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こんにちは。しーたです。
5/2にやっと復活しましたが、かなり長い期間、ブログをお休みしてしまいました。
何度かこのブログでもお話しましたが、実は、頚椎椎間板ヘルニアの手術以降、声がかすれてまともな会話が困難な状態です。どうも声帯麻痺のようなのです。実は、最初の頃は、「ま、そのうち戻るやろ~」と気楽に構えていたのですが、だんだんと事態の深刻さに気がついて、だいぶん凹んでました。
どんなに普通の大きさの声を出そうとがんばって、喉に力を込めても、出るのはカスカスの空気みたいな声…。言いたいことを思いついても、2・3秒かけて喉に力を込めて、話を始めないといけません。
…つまり、「まずい!」と思ったときに、とっさに言葉を継ぎ足すことができないのです。これがものすごく、私にとっては苦痛です。というのも、私は、空気の読めない発言や、相手を怒らせるような発言したときに、とっさにフォローの言葉を継ぎ足すことで回避してきたからです。
つまり、長年かけてやっと身に付けた社会を渡っていくための会話術(?)を封じられてしまったのです…。
そして、声が出なくなって、初めて気がついたのは、発声しにくいというだけで、会話の中の単語を省略しようとしてしまうということ。普段なら、誤解を招かないようにできるだけ言葉を省略せずに話すのですが、頭で考えているスピードに喉が追いつかないので、省略してしまうのです。
その結果、言葉足らずな説明不足の会話になってしまう…。
それで、かなりイライラしていたのですが、
「でも…この感じ、なんか覚えがあるぞ。」
何か懐かしい感じさえするこの感じ…なんだっけ??
ふと、ある事を思い出しました。
少し、発達障害の内容からハズレるかもしれませんが、それが今日のお話です。
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実は、冒頭の4コマ漫画に描いたように、私は小学校低学年の頃は、とにかく細~くて小さ~い声でした。
ですから、本読みで当てられると、毎回、先生に
「声が小さい!」
「もっと大きな声で!」
「もっと大きな声が出るでしょう!」
と、何度も怒られて、読み直しさせられました。
自分としては、精一杯の大きな声を出して読んでいるのに、先生からは、まるで「恥ずかしがって小さい声で読んでいる」とでも言わんばかりの対応をされました。
何度も読み直しさせられながら思ったのは、
「普段の私を見てたら、恥ずかしいから小さい声なんじゃなくて、元から声が小さいのぐらいわかるやんか。急に、大きい声を出せって言われても、すぐに出るわけないやんか!!」
そんな怒りでした。いくらやってもできないことをムリにさせられて、怒りで涙がこみ上げてきて、声が詰まって読めなくなって黙りました。
すると、先生は、私が反抗して黙り込んだと思って、「ちゃんと読みなさい!」と怒るんです。
私はクラスのみんなの前で泣くまいとして必死で我慢していたのですが、その姿や表情が先生には、反抗的な態度に見えたのだと思います。
しかし、よく考えると、声の小さい人に大きな声を出せと言ってすぐに出せるものでしょうか。
こうした問いに、よく大人が言うのが、
「普段、きゃーきゃーわーわー騒いでるじゃないの!大きな声でてるじゃないの!」
確かに、子供は興奮すると、かなり大声でぎゃーぎゃーわーわー騒ぎます。では、それが本読みの時の最大音量になるのでしょうか。
少し考えてみると、大人だって、「ぎゃー!」っと叫ぶ時の大声のレベルで、本読みができるでしょうか。
単語や文章を読むときの喉の使い方と、ただ大きな叫び声を上げるのとでは、まったく違うと思うのです。
わざわざ劇団員が発声練習をするのは、潤舌をよくするだけではないですよね。大きな声を出すための訓練でもあります。
つまり、大きな声で文章を発声するために必要な筋力が必要なのではないでしょうか。それは、喉だけではなく、吐き出す息を制御するための筋肉であったり、全身のいろいろな筋肉のバランスであったり。
これは私の勝手な想像ですが、発達障害の子供はインナーマッスルが弱いことが多いと聞いたことがあります。(じっとしていられないで、身体をくねくねさせるのはそれが原因だとか…。)
もし、そうであれば、声が異様に小さいのは、発声を制御するための筋力が弱いということもありえるのではないでしょうか。
私自身は、小学校の高学年になる頃には、普通の子と同じレベルの声が出せるようになりました。
それは、小学校3年生から始めたソフトボールや小学校6年で始めたバスケットボールなどの練習で、掛け声を出すようになってからでした。はじめは、がんばって掛け声をだしてもほそ~くてちいさ~い声で、周りの子の声にかき消される程度でしたが、毎回、毎回、自分の出せる精一杯の大きな声を出しているうちに、少しずつ大きな声が出るようになりました。
そして、一番効果があったのが、小学校5・6年生のときの音楽の授業だったと思います。
私の通っていた小学校は公立にはめずらしく、音楽の専門の先生がいました。普段の授業で本格的なコーラスの指導をしてくれたのです。クリスマスには、6年生全員でハレルヤコーラスを大合唱しました。
その音楽の授業で、おなかから声を出す発声練習をさせられました。そして、なによりも、歌うことの楽しさを学びました。それまで、歌うことは嫌いだった私が、毎日、毎日、学校で習った歌をお風呂で熱唱するようになりました。
気がつくと、おなかに力を込めて大きな声で発声ができるようになっていました。
おそらく、大きな声を出す練習を続けたことで、発声に必要な筋力がついたからではないかと思います。
それ以降は、むしろ声が大きく(大きすぎる!)、とても通りのよい声になりました。(逆に、声を小さく制御できなくなった感じでしたが…(汗))
今、思い返すと、声が大きくなるにつれて、はっきりと自分の意見を言えるようになったように思います。もちろん、精神的な面の変化や、自分自身で意識して変わろうとした、ということもありますが、発声がラクになったのも1つの要因ではないかと思います。
今の小学校の教育はよく知らないのですが、やはり、本読みで声が小さいと怒られている子供は、たくさんいるのではないでしょうか。そして、私の先生のように、大きな声で読みなさい!と何度も読み直しさせている先生も…。
普段、発生の練習もしていないのに急に大きな声が出るわけがありません。これは大人でも同じはずです。小さな子供に、クラス大勢の前で何度も何度も読み直しさせるのは、本人の心を傷つけるだけで、何も改善されないと思います。(場合によってはいじめのネタになることもあります。)
そして、指示に従わず黙り込んだとしても、それは必死で泣くのを我慢しているだけなのかもしれません。特に発達障害の子供は、表情と内面が一致しないですから…。
ほんとうに子供に大きな声を出せるようにしたい!と望むのであれば、きちんとした発声練習で指導するなどの取り組みをして欲しいと思います。
もちろん、本人が"楽しく"取り組める方法で…。
今回、声が出なくなって、そんなことを考えました。
↓がんばって読んでるので、