなっていかない、と遠回しに言っていた。

 例えば"対抗戦をやって、新しい者や新しい闘いに飛び付けば、そりゃあ話題にはなるだろう。でもそれはプロレス村の中の話であって、それもまた見慣れてしまえばすぐに飽きられる。それよりもまず、会社全体が一丸となって、今の全日本をもっと広く世間にアピールしていくべき"、三沢さんの主張はそれであった。

「早い時期か長い目で見なきゃいけないか、俺には分からんけど、面白くしようという考えはみんなが持ってるから、そのへんを期待してくれるかな、っていうところだよね」

 この一言が、三沢革命の原点である。具体的にそう言っている訳ではないが、会社を良くする、現状を打破するためには、選手だけが何かをすればいいのではなく、会社全体がいい方向に変わっていくべき。

 そして良くしたいという思いはみんなが持っている気持ちだから、一部の人間だけで推し進めるのではなく、みんなで考え、みんなでかわっていくべきだ、というのが三沢さんの考えである。そしてそれは、三沢革命のときの三沢さんが馬場さんに要求したときの内容とまったく同じものである。

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