時が経つにつれ淋しいのやら何をしたいのやらわからなくなっていた。


平日も夜中までりさはいない、休日も夜中までりさはいない・・・。


オレっていったい何をしているんだろうか・・。


ただの同居人?いや同居も言いすぎだ。ホテルのフロントみたいなものかも・・。


てかオレ達、婚約してるんだけどなぁ。


でも、きっと他に男がいる、何かつかめないかなぁー。


そんなことを考えていたある夜、


りさを駅まで迎えに行ってみることにした。駅から家までは5分もしない。


なんか迎えにいくことで何かがわかるか、何か動きがあるような


そんな衝動にかられて私は駅まで向かった。


駅に向かう途中の道でこっちに向かってくるりさの姿を見つけた。


彼女は電話しながら歩いていたが、私に気づいた瞬間、


とてもあせった表情をして、すぐに電話を切った。



り : 「な・・何してるの?」


私 : 「迎えにいこうと思って」


り : 「あ・・・そう・・。」



りさはとても嫌そうな表情をしていた。



それから何度か駅までりさを迎えにいった。


そして・・ある日。りさは私にこう言った。



り : 「もう迎えにこないで!」



さすがにショックだった・・・。


確かに何か真実がわかるかもしれない、そんな詮索の意味もあった。


でも、「淋しい」というその気持ちがきっかけでもあったから。



一回聞いてみよう。


やっぱり聞いてみよう。


どこに行っているか聞いてみよう。


相談の結果を実践することにした。


それにしても些細な質問なのになぜこんなに迷うのか・・・。



その日も遅く帰ったりさに問いかけた。



私:「今日さー、今日はー・・・・どこ行ってたの?」


なんか緊張した。


り:「別に」


私:「別にって。どこ行ってたのって聞いただけなのに。」


り:「関係ないじゃん!友達と遊びにいくって言ったでしょ!」


私:「いやだからどこにって・・」


り:「うるさいなぁー!」


私:「な、なんでそうなるの?」


り:「いちいち聞いてくるからだよ!」


私:「そんなにいつも聞いてないじゃん。」


り:「じゃー聞かなくていいじゃん。」


私:「そんなに変なこと聞いてる?どこ行ったの?それだけでしょ?」


り:「うざい!」


私:「・・・・・・・・・・」



もう彼女がわからない・・・・。



こんな状況っておかしい。やっぱりおかしいよねー?


そう思って会社の同僚に話しをしてみた。


同僚のSさんは少し年上の女性。


やはり女性の視点での意見が聞いてみたかった。



私:「最近さぁー、うちの彼女帰ってこないんだよね」


S:「ん?どういうこと?」


私:「平日もほぼ毎日夜は遊びにいってるし、週末も必ず土曜日はいないし」


S:「何?浮気してるの?」


私:「直球だなぁ。浮気かどうかわからないけど」


私はこれまでの出来事・経緯を話した・・・。


S:「それ・・・おかしいよ、絶対何かあるよ」


私:「やっぱそうなのかなぁー?」


S:「そうだよ。でもさー、帰ってきてどこいってたの?とか聞かないの?」


私:「うーん、聞かない」


S:「それさー、何も聞かれないからさみしいのもあるかもよ」


S:「私に興味ないの?みたいな感じで」


私:「そうかなぁー」



Sさんが言っていたこと、「私に興味ないの?」的なこと。


考えたことはあるが、これまでの態度を見ていると当てはまらないような気もした。


それに付き合ってお互いのことを深く干渉したことはなかったから


いまさら聞くのもなんだか不自然な感じもしたが、


「今度聞いてみよう」


と思った。